花伝所 | 遊刊エディスト:松岡正剛、編集工学、イシス編集学校に関するニューメディア https://edist.ne.jp Mon, 08 Sep 2025 23:57:09 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.8.2 https://edist.ne.jp/wp-content/uploads/2019/09/cropped-icon-512x512-32x32.png 花伝所 | 遊刊エディスト:松岡正剛、編集工学、イシス編集学校に関するニューメディア https://edist.ne.jp 32 32 渡を越え、カマエ直し継ぐ【88感門】 https://edist.ne.jp/post/88kanmon_houdensei/ https://edist.ne.jp/post/88kanmon_houdensei/#respond Tue, 09 Sep 2025 02:56:34 +0000 https://edist.ne.jp/?p=88974 五色の衣から二十の世界に着替え、56[守]へ走りだした。 今期の花伝所は勢いがあった。第88回感門之盟・放伝式冒頭で所長・田中晶子に「なつく」と評されたように、放伝生たちは、師範から技を盗もうと、何度も応答を繰り返し、ど […]

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五色の衣から二十の世界に着替え、56[守]へ走りだした。
今期の花伝所は勢いがあった。第88回感門之盟・放伝式冒頭で所長・田中晶子に「なつく」と評されたように、放伝生たちは、師範から技を盗もうと、何度も応答を繰り返し、どこまでも知と方法を追い続けた。その姿に感化され、師範たちも指導に熱が入った。長年花伝所に携わる、43[花]くれない道場の花伝師範・吉井優子は、1273という道場での発言数は、過去一だという。
そんな放伝生を代表して、やまぶき道場からトージ瀬戸際教室に乗り換えた、杜本昌泰師範代が武者震いしながら、決意を述べた。
『インタースコア』(春秋社)に、“とくにぼくが重視する編集は「境い目」を超えるときに最も劇的にあらわれる”、という校長の言葉が記載されている。それを千夜千冊443夜『五輪書』では、“渡をこす”と表され、“「渡」を越したかどうかを体や心でわかるべき”と書かれている。杜本は、花伝所の経験をそれに重ねた。指南を書き、指導が入っても、まったく出来ている気がせず、手も足も出なかった。しかし、夢中になって演習をすすめ8週間たつと、手足が少しずつ出るようになっていた。みなそれぞれが渡を越す瞬間があり、それを身体と心で感じるものだった。渡を越すことに全身で全力を尽くした、と振り返る。
そして、意味に飢える社会で、師範代になることに意味がある。意味が欠如した世界は、編集を要している。編集工学に魅せられた皆と共に、校長の共伴者となって、感と応を全開にして別様を介していく存在になりたい。ここまで編集工学をつないでくださった、学林局や学匠、番匠、花目付、師範のみなさまに感謝したい、と締めくくった。その言葉に、その場に居合わせた[破]番匠・白川雅敏は、「嬉しいね」と思わず漏らしていた。
杜本は、冠界式で名前を呼ばれると、壇に上がる前に本楼の校長の祭壇に一礼していた。そこで、校長と共に走る意志を伝えたのだろう。編集工学を継ぐ師範代として、カマエ直した。

 

アイキャッチ・文/中村裕美(43[花]錬成師範)

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知れば知るほど、なお知りたい――43[花]師範×放伝生 お題共読会 https://edist.ne.jp/post/43hana_odaikyoudokukai/ https://edist.ne.jp/post/43hana_odaikyoudokukai/#respond Mon, 08 Sep 2025 22:56:53 +0000 https://edist.ne.jp/?p=88724  幼な子の寝息が聞こえ、やっと東の空に月がのぼりはじめた頃、zoom画面に現れたのは43[花]放伝生たちと[守][花]の指導陣だった。その数、ざっと30名弱。松岡正剛校長の命日である8月12日に、初の試みである放伝生と師 […]

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 幼な子の寝息が聞こえ、やっと東の空に月がのぼりはじめた頃、zoom画面に現れたのは43[花]放伝生たちと[守][花]の指導陣だった。その数、ざっと30名弱。松岡正剛校長の命日である8月12日に、初の試みである放伝生と師範が共に学び合うお題共読会が開かれた。

 

 発起人でありこの大所帯を仕切るのは、今期、花伝所では初の錬成師範を担った角山祥道だ。30名がそろうメインルームで、まずは角山による用法語りが始まる。

 

