自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
本校の編集稽古はテキストでの問答スタイル、師範代が週2番ほど出題して、届いた回答ごとに指南します。学衆と師範代が番(つがい)となり順番に書き込みながら稽古するので「番稽古」。稽古が進むにつれ、伏せられていた編集の世界観が一つずつ開いていくプログラムです。
進むにつれお題の意図がわかってきて、あるとき、個の方法やモードが才能としてダイナミックに表出してきます。その変化を起こしていくのが「指南」。「お題」と「回答」と「指南」の結び目をつくる相互編集方法を、<エディティングモデルの交換>と呼んでいます。2000年の開講以来、師範代の数(870名)だけ多様な指南があります。示す先は「方法日本」。
今回のオンラインツアーでは、編集指南の面白さを体験していただくぶっちぎりの2時間。ISIS式稽古のしくみや師範代のメソッドをコンパクトに明かします。どなたでもご参加いただけます。ぜひ、イシス編集学校が起こし続けている「方法日本」の手触りを感じてください。
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◆ 師範直伝*師範代体験ツアー
南を指せば、「方法日本」。
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日 時:2022年8月21日(日)午後 14:00-16:00
参加費:1,100円(税込)
内 容:指南擬(もどき)ワークショップ、編集コーチングメソッドの紹介、質疑応答など
ナビゲーター:イシス編集学校 編集コーチ養成コース[ISIS花伝所]師範
深谷もと佳(ヘアデザイナー)、林朝恵(教育・人事)、吉井優子(会社員)
牛山惠子(企画編集)、佐藤健太郎(専門学校教師)、堀田幸義(デジタルマーケティング)
参加対象:未入門の方を含めご参加いただけます。
▼お申込みは、
https://shop.eel.co.jp/products/detail/425
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イシス編集学校 [花伝]チーム
編集的先達:世阿弥。花伝所の指導陣は更新し続ける編集的挑戦者。方法日本をベースに「師範代(編集コーチ)になる」へと入伝生を導く。指導はすこぶる手厚く、行きつ戻りつ重層的に編集をかけ合う。さしかかりすべては花伝の奥義となる。所長、花目付、花伝師範、錬成師範で構成されるコレクティブブレインのチーム。
「乱世こそ花伝所」。松岡正剛校長の言葉を引用し、花目付の林朝恵が熱く口火をきる。44[花]の問答条々、式目の編集工学講義は花伝所をけん引するツインターボ、林・平野の両花目付のクロストーク形式で行われた。2025年10月2 […]
「5つの編集方針を作るのに、どんな方法を使いましたか?」。遊撃師範の吉井優子がキリリとした声で問いかける。ハッと息を飲む声がする。本楼の空気がピリリとする。 ▲松岡校長の書いた「花伝所」の前でマイクを握る吉井師範 &n […]
先人は、木と目とを組み合わせて「相」とした。木と目の間に関係が生れると「あい(相)」になり、見る者がその木に心を寄せると「そう(想)」となる。千夜千冊を読んで自分の想いを馳せるというのは、松岡校長と自分の「相」を交換し続 […]
【書評】『アナーキスト人類学のための断章』×4× REVIEWS 花伝所 Special
松岡正剛いわく《読書はコラボレーション》。読書は著者との対話でもあり、読み手同士で読みを重ねあってもいい。これを具現化する新しい書評スタイル――1冊の本を数名で分割し、それぞれで読み解くシリーズです。今回は、9月に行われ […]
3000を超える記事の中から、イシス編集学校の目利きである当期の師範が「宝物」を発掘し、みなさんにお届けする過去記事レビュー。今回は、編集学校の根幹をなす方法「アナロジー」で発掘! この秋[離]に進む、4人の花伝錬成師 […]
コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。