草むらで翅を響かせるマツムシ。東京都日野市にて。
「チン・チロリン」の虫の音は、「当日は私たちのことにも触れてくださいね」との呼びかけにも聴こえるし、「もうすぐ締め切り!」とのアラートにも聞こえてくる。

『情報の歴史21』で追加された1996年。当時の若者の未知は海外にあり、『深夜特急』とパスポートを手にバックパックで個人旅行に出ることが自分の世界を広げる方法だった。現在パスポートはスマホに代わり、手のひらでタップすれば世界にアクセスできる時代。1996年前後に生まれたイシスiGenたちもiPhone、iPad、iPodを編集のお供にして世界と対峙をしている。
手中のデジタル世界にはうめこが台所で読み耽った『さびレズ』の生きづらさもあれば、中村が興奮したアナロジー解読の地図もある。網口はスマホには目もくれず黄色い『ナショジオ』に首ったけのようだが、一方で穂積は「#」運動はスタイルや文化を細らせると読む。パスポートのスタンプが世界との接点であった時代を思えば、彼らの情報との付き合い方は超高速である。その速さは東京から大阪までリニアで1時間の比ではない。それ故にiGenの編集をキックしたものは、生命、霊感、膜というのは面白い。カトメグに至っては通りすがりの人の注意のカーソルに憑依までしてしまう。ここに彼らが《編集》に夢中になる秘密があるのだろう。
NEXTからDAN ZENへ。これからのイシスをダンゼン・ダントツにするために番記者うめこは知文術を武器に掲げる。ミュージシャンの上杉、梅澤、穂積は音や聴覚、サイボーグカトメグは 技術×認知科学に編集可能性を賭ける。以前より若者の会を作りたいと言っていた中村はiGenで全講座乗っ取りを目論見、街から消えていく風景にノスタルジーを感じている網口は七輪で日本を取り戻そうとしている。一見バラバラに見えるが、むしろ個別性があるからこそつながれるところがiGenっぽいとも言える。だとしたら彼らはデジタルバックパッカーとも言えようか。パティキュラリゼーションを輝かせてイシスの最前線に立つiGenたちの編集革命にますます注目されたし。
■シリーズiGen~イシスをDAN ZENにする7名~
001:穂積晴明 外郎売りからDJまで 多芸多才のデザイナー
003:梅澤光由 全身義体を夢見る エディトリアルジャズピアニスト
004:網口渓太 関西弁のミク太郎 憧れ力で起動する編集少年
005:梅澤奈央 獲物はイジって逃さない 言葉フェチの人気記者
後藤由加里
編集的先達:石内都
NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!
急報!鈴木寛からの事前お題発表【6/20開催『情報の歴史21』を読む ISIS FESTA SP】
知の最前線で活躍するプロフェッショナルたちは、『情報の歴史21』をどう読んでいるのか?人類誕生から人工知能まで、人間観をゆさぶった認知革命の歴史を『情歴21』と共に駆け抜ける!ゲストは鈴木寛さんです。 急報 […]
編集工学研究所 吉村堅樹が「編集」や「編集学校」について、ミニ動画で解説をする「林頭吉村の編集解説」をイシス編集学校YouTubeで公開中です。 イシス編集学校の「イシス」とは古代エジプト […]
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極める編集の仕上げ|[守]用法4 情報の表現 ー 吉村堅樹の編集解説#04
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世界を編集する方法教えます|[守]用法3 情報の構造化 ー 吉村堅樹の編集解説#03
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コメント
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2025-07-15
草むらで翅を響かせるマツムシ。東京都日野市にて。
「チン・チロリン」の虫の音は、「当日は私たちのことにも触れてくださいね」との呼びかけにも聴こえるし、「もうすぐ締め切り!」とのアラートにも聞こえてくる。
2025-07-13
『野望の王国』原作:雁屋哲、作画:由起賢二
セカイ系が猖獗を極める以前、世界征服とはこういうものだった!
目標は自らが世界最高の権力者となり、理想の王国を築くこと。ただそれだけ。あとはただひたすら死闘に次ぐ死闘!そして足掛け六年、全28巻費やして達成したのは、ようやく一地方都市の制圧だけだった。世界征服までの道のりはあまりにも長い!
2025-07-08
結婚飛行のために巣内から出てきたヤマトシロアリの羽アリたち。
配信の中で触れられているのはハチ目アリ科の一種と思われるが、こちらはゴキブリ目。
昆虫の複数の分類群で、祭りのアーキタイプが平行進化している。