 角山は「たくさんのわたし」状態での指南を提案した。【地】を変えながら「わたし」をみると、「わたし」という情報は分節化される。学衆も師範代も「たくさんのわたし」状態をつくるのだ。そのために、「編集は遊びから生まれる」「編集は対話から生まれる」「編集は不足から生まれる」を三位一体とするのではなく、遊び→対話→不足の三間連結にするのがいい。まずは思いっきり遊ぶこと、楽しむこと、無我夢中になることを強調した。「たくさんのわたし状態で回答する」心理的な安全性を担保する場作りとなるのだ。たった5分の用法語りを皮切りに、誰もが校長の命日であるこの日がさらなる特別な時となっていくことを予感した。

 

 その後、4チームに分かれ、対象お題を実際に声に出して読む。今回のお題は、004番、006番、009番。放伝生への事前アンケートをもとに師範会議で決定した。

 

 声に出して読むと相互に思いもよらない気づきをもたらす。先の冠界式で〈あやすじデスティーノ教室〉の教室名を授かった板垣美玲師範代は、最初は「地と図」の「地」のことを「ち」と発音したが、音になって聴くと「ち」ではなく「じ」だと感じたと言う。些細なことだが、板垣師範代は脳内で再生されているままでは気づかないイワカンを察知した。イワカンは、3A(アフォーダンス・アナロジー・アブダクション)を発動させる師範代には欠かせないフィルターだ。

 

 木佐陽師範代(本音かいな教室教室)は、らしさは日本独特の表現だから、脳が感じる質感を言語化することが大切なのではないかと言挙げした。それを受け、集まった者たちの言葉に対する感度が高まっていく。

 

 60分間のブレイクアウトタイムは、あっという間に過ぎていった。メインルームへ戻ると、各チームでの気づきを共有する。共読の重ね塗りだ。各チームから1人が指名され発表。言い足りないところは、同じチームだった者が補足・追加する。学衆時代は読み飛ばしていた一文に気づいたり、一人で指南している時には気づかなかった多様な見方を発見したり、互いの言葉が重なることで、お題理解は深まっていった。というよりもお題の懐の深さへとのめりこむうちに、お題が持つ温度に気づいてしまったようだった。画面越しに、眉を曇らせ、目を見開きエウレカする放伝生たちの表情がそのことを物語る。

 

 三尾夏生師範代(あみめみくりや教室)は共読会を通して、「回答のズレや違いをいかに言語化し、面白がれるかがポイントだと思った」と振り返る。38番のお題では、不思議なことに全く同じ回答というのは存在しない。001番【コップは何に使える?】のコップのように、お題も回答もアフォードされるのを待っているのだ。

 

 初試みの師範×放伝生(新師範代)によるお題共読会は、師範による一方的な解説を届けるものではなかった。互いにわからなさや気づきを交わし合い、見方を差し出すエディティング・モデルの交換だ。そして、知れば知るほど、知っていること、知らないこと、知りたいことを伝え合わずにはいられない、そんな繋がりの連鎖が、私たちをその先へと連れていく。

 

▲新師範代代表挨拶をした杜本昌泰師範代(トージ瀬戸際教室)の“Open Perspective ”のヨミトキに笑みがこぼれる

 

 

 お題共読会日程と次第は以下の通り。

〈開催日程と対象お題〉

・第一回 8月12日(火)21時~23時

  用法1中心/004番、006番、009番 

  用法語り 角山祥道

・第二回   19日(火)21時~23時

  用法2中心/012番、015番、017番

  用法語り 新垣香子

・第三回   26日(火)21時~23時

  用法3中心/019番、022番、024番

  用法語り 大濱朋子

・第四回 9月2日(火)21時~23時

  用法4中心/031番、036番、037番

  用法語り 古谷奈々

 

〈次第〉

※師範は事前に、対象お題と回答事例を花トレ56ラウンジへ投稿。

・メインルーム

 師範による用法語り。

・ブレイクアウトルーム

 指定お題(3題)を実際に声に出して読む。

 お題のヨミトキ、指南方法などを議論する。

 回答事例(1つ)を使って注目箇所などを交わし合う。

・メインルーム

 ブレイクアウトルームでの気づきを共有する。

※参加者は終了後、共読会のFBを花トレ56ラウンジへ投稿。

 

 


■お題共読会に参加した新師範代が登板するのはこちら。

第56期[守]基本コース

【稽古期間】2025年10月27日(月)~2026年2月8日(日)

申し込み・詳細はこちら(https://es.isis.ne.jp/course/syu)から。

 

■[ISIS花伝所]編集コーチ養成コースはこちら。

第44期[ISIS花伝所]編集コーチ養成コース

【ガイダンス】2025年10月5日(日)

