「再編集」の2021年へ。全国オンラインワークショップ「方法日本ETS」開幕!

2021/02/06(土)19:00
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半年に一度の方法の祭典、ISISフェスタ「エディットツアースペシャル(ETS)2021春」がいよいよ明日から始まる。

 

2019年夏、2020年春、夏に続いて4回目となるETS。全国各地で編集工学や方法についてのワークショップを行い、これまで500名以上の方が参加してきた。昨夏に引き続き、今回も全てオンラインでの開催となる。ネットワーク環境さえあればどなたでも参加可能だ。

 

オフラインオンラインの関係が大きく変わった2020年】

2020年春の緊急事態宣言以降、働き方や普段の生活、活動範囲が大きく変わった方も少なくないだろう。

その主な要因に日々の「オフラインとオンライン」の関係の変化がある可能性は高い。

 

企業はリモートワークを推進し、在宅でのオンライン会議が日常化。飲食店はテイクアウトが当たり前になり、道ゆく道路で四角いボックスを背負う自転車の姿にも違和感がなくなっている。多くのリアルイベントで活動していたアーティストやパフォーマーも活動するトポスを求め、芸能人も楽器奏者もYoutuberデビューしたりしている。

 

【身のまわりのもの・ことは「すでに編集されて」いる】

果たしてこれってどういうことなのだろうか。なぜこのような生活になり、このような行動を自分はとっているのか。

ここにも大きく「編集」が関わっている。なぜなら、在宅勤務もUber Eatsもオンラインライブも全て「編集されて」できているものだからだ。

 

身のまわりのものや出来事は想像以上に「編集されたもの」であふれている。まずはそこに気づくことから「再編集」は始まる。

 

「再編集」には、普段の何気ない違和感や「そもそもこれってどういうことなのか?」といった問いがエンジンとなる。その意味で、多くの方にとってオンラインとオフラインの関係が動いている今こそ、再編集のまたとない機会ととらえ直すこともできるだろう。

 

【2021年は「日本という方法」で再編集へ】

今回のETSのテーマは「方法日本」。日本の歴史や文化から生まれた各地の知の編集を擬き、ワークショップ形式で各地の方法に迫る。

 

東北では「松尾芭蕉」に肖り、北海道では「海と自然と方法」を関係づけ、横浜・横浜では「海街」の方法にスポットを当て、島根では「和歌」に遊び、名古屋・京都では「京の山鉾(だし)と尾張の鯱鉾」を照合し、九州では、「九州のお茶」と編集を重ねる。

普段はテキストベースの[破]と[花]講座もライブでのワークショップを開催する他、「こども」や「おやこ」向けのワークショップ、多読ジム講師陣による「本」のワークショップ、「NPO」と編集を重ねたワークショップなども予定されている。

「オンラインとオフライン」の関係にも注意のカーソルを向けて編集されるオンライン上の「設え」にも注目だ。

 

2021年は「日本という方法」で再編集へ。このETSがみなさんの再編集のきっかけになることを願っています。

 

【開催一覧】

2月7日(日)10:30-12:00
[破]応用コースの方法に迫る!/野嶋真帆、植田フサ子、原田淳子

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2月7日(日)15:00-16:30
[東北]おくのほそ道まわり道。~肖り松尾芭蕉~ 想像力の国、東北へ。
/鈴木康代、森由佳、井ノ上裕二、葛西淳子、平形智子、未知奥連

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2月23日(火・祝)14:00-16:00
[花]師範代の花道へ!/深谷もと佳、林朝恵、中村麻人 他

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2月27日(土)14:00-16:00
[愛媛]海とみかんの10shot ~組み合わせ連想力~/若林牧子、後藤由加里

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3月2日(火)19:30-21:00
[破]応用コースの方法に迫る!/天野陽子、井田昌彦、相部礼子、原田淳子

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3月4日(木)19:00-20:30
[大阪・姫路]ほうほうふくわらい/山根尚子・内海太陽

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3月20日(土)10:30-12:00

[北海道]記憶する雪、編集する街/岩野範昭、神尾美由紀

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3月20日(土)15:00-16:30
[横浜・鎌倉]:海街エディット/小川玲子・大塚宏・岩上百合子

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3月23日(火)19:30-21:00
[島根]八雲立つ 歌う出雲/景山和浩、増岡麻子、大武美和子

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3月28日(日)10:30-12:00
[こども]こども編集学校「読み書き編集ワーク」/得原藍、佐々木千佳

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4月3日(土)10:00-11:30
[親子]こども編集・おやこ編集/松井路代、浦澤美穂、他

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4月3日(土)15:00-16:30
[軽井沢]さよなら積読ほんとの旬読/浅羽登志也、中原洋子

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4月4日(日)10:30-12:00
[金沢]かくれた金沢 ~らしさをアブダクションする方法~/中川将志・八田英子

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4月8日(木)19:30-21:00
[NPO]NPO編集のひみつ/山田泰久 他

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4月9日(金)19:30-21:00
[名古屋・京都]京の山鉾はいかにして尾張の鯱鉾になったのかー伝染しの編集ロードー
/小島伸吾、米山拓矢、福田容子、梅澤奈央

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4月10日(土)15:00-16:30
[九州]一杯のお茶から九州を読み解く方法~九天玄氣組と「七茶の法則」~

/上原美奈子、中野由紀昌、石井梨香、田中さつき、九天玄氣組

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  • 上杉公志

    編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。