松岡正剛を偲ぶ、音楽と語らいの特別な夜「玄月音夜會」開幕

2025/05/27(火)18:00
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2024年8月、松岡正剛が静かにこの世を去りました。
その直前まで松岡校長は、生涯一編集者というモットーを貫き、本を読み、言葉を編み、問いを投げかけ続けていました。

 

さまざまなジャンルのアーティストと親交を深めてきた松岡校長は、自身が大好きな音楽家の方々と、音楽と言葉が交錯する“夜会”を楽しんだものです。
自ら亭主となり、音を、ことばを、思想を、その場に集った人々と交わす。
そこには、松岡校長の数寄三昧が詰まっていました。

そのスピリットを継承し、私たちはいま、全7夜にわたる音楽会シリーズ「玄月音夜會(げんげつおんやかい)」をはじめます。

 

第一夜に登場するのは――

あがた森魚さん。

松岡校長が“赤色エレジー”を愛唱歌とし、雑誌『遊』の特集では追悼曲を依頼、交流を深めた音楽家。

そのあがた氏が、この「玄月音夜會」シリーズに登場するのは、この一夜限り

松岡校長生涯の愛唱歌「赤色エレジー」はもちろん、二人の出会いのきっかけでもある足穂愛を存分に歌いあげていただきます。今回を逃せば、二人の思い出をともに辿る機会はもう訪れないかもしれません。

 

音と言葉が交わる、最も濃密な夜。
松岡正剛を語るにふさわしい、“音のはじまりの章”が、いま幕を開けます。

 

限定40名―― 音と言葉を「交わす」夜

本イベントは、40名限定の会場参加と、オンライン配信視聴の2通りでお楽しみいただけます。
特に会場でのご参加は、ゲストとほぼ同じ目線・距離感で語らいを交わせる希少な体験

 

休憩時間にはまほろ堂蒼月(世田谷・宮坂)による季節の和菓子を、

演奏終了後には、白百合醸造(山梨・勝沼)のこだわりのワインとオリジナル料理を囲んでの懇親のひとときをご用意しています。


ゲストと、参加者同士が、ゆっくりと語りあえる場。松岡校長が愛した「夜会」の再現ともいえる時間です。


開催概要

  • 日程:2025年6月12日(木)

  • 時間:開場 18:30 / 開演 19:30

  • 会場:編集工学研究所 イシス館 本楼(東京都世田谷区赤堤2-15-3)
     (小田急線 豪徳寺駅より徒歩6分)

 

参加方法・料金

  • 本楼会場参加:16,000円(税別)[飲食込み・限定40名]

  • 配信視聴参加:4,000円(税別)

※どちらの形式でも、期間限定のアーカイブ視聴が可能です(申込者限定)

 

お申し込み・詳細はこちら

 


 

松岡正剛の世界を、音楽とともに再び編み直す夜。
この貴重な会に、ぜひお立ち合いください。

 

出演者プロフィール

あがた森魚  Agata Morio /シンガーソングライター

1972年、デビュー曲「赤色エレジー」で一躍時代の寵児となり、フォークロックや昭和歌謡の要素を取り入れた独特の音楽世界を紡ぎ続ける。映画も手がけ、これまで『僕は天使ぢゃないよ』(74)、『オートバイ少女』(94)、『港のロキシー』(99)の3本の劇場作品を監督、俳優としても活躍している。1977年、松岡正剛が雑誌「遊」の稲垣足穂追悼号のために、あがた氏に追悼曲を依頼したことをきっかけに二人の交友が始まった。松岡は生涯、「赤色エレジー」を愛唱歌としていた。2022年、デビュー50周年として刊行された伝記本『愛は愛とて何になる』には松岡のインタビューも掲載、タルホ的センスあふれるあがた氏の音楽の魅力を語っている。

 

「玄月音夜會」の全貌

全7回の情報はこちらでからご覧ください。(セイゴオちゃんねる)

 

 

コメント

1~1件/1件

堀江純一

2025-06-06 00:00:00

堀江純一

2025-06-06 00:00:00

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。

  • 衣笠純子

    編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。

コメント

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堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025

大沼友紀

2025-06-17

●記事の最後にコメントをすることは、尾学かもしれない。
●尻尾を持ったボードゲームコンポーネント(用具)といえば「表か裏か(ヘッズ・アンド・テイルズ:Heads And Tails)」を賭けるコイン投げ。
●自然に落ちている木の葉や実など放って、表裏2面の出方を決める。コイン投げのルーツてあり、サイコロのルーツでもある。
●古代ローマ時代、表がポンペイウス大王の横顔、裏が船のコインを用いていたことから「船か頭か(navia aut caput)」と呼ばれていた。……これ、Heads And Sailsでもいい?
●サイコロと船の関係は日本にもある。江戸時代に海運のお守りとして、造成した船の帆柱の下に船玉――サイコロを納めていた。
●すこしでも顕冥になるよう、尾学まがいのコメント初公開(航海)とまいります。お見知りおきを。
写真引用:
https://en.wikipedia.org/wiki/Coin_flipping#/media/File:Pompey_by_Nasidius.jpg