【入伝式】2025年10月25日(土)

【開始日】2025年10月25日(土)

【稽古期間】2025年10月26日(日)〜2025年12月21日(日)

申し込み・詳細はこちら(https://es.isis.ne.jp/course/kaden)から。


 

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師範は動き続ける【88感門】 https://edist.ne.jp/dust/88kanmon_shihan/ https://edist.ne.jp/dust/88kanmon_shihan/#respond Sun, 07 Sep 2025 08:29:53 +0000 https://edist.ne.jp/?p=88946  壇上に登ればスポットが当たる。マイクを握れば注目が集まる。表舞台は、感門之盟の華だ。だが表があれば裏がある。光があれば影もある。壇上の輝きの裏側には、人知れない「汗」があった。  第88回感門之盟(9月6日)は、各講座 […]

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 壇上に登ればスポットが当たる。マイクを握れば注目が集まる。表舞台は、感門之盟の華だ。だが表があれば裏がある。光があれば影もある。壇上の輝きの裏側には、人知れない「汗」があった。
 第88回感門之盟(9月6日)は、各講座の指導陣や師範たちが「汗をかく側」に回ったのも特徴だ。当日配られた感門冊子「エディターシップ第16帆」を編集したのも[守][破][花]の師範ならば、感門団を組織して裏方ロールを回したのも師範。アフ感も師範の仕切りだ。多くの師範が陰に日向に感門之盟成功のために奮闘した。

 

 そんな「汗をかくロール」を写した写真から、とっておきの2枚を紹介したい。


 1枚目(アイキャッチ)は、本楼の玄関の小空間・井寸房での村井宏志師範(43[花])。感門団の団長だ。今回の裏方ロールの手配、采配を担った。その感門団長は、インターブッキングの準備のため、会の最中、ひとり黙々と本にカバーを掛けていた。あの本交換会は、こうした汗で支えられていたのだ。

 

 2枚目(下写真)は、インカムをつけた森本康裕師範(43[花])。音声や映像関係を一手に担う黒膜衆として進行を見守る。実は黒膜衆の人数が足りなくなることを見越して、黒のパンツに黒の靴でコーディネート、黒膜衆のユニフォームであるTシャツも鞄にしのばせていた。言祝がれる側なのに、もしもの事態に備えていたのだ。カンは当たり、森本は黒膜衆のTシャツに着がえ、動き回った。

 編集もじっとしていない。動かない編集は編集ではないし、じっとしているエディターにはエディターシップはない。編集は変化なのである。編集はつねに変化しつづける「そこ」にさしかかって仕事をする。
(松岡正剛「インタースコアする編集力」、『インタースコア』春秋社)

 

 師範はいつだってじっとしていない。

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【第88回感門之盟】「遊撃ブックウェア」公開記事総覧 https://edist.ne.jp/list/88kanmon_matome/ https://edist.ne.jp/list/88kanmon_matome/#respond Sat, 06 Sep 2025 11:03:02 +0000 https://edist.ne.jp/?p=88809 第88回感門之盟「遊撃ブックウェア」(2025年9月6日)が終了した。当日に公開された関連記事の総覧をお送りする。   なお、今回から、各講座の師範陣及びJUSTライターによる「感門エディストチーム」が始動。多 […]

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第88回感門之盟「遊撃ブックウェア」(2025年9月6日)が終了した。当日に公開された関連記事の総覧をお送りする。

 

なお、今回から、各講座の師範陣及びJUSTライターによる「感門エディストチーム」が始動。多彩なメンバーによる速報記事の数々をご覧あれ。

 

沖縄から届け!――インターブッキング割込編集【88感門】

アイキャッチ写真・文:大濱朋子(43[花]花伝師範)

文:新垣香子(43[花]錬成師範)
編集:角山祥道(43[花]錬成師範)

 

その場所に花が咲く【88感門】

文:北條玲子

 

 

「門」を行き来せよ/八田律師メッセージ【88感門】

文:今井早智

写真:福井千裕

 

ブックウェアを着こなせ 師範頌授与【88感門】

文:青井隼人

 

【88感門】連環する蛇のサイクル?

