自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
バルザックに真っ向勝負を挑んだ「第一弾 山本貴光篇」に続く、「『情歴21』を読む」シリーズ第二弾のゲストが決定しました! 社会学者・大澤真幸さんです!
大澤さんといえば、松岡正剛校長の古くからの盟友であり、最近では多読ジムのスペシャルコース第一弾「大澤真幸を読む」の共同開発や、編集工学研究所の企業塾Hyper-Editing Platform[AIDA]のボードメンバーを務めるなど、編工研やイシス編集学校で引っ張りだこ、編集工学にとって今や欠かせない人物となっています。
実は大澤さんは「『情歴21』を読む」プロジェクトの原型である『情報の歴史を読む―世界情報文化史講義 (BOOKS IN FORM SPECIAL)』(NTT出版)の誕生のきっかけをつくった”必冊仕掛け人”でもあります(『情歴21』の売り文句は「一人必冊」!)。1993年当時、千葉大学の助教授だった大澤さんの依頼を受けて、松岡校長が『情歴』をもとに「世界情報文化史講義」と題して行った講義を再編集したものが『情歴を読む』なのです。
三日間の集中講義の初日は「RNAから聖書へ」、二日目に「オデュッセイアから複式簿記へ」、そして最終日は「花伝書からハイパーカードへ」と、宇宙誕生から現代までの世界の情報文化史を高速かつ濃密に語り尽くしました。講義は瞬く間に大評判を呼び、最終日には立見の聴講者もいたという伝説が残っています。
伝説の千葉大講義からおよそ30年を経て、今回の「『情歴21』を読む」はまさに主客逆転。こんどは大澤さんが知の客人(マレビト)として、知の来訪神オオサワマサチが自身のライフワークと位置づける『世界史の哲学』シリーズ(講談社)を携えてISIS館・本楼にやってきます。『情歴21』と『セカ哲』はいかにしてコラボレーションを起こすのか。新たな伝説の生まれいずる予感プンプンです。
参考資料としてこちらに大澤真幸さんに関するエディスト記事を列挙しておきます。
◉【AIDA Season2 第1講】知の「アウトレイジ」? 要約版ボードコメント集
◉【告知】MM対談実現 多読ジムSP「読了式」公開LIVE!
◉【多読SP読了式】大澤真幸×松岡正剛対談(1)西洋と東洋とイスラームの歴史をつなげて語れる人
◉【多読SP読了式】大澤真幸×松岡正剛対談(2)二人の読書術
「ISIS FESTA SP『情報の歴史21』を読む」は、「第一弾 山本貴光篇」「第二弾 大澤真幸篇」に続いて、第三弾、第四弾とシリーズ企画として毎月一回ほどのペースで続いていく予定です。さらに『情歴史21』編集長の吉村林頭によると、書籍化の目論見もあるそうです。まだまだ見逃せない情歴プロジェクト、今後の展開もどうぞお楽しみに!
ISIS FESTA SP『情報の歴史21』を読む 第二弾 大澤真幸篇
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2022年3月22日(火) 19:30~22:00
■会場:
リアル参加:本楼(世田谷区豪徳寺)
オンライン参加:お申し込みの方にZOOM アクセスをお送りします。
■参加費 :
リアル参加:¥ 3,850 税込
オンライン参加:¥ 2,200 税込
■参加資格:どなたでもご参加いただけます。
■お申込み:以下よりお手続きください。
https://shop.eel.co.jp/products/detail/383
*プルダウンでリアル/オンラインをお選びください。
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金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:夢野久作
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。