リモート慣れという与件を抱えて
昨日の康代[守]学匠につづいて、原田[破]学匠はリモート慣れした日常に触れた。緊急事態宣言から約半年を経て、生活のメディアがすっかり転換したのだ。
(このメッセージも、オンライン越しで学衆へ届けられている)
リモート会議は楽だけど、時と場所を選ばないから、どこまでも追っかけてくる。
長期間のリモートに疲れも出てきた頃だろう。
学匠はそのような与件の変化を抱えつつ突破までやり抜いた学衆を「少数なれど熟したり」と讃えた。
「共読」は嬉しくも苦しくもある
イシスでの編集稽古を体験した方なら、誰もが「共読」を体感したに違いない。
師範代の指南によって、知らない自分と出会う。
教室の学衆仲間の声かけによって、自身の変化に気づく。
知り合いからのおすすめ本を紹介してもらう。
どれも「共読」の格別の入り口だ。
年間6万冊が新たに出版されている。10年で言えば60万冊。
同じ本を共読できるのはイシスでは当たり前だけど、これって実はすごい珍しいこと。
しかし、果たして共読は楽しいことばかりだろうか。
10年前の3.11の時も、1年前の新型コロナウイルスの急速な感染拡大の時も、目前の未知に対して正しい情報を放りたいと誰もがニュースを共読したが、見れば見るほどわからなくなる。
「不要不急」はわかるけれど、みんな思うことが微妙に違う。ズレが起こり、共読しているはずなのにわかりあえないことも少なくない。
ズレやまちがいから豊かな生命が生まれてきた
しかしこのズレやすれ違いこそ、生命の編集の方法の一つだった。
生命の起源はコードが宇宙からやってきて、それが転写されてファミリーとなった。そのように私たちのような情報生命が生まれた。
元々のコードをきれいにコピーしては私たちは生まれなかった。まちがいやズレから豊かな生命が生まれてきた。
正解か不正解かと微細なものを割り切ったり、100%コピーする共読に意味はない。
喝破も打破も走破も、逸脱から始まるのだ。
最後に突破者のこれからのプロフィールへエールをおくった。
わかりあえなさを抱えながら共読を続けて、あいだをつなげていきましょう。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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