文:北條玲子

 

つながった白い糸【88感門】

アイキャッチ・文:中村裕美(43[花]錬成師範)

 

【88感門】P-1開幕直前、審査員三人の胸の内

文:福田容子

 

【88感門】おやつの秘密──甘味でひらく場の編集

文:若林牧子

写真:福井千裕

 

 

必要なのは強さより「方法」。54[破]学匠メッセージ【88感門】

文:福井千裕

 

沖縄から届け!──お菓子割込編集【88感門】

アイキャッチ・文:中村裕美(43[花]錬成師範)

 

 

P-1グランプリ結果速報【88感門】

文:福澤美穂子

 

気になる本はどれ?20冊の54[破]先達文庫【88感門】

文:福井千裕

 

 

【88感門】母と娘の絆とミーム

文:北條玲子

 

風をおこし続ける師範たち 43[花]花伝扇授与【88感門】

文:福井千裕

高僧林頭降臨【88感門】

写真・文:匿名希望

 

未知を迎えにいく一冊 43[花]師範選書【88感門】

文:福井千裕

 

りんごという残念を抱えて【88感門】

文:青井隼人

写真:後藤由加里

 

注目~!!56[守]教室名発表【88感門】

文:福井千裕

 

【88感門】冠界式の音の風景

文:福澤美穂子

 

感門、おめでとうございました!

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沖縄から届け!──お菓子割込編集【88感門】 https://edist.ne.jp/dust/88kanmon_arakakiokasi/ https://edist.ne.jp/dust/88kanmon_arakakiokasi/#respond Sat, 06 Sep 2025 06:30:39 +0000 https://edist.ne.jp/?p=88827 機があれば、欲張りに貪欲に、くらいつく。 第88回感門之盟に参加できなかった43[花]錬成師範・新垣香子は、インターブッキングに参加することで、残念を果たしたはずだった。しかし、参加したいという念は、それだけでは消化でき […]

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機があれば、欲張りに貪欲に、くらいつく。
第88回感門之盟に参加できなかった43[花]錬成師範・新垣香子は、インターブッキングに参加することで、残念を果たしたはずだった。しかし、参加したいという念は、それだけでは消化できなかった。
本を送りましたと、新垣から連絡が入り、本楼に届いたのは、本のサイズをはるかに上回る大きな段ボール箱。その中には、大量のちんすこうが入っていた。おもてなし隊長・若林牧子によるお菓子編集に、沖縄からの熱い一撃が加わった。

 

お菓子に添えられたパステル画のラブレター

 

アイキャッチ・文/中村裕美(43[花]錬成師範)

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その場所に花が咲く【88感門】 https://edist.ne.jp/just/88kanmon_shibuya/ https://edist.ne.jp/just/88kanmon_shibuya/#respond Sat, 06 Sep 2025 04:06:56 +0000 https://edist.ne.jp/?p=88791 種を守っていた殻を破り、ぐんぐん伸びた芽は大きく育ち、今日本楼で花が咲く。 この日の寿ぎに準備を尽くすのは、学衆、花伝生だけではない。第88回感門之盟の司会を担う澁谷菜穂子錬成師範は、編集的先達、さだまさしの3冊の本を用 […]

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種を守っていた殻を破り、ぐんぐん伸びた芽は大きく育ち、今日本楼で花が咲く。

この日の寿ぎに準備を尽くすのは、学衆、花伝生だけではない。第88回感門之盟の司会を担う澁谷菜穂子錬成師範は、編集的先達、さだまさしの3冊の本を用意した。」


やばい老人になろう(文庫)/PHP研究所

銀河食堂の夜/幻冬舎

さだまさし解体新書 ターヘル・サダトミア/大和書房

秘蔵の3冊


嫌われ憎まれることを怖れない「逸脱」、
連作長篇 の多様性、
そして、さだまさしのモデルを「コンパイル」。

 

この三位一体を装着し、今日の1日をナビゲートする。

 

 

 

第88回感門之盟 開幕!

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真夏の編集筋トレ――43[花]師範代登板準備レポート https://edist.ne.jp/zest/43hana_summer/ https://edist.ne.jp/zest/43hana_summer/#respond Thu, 04 Sep 2025 03:00:27 +0000 https://edist.ne.jp/?p=88694  43[花]はちょっと違った。ちょっと? いやいや、だいぶだ。来たる56[守]新師範代として20人を超える放伝生が名乗りを上げたのだから、そのぶっちぎりっぷりが想像できるだろう。こんな期はそうそうない。演習を行う道場での […]

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 43[花]はちょっと違った。ちょっと? いやいや、だいぶだ。来たる56[守]新師範代として20人を超える放伝生が名乗りを上げたのだから、そのぶっちぎりっぷりが想像できるだろう。こんな期はそうそうない。演習を行う道場でのスコアのみならず、道場とは別ラウンジの「編集術ラボ」での発言スコアも、ここ数期に比べ群を抜いていた。過去形や期待どまりではない。敢談儀後から冠界式(教室名発表)までの威勢のよい真夏の花トレ(自主トレーニング)模様をレポートする。


