宮谷一彦といえば、超絶技巧の旗手として名を馳せた人だが、物語作家としては今ひとつ見くびられていたのではないか。
『とうきょう屠民エレジー』は、都会の片隅でひっそり生きている中年の悲哀を描き切り、とにかくシブイ。劇画の一つの到達点と言えるだろう。一読をおススメしたい(…ところだが、入手困難なのがちょっと残念)。

ブビンガの上に「千夜千冊エディション」が広げられている。セイゴオは一冊一冊手に取りながら、NewsPicksの編集者たちに“読書の方法”を明かしていった。
写真は音声番組「Future Talk」の収録風景だ。「NewsPicks」と「Spotify」がコラボして制作している番組で、ビジネス、カルチャー、テクノロジーをまたいでゲストと編集者が語りあう。
セイゴオは「21世紀の本の読み方」の語り手として出演。「千夜千冊エディション」に織り込んでいった多重多層な思惑を一つひとつ紐解いていった。
インタビュアーの質問を端緒に、好きを結晶化させた清少納言の『枕草子』の話から、フェチの根本となる「個性」とは何かという問いを切り出す。
「個性というものを考えるのであれば、むしろ”非自己”や”不確かさ”にむかわなければならない。アイデンティカルなものは、”アンチアイデンティカル”なものがないと生まれない。『はじめてのおつかい』のように、子どもの買い物を成功するかどうかといった”不確かさ”こそが人間の本来なのです」。
この後さらにAI、そして生物へと話題は変転し、ますますディープな編集的世界観に向けて潜航していく。 編集的方法語りの全貌を視聴したい人は以下のURLより。
【後編】「松岡正剛が語る正解を決めない哲学」が公開中(期間限定)
https://newspicks.com/news/4187299/body/
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「この世にはありとあらゆるメディア、例えば音楽、絵画、建築などのパッケージがあります。でも情報量を圧縮して、短い状態で詰められるパッケージは、やはり本なんですよ」
— NewsPicks [ニューズピックス] (@NewsPicks) September 7, 2019
🎧Podcast「Future Talk」第5回は、知の巨人・松岡正剛が語る「いま、本を読む意味」
リスニング▶️https://t.co/zvLD1LAAjB pic.twitter.com/BJAworY8ol
寺平賢司
編集的先達:カール・ゴッチ。松岡事務所の期待のホープとして、千夜編集部やプロジェクトを仕切る。フィリピン人の母と日本人の父をもつハーフボーイ。調子のよさでは右にでるものがいない。
12月15日(日)に放送されるBSフジ「松本清張 ニッポンの謎に挑む」に、セイゴオがVTRで登場する。 かつてセイゴオは、テレビ番組『ニュードキュメンタリードラマ昭和』で企画構成を担当し、監修・コメンテーターをつとめてい […]
未知の記憶をよびおこす“村” ――――建築家・樋口裕康さんと対談イベント
12月11日(水)、展覧会《村まであと何歩?》を開催中の小劇場plan-Bにおいて、セイゴオが建築家・樋口裕康さんと対談イベントを行った。 樋口さんは1971年、有志の建築家たちとともに象設計集団を共同設立。今帰仁村中央 […]
大音美弥子、石川正宏、赤羽卓美、太田香保がひざ詰めで何やら話し込んでいる。 千離衆たち([離]を退院した学衆の総称)が定期的に開催している声文会。9月11日、この日はあいにくの雨で参加者が少ないためか、 […]
松岡正剛とタピオカミルクティー。意外な取り合わせだと感じるかもしれないが、編集工学者・セイゴオにとっては日常的なアクセスなのだ。 9月1日(日)、レストランによったセイゴオが初めてタピオカミルクティーに挑戦した。金沢 […]
9月7日(土)に開催される感門之盟の「校長校話」にむけたラフ案が、松岡事務所のデスクに広がる。第70回という大きな節目にあたる感門で、校長・松岡の集中が一層増している。 感門のテーマは「ISISエディス […]
コメント
1~3件/3件
2025-09-18
宮谷一彦といえば、超絶技巧の旗手として名を馳せた人だが、物語作家としては今ひとつ見くびられていたのではないか。
『とうきょう屠民エレジー』は、都会の片隅でひっそり生きている中年の悲哀を描き切り、とにかくシブイ。劇画の一つの到達点と言えるだろう。一読をおススメしたい(…ところだが、入手困難なのがちょっと残念)。
2025-09-16
「忌まわしさ」という文化的なベールの向こう側では、アーティスト顔負けの職人技をふるう蟲たちが、無垢なカーソルの訪れを待っていてくれる。
このゲホウグモには、別口の超能力もあるけれど、それはまたの機会に。
2025-09-09
空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。