日本には「知のコロシアム」がある。その名はHyper-Editing Platform[AIDA]。ここは、松岡正剛座長と多士済々の異才たちとともに思索を深め、来たるべき編集的世界像を構想していく場だ。2022年10月に3シーズン目を迎えた[AIDA]では「日本語としるしのあいだ」をテーマにかかげ、全6回のライブセッションが開催された。リアル講義の模様は「月刊あいだ」というタブロイドに再編集されて評判を呼んだ。遊刊エディストでは「月刊あいだ」に掲載されたボードメンバーへの独占インタビューを特別公開していく。最終号は座長松岡正剛。(全6回、毎月第一金曜日更新予定)
日本語の謎に迫ることは、すなわち「方法日本」を探ることでもあ
聞き手:吉村堅樹・穂積晴明
日本という方法が、世界を解き明かす
――今期は「日本語としるしのあいだ」がテーマでした。
松岡 僕自身は昔から、言語に限らず「線の発生」や「声の出現」などな
物事のおおもとがなんであったか、それを長年考えていると、ある
――第1講では、日本語をのおおもとを知るためには「源氏物語」
松岡 源氏物語を書いたとき、紫式部の家は落ち目でした。しかし、ひと
――なるほど。座長は「虚にいて実をおこなうべし」という芭蕉の
松岡 ローマや中国にあった「帝国」は、法的な言語と社会的な制度をつ
――大陸から入ってきた稲も、直播きではなく苗代を開発するなど
松岡 そうです。そうすることで、本居宣長の言葉でいえば「ただの詞」
律令制を取り入れても、藤原道長から白河法皇まで中国的な制度と
――しかし明治維新や敗戦では、外からの文化をかなり受け入れて
松岡 僕の感覚でいうと、心内語として歌を残すという感覚は夏目漱石あ
――西欧のコードを大量に受け入れたのは、編集がおいつかないほ
松岡 それもありますが、日本がヨーロッパに対して決して追いつかない
しかしだからといって、母語に日本語をもった私たちが、日本文化
たしかにサイエンスや数学は重要で、レヴィ=ストロースがブルバ
――ボードセッションでは「日本語の特殊性こそが普遍性につなが
松岡 たしかに、日本語がもってしまった宿命というのはあります。いま
タブロイドおよびアイキャッチデザイン:穂積晴明
タブロイド撮影:後藤由加里
インタビュー構成:梅澤奈央
「月刊あいだ」編集長:吉村堅樹
シリーズAIDA BOARD INTERVIEW(全6回)
【AIDA】メディア美学者・武邑光裕氏インタビュー メタヴァースは〈マ〉を再生するか(2023/8/4公開)
【AIDA】座長松岡正剛インタビュー「日本語としるしのあいだ」をめぐって
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梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
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