 

◎8月第1週――クールダウン不要、余韻冷めやらぬまま

 2日(土)の敢談儀後は、師範代登板に向けてのツールの相談や気持ち編集などで盛り上がる。
 9日(土)に花トレ会場がオープンすると、入伝式後の道場オープンの時のように西岡有美が真っ先に登場する。続いて、後藤有一郎、板垣美玲、翠川辰行、小名国仁、中田ちひろが指南計画をアップ。上々の滑り出しだ。

 

◎8月第2週――放伝生×師範による初のお題共読会開始

 最初の自主トレ指南をラウンジに投じたのは板垣。001番を指南する。後藤は待ってましたと言わんばかりに、11日(月)のうちに、001~010番の稽古ポイントをアップした。高橋剣も続く。互いに触発し合うのが43[花]放伝生のダントツだ。
 8月12日。松岡正剛校長の命日であるこの日、花伝所初の試みとなるお題共読会を開催。放伝生と[守][花]の師範陣あわせて30名が参加し、お題の奥深さと面白さに時を忘れ交わし合った。

 

◎8月第3週――盛りだくさんのイベントと共に

 第2週からコンスタントに指南自主トレを続けていた木佐陽は、本番さながらの1日4指南に挑戦。
 18日(月)。花トレ恒例の「オンライン速書き指南ワーク」開催。参加者は、過去最大の20名。ラウンジでの発言数も1日(2時間)で168を記録した。
 23日(土)の花伝エディットツアーでは、木島智子、杜本昌泰、三尾夏生、板垣、高橋剣の5名の放伝生がテーブルコーチとして参加。花伝所での体験を参加者へ語る姿はすっかり師範代だ。

 

◎8月第4週――つき始めた編集筋

 最終週になっても花トレラウンジは勢いを止めない。
 仕事で国内外を飛び回る永石あゆみは、深夜に出題練習&稽古ポイントを連打、グッビニ由香理は朝一番にお題研究を投稿する。机に座るより生活の合間時間で指南する方が、頭やわらかく言葉が湧き出てくる感じがすると言ったのは西岡だ。
 速書きワークの成果も感じつつ虫の目、鳥の目を使い対話の視点を広げるのは原田遥夏。家村吏慧子は最終日までに38番全ての稽古ポイントを作成した。岩崎大はカルテット、後藤はクインテット指南(まとめ指南)に挑戦した。

 

◎9月第1週――そして冠界式へ

 まだまだなり響く投稿音。中野恵介はコロナに罹患しても指南することをやめなかった。
 9月2日(火)、最後のお題共読会。23時過ぎに終了すると即、後藤、杜本、中田からフィードバックが届く。
「そもそも編集自体が自由へ向かうもの」(中田)
 新師範代たちは6日の教室名発表を待つ。

 


■43[花]放伝生が師範代登板する56[守]はこちら。

第56期[守]基本コース
【稽古期間】2025年10月27日(月)~2026年2月8日(日)
申し込み・詳細はこちら(https://es.isis.ne.jp/course/syu)から。

 

■20名を超える師範代を出した[ISIS花伝所]編集コーチ養成コースはこちら。

第44期[ISIS花伝所]編集コーチ養成コース
【ガイダンス】2025年10月5日(日)
【入伝式】2025年10月25日(土)
【開始日】2025年10月25日(土)
【稽古期間】2025年10月26日(日)〜2025年12月21日(日)
申し込み・詳細はこちら(https://es.isis.ne.jp/course/kaden)から。


 

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43[花]編集術ラボ◎AI探花〈B面〉――関係を探求する

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発見する目の探索【花伝エディットツアーレポート】

●真夏の編集筋トレ――43[花]師範代登板準備レポート

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発見する目の探索【花伝エディットツアーレポート】 https://edist.ne.jp/post/kaden_edittour20250823/ https://edist.ne.jp/post/kaden_edittour20250823/#respond Wed, 27 Aug 2025 09:56:56 +0000 https://edist.ne.jp/?p=88482  太陽のもと白球を巡り火花を散らせる高校球児もいれば、太陽を花火に見立てた回答に想いを巡らせる学び手もいる。夏の甲子園で沖縄県代表・沖縄尚学が優勝を果たしたのと同日、8月23日に行われた花伝エディットツアーをレポートする […]

