自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
■イシスをDAN ZENにする iGenセブン
松岡正剛をして「きっと次代のスターになるだろう」と言わしめたイシスiGen7人衆がいる。
その活躍は目覚ましく、師範講義に遊刊エディスト、エディットツアーなど編集学校のあちこちで頭角を現し、新しいメディエーションの方法を築き始めている。そんなiGenとは一体何者なのか?
青春時代をポケベルとプリクラとルーズソックスで過ごしたロスジェネ世代のEditorShip編集長 後藤由加里がiGenたちが日頃感じていることから、編集学校のこれからを訊いた。
遊刊エディスト紙上でも、7回に分けて特別転載してお届けする。
▲イシスのiGenは、千夜千冊1764夜『ホモ・デジタリスの時代』に登場した。
シリーズiGen、3人目はこの方。
iGen No.003 梅澤光由(47[守]師範)
編集のためなら二徹も辞さない。インテレクチュアルかつ扇動的な語りで師範講義の新たなモデルを築き始めたエディトリアルジャズピアニスト。
生誕年:1992年
編集学校歴:
<学衆として>
41[守]劇凸ミルフィーユ教室(吉井優子師範代/猿子修司師範)
41[破]粘菌櫻座教室(宮川大輔師範代/大音美弥子師範)
13[離]逍応院(蜷川明男別当師範代/野嶋真帆 別番/小倉加奈子右筆)
32[花]くれない道場(齋藤成憲花伝師範)
<師範代・師範として>
45[守]糠床ザナドゥ教室(池澤祐子師範)
45[破]語りなザナドゥ教室(北原ひでお師範)
47[守]師範
Q1.密かにこだわっているフェチな雑品は?
知人にもらったサーモマグ。私の憧れる紅の豚が描かれている。仕事場に持ち込んで以来毎日使っており、極限の長時間残業をともに生き抜いてきた相棒。蓋を無くし取っ手がガタガタでもまだ現役なところがポルコの愛機サボイアっぽい。
Q2.家から最寄り駅の間でなぜかどうしても気になっちゃうこと
駅前のベンチ。就活生、犬の散歩をするおばちゃん、パチンコで負けてうなだれているおっちゃんなど必ず誰か座っていて、みんな自由な表情でいる。そして高確率で誰かが酒を食らっている。ほんと自由である。
Q3.『情報の歴史21』で自分の生誕年以降の歴象で一番注目し
1997年「バイオアート」。歌詞を変換した塩基配列で初音ミク
Q4.編集学校でこれまでに誰かに言われて印象に残った一言は?
「あの枕が妖怪を呼んできたんや」妖怪のプランニング編集でグランプリを取ったアフ感にて大音師範より。論理偏重な私が初めて霊感で編集したのが物語の枕のシーン。言葉を超えた速度で現出する意味や観念の編集とは何かを悟った。
Q5.編集学校で新しい講座やプロジェクトを立ち上げるなら?
文字以外の要素も含めた表象編集講座。楽曲、雑誌、イラスト、動画撮影、講演会などを作る(演る)編集稽古が待ち受ける。これだけ充実の編集が渦巻くISISには、そろそろ充満する編集エネル
■iGen光由をもっと知るなら
・【速報!】十三[離]典離発表 第72回感門之盟 /上杉公志
・47[守]師範に贈られた唯一無二の書と筒?!【77感門】/エディスト編集部
・君は「炭男」になれるか 47[破]出世魚教室名発表【77感門】/梅澤奈央
■シリーズiGen〜イシスをDAN ZENにする7名〜
001:穂積晴明 外郎売りからDJまで 多芸多才のデザイナー
003:梅澤光由 全身義体を夢見る エディトリアルジャズピアニスト
004:網口渓太 関西弁のミク太郎 憧れ力で起動する編集少年
005:梅澤奈央 獲物はイジって逃さない 言葉フェチの人気記者
006:加藤めぐみ AI疑惑の超絶アーチスト 謎めく21世紀の女
iGenロゴデザイン:穂積晴明
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
公開されるエディスト記事は、毎月30本以上!エディスト編集部メンバー&ゲスト選者たちが厳選した、注目の”推しキジ” をお届けしています。見逃した方はぜひこちらの記事でキャッチアップを。 今回は9月に公開され […]
【プレスリリース】新刊『不確かな時代の「編集稽古」入門』(11月13日発売)で、田中優子が学びの未来を問う
株式会社編集工学研究所(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:安藤昭子)が運営するイシス編集学校は、学長である田中優子による新刊の発売をお知らせいたします。 世界情勢の混乱、社会の分断、生成AI時代の不確実 […]
【田中優子の学長通信】No.12 『不確かな時代の「編集稽古」入門』予告
この表題は、もうじき刊行される本の題名です。この本には、25名もの「もと学衆さん」や師範代経験者たちが登場します。それだけの人たちに協力していただいてできた本です。もちろん、イシス編集学校のスタッフたちにも読んでもらい […]
田中優子の酒上夕書斎|第五夕『苦界浄土』石牟礼道子(2025年10月28日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい)」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら […]
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。