ハンノキの葉のうえで、総身を白い菌に侵されて命を終えていたキハダケンモンの幼虫。見なかったことにしてしまいたくなるこんな存在も、アングルを変えてレンズを向けてみると、メルヘン世界の住人に様変わりする。
お正月に日本テレビの「はじめてのおつかい」に見入ってしまった方、いますよね?
4~5歳の幼児が、ある日突然「おつかい」を頼まれる。ニンジンとお肉を買ってきて! これがないと今日のお誕生日パーティーに大好きなカレーが作れない…。とかなんとか、もっともらしい理由をつけられ、お母さんからお金とお守りを受け取り、走り出す。いや、なかなか走りだせず、一人ででかけるのを渋る子もいる。つい弟を連れていくことになってしまうこともある。
「おつかい」はカッコイイけど、道は遠い、こっちでいいんだっけ? 迷う、間違える。お店の近くまできたけど、あの犬がこわい、お店の人に話しかけるのが恥ずかしい。なかなか気づいてもらえない。必死で声をはりあげる。あれ、お肉は300gだっけ、400gだっけ? やっと買えた! でも荷物が重い。弟がぐずり出す、どうしよう座り込んじゃった…。自分も泣きたい、涙がこぼれてくる…。
ああ、だけどここでくじけたら、お母さんが困る、みんなが困る。愉しいパーティーのためにこのお肉とニンジンを持って帰らなくちゃ!! 涙を拭いて立ち上がり、ぐずる弟を励ます「早く帰ってカレーをたべよう」。ぐいぐい歩き出す。
やっと家が見えてきた。なぜかママが泣いている…。うわーん、泣きながら駆けだす。小さな英雄の帰還に、テレビで見ているこっちも涙ぐんでしまう。
物語には型がある。世界じゅうの物語を研究したジョセフ・キャンベルによれば、セパレーション・イニシエーション・リターンの三間連結が基本の構造だ。「はじめてのおつかい」は、まさにこのシンプルな構造でできている。毎回同じパターンでありながら、多様なキャラクターと彼らの背負う世界観、唯一無二のシーンによって、新たな涙をあふれさせる。
イシス編集学校の[破]で稽古している物語編集術も、「はじめてのおつかい」と同じシステムだ。有名映画を原作に使い、別様の世界観で新たな物語をこしらえる。
このエディットツアーでは、物語のセパレーション部分をつくってみる。「はじめてのおつかい」よりは、妖しく、奇想天外な物語が始まるはずだ。
ナビゲーターは[破]評匠:野嶋真帆。4期で入門して以来、物語編集術を磨き続け、師範代たちにその秘訣を伝授してきた。松岡校長も、野嶋が師範代に物語をレクチャーするのを、いつも愉しみに聴いていた。
物語をつくるなんて、初めて! という方も大丈夫。「はじめてのおつかい」に見入ってしまうあなたには、物語回路が埋まっている。意外なお題に出会って、自分のイマジネーションが喚起されるのを感じてほしい。
[守]学衆はもちろん、未入門の方も歓迎します!
■日時:2026年2月22日(日)14:00-15:30
■費用:1,650円(税込)
■会場:オンライン(お申し込みの方にZoomアドレスをご案内します)
■人数:限定20名様(先着順)
■対象:どなたでもご参加いただけます
■ナビゲーター: イシス編集学校[破] 評匠:野嶋真帆 学匠:原田淳子
■お申込み:エディットツアーオンラインスペシャル[破]「物語編集術を先取り!」
原田淳子
編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。
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2026-02-10
ハンノキの葉のうえで、総身を白い菌に侵されて命を終えていたキハダケンモンの幼虫。見なかったことにしてしまいたくなるこんな存在も、アングルを変えてレンズを向けてみると、メルヘン世界の住人に様変わりする。
2026-02-05
誰にでも必ず訪れる最期の日。
それが、どのような形で訪れるかはわからないが、一番ありえそうなパターンの一つが終末介護病棟での最期じゃないだろうか。沖田×華先生と言えば、自虐ネタのエッセイマンガでよく知られるが、物語作家としても超一流だった。深く死に向き合いたい方は、是非ご一読を。
(沖田×華『お別れホスピタル』)
2026-02-03
鋸鍬形、犀兜、鰹象虫、乳母玉虫、碁石蜆、姫蛇の目、漣雀、星枯葉、舞妓虎蛾、雛鯱、韋駄天茶立、鶏冠軍配、鶉亀虫。見立ては、得体の知れないものたちを、手近に引き寄せたり、風雅に遊ばせることの糸口にもなる。