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 太陽のもと白球を巡り火花を散らせる高校球児もいれば、太陽を花火に見立てた回答に想いを巡らせる学び手もいる。夏の甲子園で沖縄県代表・沖縄尚学が優勝を果たしたのと同日、8月23日に行われた花伝エディットツアーをレポートする。

 

ー方法の花伝所・師範代の方法ー

 

 この日、全国各地からZoom上に集った参加者たちは、編集の型を使った「自己紹介ワーク」で緊張をほぐしたあと、熱気冷めやらぬ沖縄から講義を届ける平野しのぶ花目付の言葉に耳を傾けた。「世阿弥が仕立て上げた能のプログラムやカリキュラムの作り方にヒントをもらった」という花伝所では、わずか8週間で学衆が師範代へと衣替えをする。その方法と秘訣は、とてもこの時間だけでは伝えきれない。参加者たちは「なるほど」と「わからない」が入り混じった表情を浮かべながら、世阿弥と花伝所のあいだに次々と対角線を引く花目付の語りに引き込まれていく。

ミニ講義で使われた資料の一部。世阿弥に肖る花伝所の仕組みが解かれた。

 

ー指南をプチ体験ー

 

 花伝所への興味と謎が深まった後は指南の体験だ。

自分のアタマの中に分け入り、覗きこまれているような感覚を覚える指南。「師範代はどうやってこの指南を書いているのか?」編集学校で学ぶ学衆の誰もが一度は抱くであろう問いだ。その謎がここでちらりとあかされる。

 参加者に指南の肝を伝授するのは吉井優子師範、森本康裕師範、新垣香子師範の3名。基本コース[]で出題されている実際のお題と回答を使って、師範たちからの問いに答えていくことで、参加者は「この回答は面白い」という感想ではなく、「どうして面白いのか」「どのように興味をひかれたのか」を言葉にする方法に気づいていく。 

 太陽を何かに見立てるお題で、気になった回答として「焚火」「梅干し」「ひまわり」などの中から「花火」をあげた参加者Tは、数ある中からこの回答を選んだ理由として「すぐに(太陽に)関係づけられるものではなく、少し考えないとわからないものだったから」と答えた。発見的に回答を見ることで、自他の視点を交差させる感覚を味わうことができるのだ。

指南ワークを柔らかくもてきぱきと進行する吉井師範と参加者の言葉を拾いあっという間に指南を書きあげる森本師範。

 

 <お題ー回答ー指南>という編集学校の学びのサイクルの中で、AIになくて私たちにあるものは、花伝所の演習でも繰り返し出てくる「問感応答返」の「感応答」、つまり「あいだ」の部分だ。指南とは、洞察によって時と場に相応しい仮説を動かすアブダクションなのである。(『インタースコア』(春秋社)より)

 

ー新師範代の「わかった」と「かわった」ー

 

 ツアーの最後に、次期56[守]登板予定の新師範代5名が、花伝所での体験をそれぞれのエディティング・キャラクターを活かしながら語った。

●杜本昌泰師範代

花伝所はホップ・ステップ・ジャンプの最後の部分。さまざまなものの「あいだ」「・(ナカグロの部分)」を一歩立ち止まって考えられるようになった。苦しいけれど楽しい。大人になってからの最高の遊び場が花伝所ともいえる。

●木島智子師範代

「ちょっと覗いてみよう」という感じだったが、師範代になる「つもり」でやってきたら終わる頃には師範代登板宣言をしていた。不安はあるが今後また新たな自分が増えることへの期待やわくわく感、やってきたことへの自信も今はある。

●三尾夏生師範代

花伝所は[守][破]での学んだ型を、対話するために学ぶ場。バックトゥザフューチャーのようにタイムマシンにのって自分の学衆体験を振り返る体験でもあった。先に進むのが怖いときは周りを頼る。自分を周りから動かす方法もある。

●板垣美玲師範代

前に出ることが苦手だったので、花伝所ではあえて突き進むようにしてきた。花伝所では今まで伏せられていたことが玉手箱のようにあけられた感じ。日常でも「問感応答返」の型で考えることで周囲と考えを共有できるようになった。

●高橋剣師範代

指導を受ける中で、学衆の回答を上から目線で見てしまっていたところが変わった。「これはおかしいのでは?」から「こういう見方があったんだ」という驚きに。モノの見方はいろいろあるということに気付いた。

エディットツアーに集結した指導陣。新師範代5名それぞれのいきいきとした編集語りに56[守]への期待が高まる。

 

