【AIDA Season2 第3講速報!】DOMMUNEの宇川直宏”番神”と田中優子・武邑光裕・佐藤優・吉村堅樹のAIDAで、座衆28人が「自分史」を発信する!!!!!

2021/12/15(水)08:53
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★★★渋谷パルコの「SUPER DOMMUNE」に2日間出張だ!!!!!

 

 2021年12月12日と13日、参加する全員が「メディアと市場のAIDA」を学びあい、考えあう「Hyper-Editing Platform[AIDA]Season2」の第3講を行った。第3講は渋谷パルコ9Fにある「SUPER DOMMUNE」に出張し、2日間・計15時間にわたって、あのDOMMUNEをジャックした!!! こんなタイトルだ。

 

編集工学研究所 Presents「HYPER HISTORY in FORMS of SUPER GENERAL」from Hyper-Editing Platform [AIDA]~復刊した世界同時年表『情報の歴史History in forms 21』を紐解き、個人と世界の「あいだ」に潜む「事件!」を語る。

 

 この記事では、2日間・15時間を超圧縮してお伝えする。内容をもう少し詳しく垣間見たい方は、DOMMUNEツイッターアカウントも覗いていただきたい。

 

”現在”美術家、宇川直宏

 

★★★宇川×吉村のナビゲーションで座衆28人が「自分史」をおおいに語る!!!!!

 

 Day1は、DOMMUNEの宇川直宏”番神”(松岡座長命名)と松岡正剛座長の対談セッションから始まった。ついで、宇川さんと吉村堅樹(編集工学研究所)のナビゲーションで、7名の座衆が「自分史」を語る「HYPER HISTORY in FORMS of SUPER GENERAL」へと突入! 後半は、AIDAボードメンバーの一人・田中優子さんにも入っていただき、さらに6名の自分史語りを行った。最後に、DOMMUNEに欠かせない「DJセッション」があり、座衆の中尾さん、小川さんがDJブースに立った。

 

 Day2は、宇川さんと縁の深いAIDAボードメンバー・武邑光裕さんの対談セッションからスタート。メディアと市場のAIDAにまつわるディープな話が展開した。その後、4名が宇川・武村・吉村のAIDAで自分史を紹介し、さらに7名の自分史語りを挟んで、今回3人目のAIDAボードメンバー・佐藤優さんが登壇!!! 宇川・佐藤・吉村で、最後の4名の自分史を紐解いていった。座衆の林さん、安渕さんのDJセッションを経て、ラストは宇川直宏×武邑光裕×佐藤優×松岡正剛の「最終講義」だ!!!!!!!

 

 なお、自分史語りとは、座衆がAIDA師範代、連の仲間たちとともに作り上げた「自分史クロニクル」を語っていくものだ。加えて、人生のある一年を「キーイヤー」として取り上げて『情報の歴史』(編集工学研究所)のキーイヤー年表も重ね合わせ、自分史を立体的に立ち上げていった。「キーイヤー年表がサーチライトのようにピカピカ点滅する」(松岡座長)なか、座衆28人が一人15分で次々に自分史を語っていった。

 

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『情報の歴史』のキーイヤー年表を見ながら「自分史語り」をした

 

 では、2日間の内容をかいつまんで紹介する!!!


★★★Day1/宇川×松岡対談

 

 「宇川さんがスゴイのは、側(がわ)と中身、受け手と送り手を一緒くたにしているところ」(松)「偶然性を取り込む以外に、想像も創造もない!」(松)「テーマをブラウジングして、番組を通して学んでいくスタイルを採っている」(宇)「番組や本をブラウジングして解読・捕食することからしか、自我や主体はつくれない」(松)「リスペクトする先行者を現在に持ち込むところが宇川さんと僕の共通点の一つ」(松)「自分がやっていたVJはDJに合わせて即興するインプロヴィゼーションがすべて。その先にDOMMUNEがあった」(宇)「デザインは俗を一番速く掴める! 田名網敬一さんや横尾忠則さんは日本の俗っぽさをいち早くポップアートとして表現した。宇川さんもそう」(松)「メディアにはミスやバグやノイズや乱入や進出が必要。DOMMUNEにはそれがある」(松)「バ美肉(バーチャル美少女受肉)によって、おじさんが美少女を演じるのではなく、『おじさんが美少女として生きる』時代がやってきた。つまり、好きなアイドルを推すのではなく、推しを自分の内側に育てていく『自分育て』の時代だ。そのイニシエーションとして、座衆の皆さんが自分史を語るのが今日!!!!!」(宇)

 

 

★★★Day1/自分史(※【】はキーイヤー)

 

●8歳で由紀さおりの美しさと歌のうまさに感動した/岩本智浩さん【1996年】 ●ここからもう一度上がっていくには、身体性が大事では(宇川)/中村正敏さん【1995年】 ●農業で土に触ると人間に還ることができる/桑原寛文さん【1996年】 ●小川さんの人生は、すべてがよくできたパフォーミングアートとしか思えない(宇川)/小川健太郎さん【2005年】 ●子どもの頃、ビデオの逆回転が面白かった/土屋恵子さん【2008年】 ●闇を闇のまま認めている石井さんがすごい(宇川)/石井智之さん【1993年】 ●好きな子がスケバンになってショックを受けた/大谷浩世さん【2015年】 ●三島の自決と70年安保。いろんなことが終わる1970年に自分の人生が始まった/田中優子さん【1970年】 ●琵琶湖一周と人生が重なるなんて。南さんは琵琶湖のアバターじゃないか(宇川)/南隆史さん【1975年】 ●カップヌードルのCMを見て「パリ・ダカールラリーに出たい!」というのが、自分が初めてやりたいと思ったこと/奥本英宏さん【1985年】 ●バブル絶頂、でも何となくすでにおかしくなり始めていた年にリクルートに入社した/中尾隆一郎さん【1989年】 ●自分のギターを岩に叩きつけて破壊した母の方がロックだった/日野吉章さん【2001年】 ●ユーゴスラビアやカンボジアを、壊れた後に立ち上がってくるエネルギーに惹かれて旅した/橋本洋二郎さん【1993年】 ●「あなたに相談したら実現する気がしない」と言われて口癖を直した/遠矢弘毅さん【2010年】

