【このエディションフェアがすごい! 番外編】祭りというか、もはや一揆です。 MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店 準備篇

2021/09/03(金)17:51
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大阪は飢えている。

梅田は渇いている。

茶屋町は燃えている。

何に?

もちろん「知」に!

 

目前に迫る2021年9月5日。

この日、MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店にて、いよいよ知祭りがスタートを切ります。
超メガサイズのフロア面積&蔵書数という稀有なトポス、 関西ではエディションフェアのトリを飾るという重要なオケージョン、 さらには第77回感門之盟での生中継までも盛り込まれました。

大阪のリプレゼンテーションが花開き、緊張と期待が芳しい編集を連れてくる!はず!!
いやもう、どきどきなんですよ。

【1】chanceの女神は3人いる
準備を進めるチーム「知祭り大阪本陣」のメンバーは14名。 比類なき編集三女神たる冊匠・大音美弥子さん、破番匠・野嶋真帆さん、 師範・山田細香さんが率いる、とびきりな面々が揃いました。 8月9日、三女神はMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店を訪問。 なんとその翌日には、ネット上にチームが立ち上がり、メンバーに概要説明が案内されました。 素早い!

訪問の様子はこちらでじっくりどうぞ。




【2】challengeの始まりは計測から

メジャー片手に什器を測る山田さん。 この計測をもとに、レイアウト用の図面を速攻で仕上げてくださいました。 が、彼女の本当のスゴ技はこれからが本番なのであります。



【3】chain@zoomで一揆の立案

8月15日、第一回目のZOOM会議を開催です。 知祭りは祭りではあるけれど、反逆でもあり、逆襲でもある。 ネットで終わるな!本屋に来い!本棚の配架と戯れろ!紙の本で触知せよ! これはもう、祭りというより一揆なのである!! などという熱い交し合いが、3時間以上続いたのでした。 そんなわけで、レイアウトには幟と旗を立てることに決定。 会議終了後、ぐっと洗練された一揆必須アイテムを山田さんが高速作成くださいました。 今回はほんの一部をご披露。この図柄、どこかで見覚えあるかも?



【4】chargeの間もない矢継ぎ早の制作

ZOOM会議の内容を受けて、野嶋さん指揮の元、レイアウトの具体案が動き出しました。 フェア会場は5Fの芸術・人文のフロアに、二か所のエリアを設けています。 一つ目はエスカレータ横のイベントコーナー。 二つ目はエレベータ横の本棚を丸々1台。 それぞれどんな特色を打ち出していくのか、どう連携をとっていくのか。 見栄えするだけのレイアウトでは本は売れない、と大音さんから檄が飛びます。 またも早技、山田さん手作りの多彩な什器で場面編集開始。 立体的かつ機能的な配架を探ります。 少しずつ、手に取って読みたくなる設えが見えてきました。



【5】changeを恐れないfinishへの道

さらなる詰めとして、第2回目のZOOM会議が8月19日に開かれました。 本のレイアウトに合わせて、空間のコーディネイトも検討が進みます。 眼目は、『千夜千冊エディション』のヴィジュアル面とテキスト性をいかに交差させていくか。 メンバーのアイデアから、パネル展示という方法が浮かび、 野嶋さんのしなやかなエディティングセンスが、ばっちり照応していきます。 こちらがその渾身のパネル切貼りの模様です。 仕上がりは、ぜひとも9月5日にしっかり目撃くださいませ。 とんでもなくかっこいいですよ。

 



【6】channelはそのまま、共有知を目撃!

9月5日の中継では、棚組設営の様子とともにレイアウト図面が紹介されます。 山田さんと野嶋さんの作成です。 壁やテーブルの描線だけだったところに、日々続々と情報が書き込まれ、 生き生きとした表情が創発されていきます。 みんなのアイデアや工夫がそこかしこに刻まれて、チームの共有知の源泉となりました。 このスコアリングを堪能できたのは、メンバーの役得なのでした。

【シメ】charmの源泉はもちろんseigow
駆け足で知祭り大阪本陣の様子をお伝えしてまいりました。 今現在も、着々と搬入や設営が進んでいます。 本の設えやレイアウトだけでなく、感門之盟への中継準備、細かなポップの作成、今後のメンテナンスの支度などなど、メンバーそれぞれによる多様な一揆編集が同時進行中です。 見守るセイゴオ校長の視線も、心なしか優し気です。



一揆といえば、校長が自身を「深層圏暴走族伴走派」と称されたこの一夜がありました。


同盟、一揆、コミューン、SNS。 これらは似ているのか、そうでないのか。 おそらく一揆は日本に独特な「絆」なのだろう。 そこには一味同心、一味神水という 不思議な結社結党感覚が加わっている。 千夜千冊1532夜『一揆の原理』より

 

大阪本陣の一味同心な知祭りは、果たしてどんな光景となるのでしょう。

 

大阪は飢えているか? 世之介ばりの食いっぷりで喰い倒れ。

梅田は渇いているか? オダサク譲りの呑んで溺れて大暴れ。

茶屋町は燃えているか? それはみんなの「知の気」次第!

 

実店舗、感門之盟、いずれにおいても、皆々様のぜひのご来店をお待ちしております。


この記事の執筆・画像構成は、竹島陽子師範にお願いしました。
久々のイシス・パワーに戸惑いながらも、快く本陣の一揆にご参加、旗振りいただき、感謝感謝です。


「知祭り大阪本陣」メンバーはこちら(五十音順)
阿曽祐子 網口渓太 梅澤奈央 大音美弥子 景山和浩 川野貴志 木藤良沢

敷田信之 嶋本昌子 竹島陽子 西村慧 野嶋真帆 廣瀬良二 山田細香

 

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    編集的先達:パティ・スミス 「千夜千冊エディション」の校正から書店での棚づくり、読書会やワークショップまで、本シリーズの川上から川下までを一挙にになう千夜千冊エディション研究家。かつては伝説の書店「松丸本舗」の名物ブックショップエディター。読書の匠として松岡正剛から「冊匠」と呼ばれ、イシス編集学校の読書講座「多読ジム」を牽引する。遊刊エディストでは、ほぼ日刊のブックガイド「読めば、MIYAKO」、お悩み事に本で答える「千悩千冊」など連載中。

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。