 8週間かけて師範代になるための方法を学んできた新師範代たちの言葉は、自分の中に生まれた内なる「あらわれ」を外なる「あらわし」に変えようとしたからこそ滲み出た、今この時でしか紡ぎだせない言葉だった。その一言ひとことは、参加者たちの心に響いたに違いない。

 

「あらわれている」と「あらわす」のあいだには、かなりの変換がおこる。内なる「あらわれ」が外なる「あらわし」に変わるからだ。(松岡正剛『擬』春秋社)

 

 今回のエディットツアーの参加者の胸中には、「面白そう」「この先を見てみたい」「ワクワクする」と「まだよくわからない」「ちょっと不安」「ドキドキする」が同時に生まれたのではないだろうか。その両方を抱えたまま、「わかるとかわる」「かわるとわかる」を体験できるのが、花伝所なのだ。

 

アイキャッチ/山内貴暉

写真/林朝恵、森川絢子

文/森川絢子


第44期[ISIS花伝所]編集コーチ養成コース

【ガイダンス】2025年10月5日(日)

【入伝式】2025年10月25日(土)

【開始日】2025年10月25日(土)

【稽古期間】2025年10月26日(日)〜2025年12月21日(日)

 

申し込み・詳細はこちら(https://es.isis.ne.jp/course/kaden)から。


未入門の方は、まずは[守]へ

第56期[守]基本コース

【稽古期間】2025年10月27日(月)~2026年2月8日(日)

 

申し込み・詳細はこちら(https://es.isis.ne.jp/course/syuから。


 

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本楼で、本と人との縁が待っている―インターブッキング開催【88感門】 https://edist.ne.jp/just/88kanmon_interbooking/ https://edist.ne.jp/just/88kanmon_interbooking/#respond Sat, 23 Aug 2025 03:08:25 +0000 https://edist.ne.jp/?p=88330 祝いの席ではドレスアップし、新しいことを始める時は、おろしたての靴を履く。特別な日に、とびきりなおしゃれを楽しむように、突破や放伝を寿ぐハレの日、特別な本を纏いましょう。 9月6日に開催される第88回感門之盟「遊撃ブック […]

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祝いの席ではドレスアップし、新しいことを始める時は、おろしたての靴を履く。特別な日に、とびきりなおしゃれを楽しむように、突破や放伝を寿ぐハレの日、特別な本を纏いましょう。
9月6日に開催される第88回感門之盟「遊撃ブックウェア」で、≪インターブッキング≫ を実施します。インターブッキングとは、人と本の縁を結ぶ、とびきりな本の交換会です。参加者それぞれが、テーマに沿って選んだ本を持ち寄り、それらがくじ引きによって別の参加者に渡ります。
校長・松岡正剛は、「読書とは交際である」と述べています。そこには「書き手」と「読み手」が存在し、何を伝えたいか、何を思うのか、本を中心に相互編集が起きています。インターブッキングでは、そこに「贈り手」と「受け手」が加わります。同じテーマでも、捉え方は人それぞれ。なぜこの本を選んだのか、予想外の世界と出会うかもしれません。自分基準だとなかなか広がらなかった読書半径が、他者を介することで、ぐんと広がります。たまたま手にした本が、自分の読書の垣根を、軽やかに飛び越える衣装となるのです。

今回は、54[破]と43[花]による合同でのインターブッキングです。破・花伝所、学衆・師範代・師範・学匠・所長・学長・感門団・黒膜衆など。講座もロールも越え、100名以上が参加する大交換会となります。6万冊の本が収められた建物に、100冊を超えるの本が持ち込まれ、集う者たちとの縁をつなごうとしています。この壮大なブックウェアの当事者となる機を、逃すわけにはいきません。

 

アイキャッチ・文/中村裕美(43[花]錬成師範)


●イシス編集学校 第88・89回感門之盟「遊撃ブックウェア」


★54[破]、43[花]の方はこちら

■日時:2025年9月6日(土)12:30-19:30(予定)
■会場:豪徳寺イシス館 本楼(https://es.isis.ne.jp/access/
■費用:4,400円(税込)
■申込締切:2025年8月29日(金)
■申込先:https://shop.eel.co.jp/products/es_kanmom88


★55[守]の方はこちら

■日時:2025年9月20日(土)13:00-19:00(予定)
■会場:豪徳寺イシス館 本楼(https://es.isis.ne.jp/access/
■費用:4,400円(税込)
■申込締切:2025年9月12日(金)
■申込先:https://shop.eel.co.jp/products/es_kanmom89

