輪読座存亡の危機?!バジラ日本哲学はどうなる?

2019/10/24(木)21:34
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 本楼に輪読座衆は1名?

 10月27日(日)13時からスタートする輪読座が存続の危機にさらされている。

 これまで、空海、万葉集、日本書紀・古事記、唯識に華厳、折口信夫、井筒俊彦、西田幾多郎、そして南方熊楠とつづいてきた輪読座 日本哲学シリーズ。

 今回は、日本陽明学の祖と呼ばれる熊沢蕃山の『三輪物語』『大学或問』を取り上げる。しかし、蕃山の知名度の低さからか、輪読座の募集人数が定員を大きく割り込みそうだというのだ。

 

 輪読師といえば、バジラ高橋こと高橋秀元。松岡正剛とともに『遊』創刊時のメンバーであり、数々の編集プロジェクトを実現し、松岡をして「学者10人分」と言わしめる博覧強記の編集者だ。

 松岡の暗示的かつアナロジカルでマジカルなレクチャーに対して、バジラの図象力、明示的な方法解読は対照的かつ他に類を見ないと言われている。2017年年末に高橋の病気入院のあと、輪読座は長期休講、その後、2018年夏から『弁顕密二教論』のネット配信である「甦る輪読座」で復活を遂げた。

 しかし、長期休講の影響は大きく、イシス編集学校のなかでも、もう一人の「知の巨人」バジラ高橋の存在を知るひとは少なくなってきた。その余波が今回の輪読座募集にボディーブローのように利いてきた格好だ。

 

  「高橋さんの図解力や方法的読解力には、一度は触れておいたほうがいい。いかに「読み」を方法と結びつけたり、現代の問題と照合できるかという(高橋さんの)鮮やかな手際を知らないと損だ」と学林局 林頭の吉村は語る。

 

 27日からスタートする輪読座では、岡山、奈良、茨城の古河にルーツをもつ熊沢蕃山を取り上げる。蕃山の日本陽明学はどのように復活し、幕末維新にどのような影響を与えたのか。蕃山の思索はいかに現代の我々にも息づいているのか。「教育勅語以降、忘れられた「日本の本来の行動の美意識」を再確認できる機会になる」と輪読師のバジラ高橋は語っている。

 

 さて、今週末に開講される輪読座が今後も存続できるか。開講までに輪読座衆は揃うのかが注目される。

 

 

 ◎輪読座詳細はこちら https://es.isis.ne.jp/course/rindokuza

 ◎バジラ高橋からの熊沢蕃山 概要PDFはこちら https://es.isis.ne.jp/rdz/rdz-text_08-kumazawabanzan.pdf

 

 

輪読座の様子

”輪読座 日本哲学シリーズ第八弾「熊沢蕃山『三輪物語』を読む」” が開講。皆様のご参加をお待ちしております。

 

  • 吉村堅樹

    僧侶で神父。塾講師でスナックホスト。ガードマンで映画助監督。介護ヘルパーでゲームデバッガー。節操ない転職の果て辿り着いた編集学校。揺らぐことないイシス愛が買われて、2012年から林頭に。

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。