朝刊の番組欄を開くと、左端にNHK。その横に寄り添うように並んでいるEテレは、NHKの別院にも、離れのようにも見える。
9月4日と5日の両日に開催される第77回感門之盟で、イシス放送局に寄り添うのがイーてれだ。本楼とオンラインで進行する次第に合わせ、EditCafeからリアルタイムで情報を配信する。当日、本丸イシス放送局のチャットでは、Zoom参加者がリアルと交差し、遊刊エディストでは、ライターが現場の熱気を乗せて速報を仕上げていく。この二つのメディアとともにリテラルなロールを担うイーてれでは、実況中継や出演者の紹介のほか、校長から師範代に贈られる先達文庫のリストや、産声をあげた教室名、師範に贈られる校長直筆の色紙のズームアップ映像など、アーカイブ機能で存分に味わうことができる。
イーてれのイーはEditCafeのE。
だがじっと目を凝らすと折り畳まれていたさまざまな別様のEが綻んでくる。エンターテイメント(もてなし)、エモーション、エンパシー、エボリューション、エピファニー・・・。
感門之盟で巧まずして湧き起こるこうした多様なEの香りのエッセンスを、イーてれは届ける。
丸洋子
編集的先達:ゲオルク・ジンメル。鳥たちの水浴びの音で目覚める。午後にはお庭で英国紅茶と手焼きのクッキー。その品の良さから、誰もが丸さんの子どもになりたいという憧れの存在。主婦のかたわら、翻訳も手がける。
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