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代謝の女神?―花臨頭・新垣香子の卒意 43[花] https://edist.ne.jp/dust/43hana_arakaki/ https://edist.ne.jp/dust/43hana_arakaki/#respond Sat, 16 Aug 2025 09:01:07 +0000 https://edist.ne.jp/?p=88191 問答は花伝所の骨法なり。テキストに留まらず相手を目の前にしたアドリブも当意即妙、師範の腕が鳴る。編集学校でも三本の指に入るユニークネスで誰もが度肝を抜かれる発話といえば、錬成師範・新垣香子の右に出る者はいない。三期連続登 […]

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問答は花伝所の骨法なり。テキストに留まらず相手を目の前にしたアドリブも当意即妙、師範の腕が鳴る。編集学校でも三本の指に入るユニークネスで誰もが度肝を抜かれる発話といえば、錬成師範・新垣香子の右に出る者はいない。三期連続登板した43[花]では、身体派のベテラン花伝師範・吉井優子を逆指名し、くれない道場に一番乗りを果たした。「憧れ」を編集エンジンとする方法は正統である。だが、新垣の肝はそこではない。師範から各放伝生へと評価と餞を言祝ぐ「一刻一辞」のコーナーで、新垣が投げた放伝生Uへのメッセージを披露する。

「…う〇こもお〇っこもおっぱいも、学衆から出てくるものはなんでも全部拾って下さい。子どもは皆、それなんです(抜粋)」

 

ビビっ! と戦慄が走ったのは、直立不動のUだけではなかった。敢談儀のクライマックスで、メタファーなのかガチなのか、はたまた別様の可能性か? 新垣の一撃は、本楼に居合わせた全員の脳内回路を巡り、ジャックした。この日、千夜千冊エディションの図解ワークに選ばれた『少年の憂鬱』(角川ソフィア文庫)を彷彿させるやいなや、むしろその奥にあろう幼心をも鷲掴みする勢いだ。少年どころか生まれたばかりの赤子まで遡り、師範代のなんたるかをテーゼすると、受容の原型に潜む、母なるもののアーキタイプに迫った。


編集にはインとアウトがある。起点から作用点までのプロセスは自由だ。意訳翻訳抄訳された脳内描写のイメージをどう語るかに発話者の数奇が表れる。意味を拡張する問いは、根本を揺らす破壊力をもつ。新垣が得意とするのは排泄にみせかけた代謝、つまり生物の営み、見えないものの互酬だろう。本質から目を逸らさないのがモットーだ。


元小学校教師の新垣は、個人塾を経営している。自宅の居間を寺子屋のごとく開放し、お腹を空かせた子らには沖縄そばを振る舞っているという。不登校も不足の一種である。対話からはじまりどんな子どもにも、ぬちすぐいで応接するのが編集儀式なのだ。大らかなコミュニケーションは、万人の臓物に直接働きかける。
式目演習中、併行して錬成師範から禅師ならぬ「花臨頭」(本人の命名)に着替えた新垣が「花伝ラボ」に投下した問いはこれだった。

【43花Q林-2】 遠慮の奥に何がある?

 

そして、松岡校長が遺したあまたの箴言からくれない道場生へととっておきの餞に選んだのは、

「花伝所をなめんなよ」

 

新垣は、本楼に吊るされた松岡校長のバイクをみて以来、70代になったら憧れの校長と暴走族になることを夢想したという。彼女の愚連隊、もとい編集臨戦態勢は、仲間と交流と交換の三位一体だ。さらなる武器はこれから[離]で調達するという。新垣は琉球王国の血を引いている。海を越え、いずれ代謝の女神となり崇められる新スタイルを纏いながら見えない何かを交換しまくるだろう。

 

アイキャッチ/大濱朋子(43[花]花伝師範)


 

新垣師範も登場! 花伝所・エディットツアーは、8月23日開催です

 

■花伝所・エディットツアー「ISISの宝刀、師範代の編集術」

■日時:2025年8月23日(土)14:00~16:00
■費用:1,650円(税込)
■会場:オンライン(お申込みの方にZoomアドレスをご案内します)
■人数:限定20名様(先着順)
■対象:どなたでもご参加いただけます
■ナビゲーター: ISIS花伝所 師範(吉井優子、森本康裕、新垣香子、森川絢子、林朝恵、平野しのぶ)
■内容:編集学校の花伝所で学べる方法をわかりやすくご説明します。独自の「編集稽古」をワークショップ形式で体験いただけます。
■お申込み:こちらから https://shop.eel.co.jp/products/es_tour_250823

 

 


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