「ピキッ」という微かな音とともに蛹に一筋の亀裂が入り、虫の命の完結編が開幕する。
美味しい葉っぱをもりもり食べていた自分を置き去りにして天空に舞い上がり、自由自在に飛び回る蝶の“初心”って、いったい…。

スニーカーならエアマックス。NBAはエアジョーダン。ダイノジはエアギター。そしてイシスにはエアサックスと呼ばれる男がいる。
感門之盟で音楽を学ぶ卒門学衆としてフィーチャーされたものの、サックスの演奏が未熟だったため、校長から吹かないで持ってるだけにしてとディレクションされたことから、「エアサックス」の愛称がついた。49[破]学衆・ヤマネコでいく教室、加藤陽康。これは3度目の正直ならぬ3度目の突破にかける若者の4ヶ月に渡る編集稽古のドキュメントである。
天狗はどうしてお山にいるの? それはお山が好きだからさ。
49[破]開講から1週間が過ぎた。エアサックス加藤は、編集天狗にインタビューをしていた。[破]のお題1-04番インタビュー編集術である。インタビューとは、「インター・ビュー」。互いのビューを交わす、覗き込む編集になる。お題では「夢中になっていること」「縁を感じること」「子供時代の思い出」の3つについてそれぞれ聞くことになっている。エアサックス加藤は、なぜ編集天狗が自分に関わることに夢中になっているのか、天狗は子供時代から山が好きなのか、どうしてそんなにお山に縁を感じているのかを、戸惑いながら問いかけた。
天狗がインタビューの相手でよかったのかどうかはさておき、果たしてエアサックス加藤は稽古をしているのか? そう、していたのだ。1-03番まで順調に回答をし、自ら再回答まで進めている。前期は最初で挫折していたことを考えると別人である。まだまだ加藤は信用できないと思いつつも、編集天狗もオネスティー上杉もほっと一息ついた。「ちゃんと回答を続けていると意識が変わってきた気がする」と、早くも加藤は自分の変化まで口にし始めた。エディスト記事をみた教室仲間からは「天狗に連れていかれないようお互い頑張りましょうね」「編集術をいかした新たな音楽、完成したら是非お聞きしたいです」などと温かい声も届いて、加藤も満更ではない様子だ。
本日は、1-07番文体編集術のクライマックスとなるセイゴオ知文術のお題が届いた。このお題は、全教室横断のアワード「アリスとテレス賞」の対象お題である。加藤は教室でいの一番に、中村桂子『生命誌とは何か』を選んだことを宣言した。選本理由は「生命科学の本で、専門的な知識を織り交ぜながら語る本を読んでこなかったから」だそうである。これまで全く手に取ったことがないジャンルの本を選んだエアサックス加藤。その心意気はよしとして、今回はエントリーすることができるかどうか。そして、エアサックス加藤は見事AT賞に入選することができるかどうか。編集天狗からの指令はAT賞2席以上。三度目の突破への最初の関門がやってきた。
【エアサックス加藤の三度目の突破】バックナンバー
■【エアサックス加藤の三度目の突破02】インタビューは天狗さまに(本記事)
■【エアサックス加藤の三度目の突破01】編集天狗と突破を誓う!
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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2025-10-07
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2025-10-02
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作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
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日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。