普通のことはしない。これがイシスの掟である。
10月4日(日)16時から、この秋の開講にむけて学校説明会が行われていた。例年であれば、東京・豪徳寺での開催だが、今回からはオンラインに切り替わった。とはいえ、編集学校には、いままでの内容をそのままネット配信するという選択肢などない。
場という与件が変更されれば、そこから生まれる最適なソリューションも変わる。
まず、空間的な制約がなくなるため、参加の人数制限の撤廃。ならば大人数の参加者にも密に対応できるようにと、これまでのナビ1名体制から2名に増強。そして、オンラインならではのチャットを活用した編集ワークの設計。これまで以上にダイナミックでスピーディなスタイルへと進化を遂げた。
リニューアル後はじめての説明会を担当したのは、学林局・八田英子(律師)と、無料体験「編集力チェック」で指南を担当する梅澤奈央(師範代)。申込は18名にのぼった。
八田は、カメラに真っ白い紙をかざす。よく見ると、なかには小さな黒点。
「同じドットでも、顔文字になれば口や目に、数字であれば小数点に、あるいは星座の一部分になりますよね」
編集の基本の型「地と図」を解説する。ダーツを投げるかのように精度の高い語り口に、参加者は目を見開いてメモを取る。
説明会の醍醐味は、ネット上では公開されていないオフレコ情報も聞けること。
この日は、「メモの取り方にこだわりがある」という参加者の自己紹介を受け、八田は松岡正剛校長が直々に明かしたというメモ術を開陳。いわく、「1行目から書かない」「余白をつくる」「場の状況を書き込む」。
八田は続ける。
「天気や服装など、議事録では落とされてしまうような情報も、その日の打ち合わせ結果にかならず作用しているんです。あらゆる情報をのみこんで、関係性を見出す。それが編集です」
参加者の言葉のきれはしを瞬時につかんで、編集の極意へとつなげてみせる。この八田のふるまいこそが、編集術の実践であった。
次回の学校説明会は、10月11日(日)14:00〜15:30、オンラインでの開催。この回が、10月26日開講46[守]ラストとなる。ナビゲーターは、学林局局長・佐々木千佳と師範代・上杉公志。
上杉は、遊刊エディスト編集部にして、この夏全国22ヶ所で開催されたイシスフェスタの司令塔。誠意があふれこぼれるほどの対応力で、全国の指導陣の後方支援をつづける名マネージャーだ。
いっぽう、佐々木はイシス編集学校の20年をまるごと支える大黒柱でありながら、そのあでやかな語り口は、聞く者すべての心をさらう看板女優。
編集学校のいちばんの魅力は「人」である。
それを体現するふたりの二人羽織説明会、お見逃しなく。
▼申込・詳細はこちら:https://es.isis.ne.jp/admission/briefing
梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
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