草むらで翅を響かせるマツムシ。東京都日野市にて。
「チン・チロリン」の虫の音は、「当日は私たちのことにも触れてくださいね」との呼びかけにも聴こえるし、「もうすぐ締め切り!」とのアラートにも聞こえてくる。

いま、私たちに本当に必要なのは「読む力」である。
作家・元外交官の佐藤優氏が動画の中で“読書の師匠”と呼んでいる人物がいます。それはイシス編集学校 学林局林頭、吉村堅樹。
今回公開された対談動画では、この2人が、現代社会における読解力の危機と、そこに対抗するための読書術「義疏(ぎしょ)」について語り合っています。
動画の冒頭、佐藤氏は強い危機感を示します。
「いま、学生も、社会人も、全体として“読む力”が著しく落ちている」
その背景には、4技能(読む・聞く・書く・話す)をバランス良く伸ばすという教育方針があるといいます。
一見よさそうに見えるこの方針が、実は最も根幹となる「読む力」の鍛錬を浅くしてしまった、と語ります。
佐藤氏は明言します。
「読んで理解できないことは、聞くことも、話すことも、書くこともできない」
つまり、読む力こそが、すべての知的活動の土台。仕事も、学びも、人生を切り拓く力も、すべてここにかかっているのです。
では、どうすればその力を取り戻せるのか。
佐藤氏に促されて動画の中で吉村林頭が紹介したのが「義疏」。
松岡正剛がいう3A(アナロジー、アフォーダンス、アブダクション)。これを読書で生かして新たに名付けたものが「義疏」です。
単に本を読むのではなく、多層的なプロセスを通じて、知を自分の中に根づかせていきます。
この読書術の実践はとりわけ、社会人にとっては、仕事と結びつけて知を血肉化する強力な方法だといえるでしょう。
この「義疏」をはじめ、編集的な読解や思考を磨き、社会への実践をめざす学び舎がHyper-Editing Platform[AIDA]です。
この「知を創発するプラットフォーム」が2025年10月からスタートします。
「座と興のAIDA」をテーマに、日本文化が培ってきた「場の力」と創造性に着目し、日本文化論から生命科学まで、多領域にわたるゲスト講師を招いて実施します。
読めなければ、何も始まらない。
「読む力」を問い直し、鍛え直す、その入り口として、ぜひこの動画をご覧ください。
衣笠純子
編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。
知の迷宮ちえなみきに、田中優子登場!江戸と編集の秘密、ここに集う
ついに、あの人がちえなみきにやってくる。 3万冊の本が迷路のように連なる“知の迷宮”ちえなみき。その舞台で、江戸文化研究の第一人者であり、イシス編集学校学長・田中優子が語る特別講演が、いよいよ開催されます。 […]
編集学校のみなさん“知の越境”AIDAオンライン、のぞいてみませんか?
編集を学んでいるなら、ここも外せない。 Hyper-Editing Platform[AIDA]は、分野や業界を超えて、これからの社会像を構想する半年間の学びの場です。 異才・達人・哲人たちと共に、対話と探究を通して自分 […]
銀河の音にセイゴオの声が重なる夜~玄月音夜會 第二夜 7月18日(金)開催
宇宙の果てに漂うような、郷愁の調べ。 星めぐりの音とともに、セイゴオが語りだす——。 松岡正剛の10回目の月命日に始まった、追悼記念企画「玄月音夜會」。 第一夜では、半世紀にわたる親交をもったあがた森魚さん […]
グラスを回す指先に、本の記憶が香る― 「酒上夕書斎」第2夕 6/24YouTube LIVE開催
「酒上夕書斎」第2夕、開催決定。 ― 今度の一冊は、学長・田中優子をつくった“まさか”の読書体験。 ゴートクジイシス館から、月に一度の“本とワインの夕べ”をお届けするYouTube LIVE企画「酒上夕書斎(さけのうえの […]
2024年8月、松岡正剛が静かにこの世を去りました。 その直前まで松岡校長は、生涯一編集者というモットーを貫き、本を読み、言葉を編み、問いを投げかけ続けていました。 さまざまなジャンルのアーティストと親交を深めてきた […]
コメント
1~3件/3件
2025-07-15
草むらで翅を響かせるマツムシ。東京都日野市にて。
「チン・チロリン」の虫の音は、「当日は私たちのことにも触れてくださいね」との呼びかけにも聴こえるし、「もうすぐ締め切り!」とのアラートにも聞こえてくる。
2025-07-13
『野望の王国』原作:雁屋哲、作画:由起賢二
セカイ系が猖獗を極める以前、世界征服とはこういうものだった!
目標は自らが世界最高の権力者となり、理想の王国を築くこと。ただそれだけ。あとはただひたすら死闘に次ぐ死闘!そして足掛け六年、全28巻費やして達成したのは、ようやく一地方都市の制圧だけだった。世界征服までの道のりはあまりにも長い!
2025-07-08
結婚飛行のために巣内から出てきたヤマトシロアリの羽アリたち。
配信の中で触れられているのはハチ目アリ科の一種と思われるが、こちらはゴキブリ目。
昆虫の複数の分類群で、祭りのアーキタイプが平行進化している。