 

 

★★★Day2/宇川×武邑対談

 

「80年代に、ノイズアヴァンギャルド、カルトフィルム、クラブカルチャーなど、脱大衆化のもう一段ディープな文化を日本に紹介したのが武邑さん。その後、芝浦GOLDという思想を体感できる場所をつくったのも武邑さん」(宇)「大手メディアのファクトもフェイクも、すべてがファンタジーだとバレてしまったのが現代」(武)「ウンベルト・エーコは現代が中世になりつつあることを暴いた。たとえば、シェアリングエコノミーが君主と農奴の関係をつくると批判した」(武)「テレビはもう40代以上の女性を対象としたニッチメディアになった」(宇)「いまは100人のコアなファンがいれば食べていける」(武)「Qアノンは中世的情報戦術を採用している」(武)「日本にはヨーロッパの個人主義が欠落しているから、公益が生まれない」(武)「ドイツのサウナや『ベルクハイン』というクラブでは情報が秘匿される」(武)「ビョンチョル・ハンは『透明社会』(花伝社)で、透明性を最大の悪として批判している」(武)「ハッキングとは共有のために密猟すること」(宇)「DOMMUNEはずっと前夜祭、ずっと微熱のメディア」(宇)

 

 

★★★Day2自分史(※【】はキーイヤー)

 

●大阪と神戸のあいだ・平均的な宝塚で生まれ育ち、阪神・淡路大震災に遭って人生が揺れ動いた/岩田功憲さん【1995年】 ●中国ではDOMMUNEは絶対にできない。でも庶民は意外とたくましくアナキズムをやっている/木村秀之さん【1989年】 ●何度もフラレる人生が気になる(宇川・吉村)/林泰斗さん【1997年】 ●未来予想派には何度も裏切られたけど、コミュニケーション手段として読んでいる/樋口毅さん【1999年】 ●数年前から、計画的偶発性を生かした「川下りキャリア」を生き始めた/荒井さん【2005年】 ●人生はインプロヴィゼーション。田中泯さんのゲリラ公演を成功させた/山口典浩さん【2011年】 ●小さい頃からずっと「副」の人だった/加藤さん【2003年】 ●転職活動で「本気でやりきってから来なさい」と叱られて人生が変わった/よしさん【2000年】 ●もはやフィクションに近くなってしまった自分史を手放したい。だから自分史は「空」の一言/佐渡島庸平さん【1994年】 ●巨大団地で育ったから規律正しい性格になり、税理士になった/相浦圭太さん【2008年】 ●左手四指をなくした15年後、障がいのある方々が働く会社のトップになった/福元邦雄さん【2016年】 ●バーチャルリアリティにかけて言えば、ソ連は存在そのものがフィクションだった/佐藤優さん【1991年】 ●人生はいろんな種類のジェットコースターでできている/中川智司さん【2009年】 ●大学院で第二の暗黒期を迎えたとき、別の何かになるためにネットゲームにハマった/神羽登さん【2005年】 ●関西フォークからハードロック、そしてSFコミュニティへ/安渕聖司さん【1999年】

 

 

★★★Day2/最終講義(宇川×武邑×佐藤×松岡)

 

「休むとは本来、今日のように振り返る時間。休みは痛みを伴う大変な時間」(佐)「宇川さんは、普通は思想にならないサンプリングを思想にしている」(松)「しかも宇川さんは、次にバトンを渡している!!!」(佐)「ノーバート・ウィーナーは、人間が人間を利用して機械をつくり出すことの危険性を語っている。僕はデジタルを楽観主義的に見てきたけれど、だんだんそうも言っていられなくなってきた」(武)「2021年は身体拡張元年。自己同一性を無効にして考え直す時期が来た」(宇)「重要なのは排出。情報やお金を貯めてばかりでどうするんですか」(佐)「ロス・アシュビーは、大半を捨てて、最小多様性だけを残せと言った」(松)「現代には、麝香のように臭いものがある時突然、いい匂いになるということがない。本当はヤバいところから一番良い香りがするもの」(松)「28人の自分史には共通のコードがなかった。つまり、15時間、無意味なことをしたってこと!!!」(宇)「休むとは、無意味なことをすること!!!!!」(佐)

 

 

 こうして自分史を世界に発信した座衆たちは、年明け1月の第4講に向かう。次なる「事件!」は何なのか。次回速報にてお伝えしたい。

 

AIDA Season2 速報記事 Back Number

【AIDA Season2 第1講 速報!】七巨頭、豪徳寺に会しておおいに問題提起する

【AIDA Season2 第2講速報!】タンザニア商人の「ずる賢さと親切心のAIDA」から学ぶ

【AIDA Season2 第3講速報!】DOMMUNEの宇川直宏”番神”と田中優子・武邑光裕・佐藤優・吉村堅樹のAIDAで、座衆28人が「自分史」を発信する!!!!!(現在の記事)

 

写真:後藤由加里


  • 米川青馬

    編集的先達:フランツ・カフカ。ふだんはライター。号は云亭(うんてい)。趣味は観劇。最近は劇場だけでなく 区民農園にも通う。好物は納豆とスイーツ。道産子なので雪の日に傘はささない。