宮谷一彦といえば、超絶技巧の旗手として名を馳せた人だが、物語作家としては今ひとつ見くびられていたのではないか。
『とうきょう屠民エレジー』は、都会の片隅でひっそり生きている中年の悲哀を描き切り、とにかくシブイ。劇画の一つの到達点と言えるだろう。一読をおススメしたい(…ところだが、入手困難なのがちょっと残念)。

「一体情報とはなにか。地球上の生命系の一角を占めている私たちが、この難しい問題を考えるには生命の起源に戻らなければならない。」
ツッカム正剛0034夜で松岡正剛校長が語った言葉だ。
COVID-19で多くの変化があった今年、松岡校長はあらゆる場面でウイルスと情報を語っている。
1737夜『ウイルス・プラネット』、1738夜『流感世界』、1741夜『免疫ネットワークの時代』の千夜千冊のあとは、4本仕立ての「ツッカム正剛ーやや特別編」へと今この時を編集し続けた。
松岡校長は、COVID-19を引き取りながら世界を読むための「見方」の一つ、サイエンスを展開していたのだ。
そのような今、編集的で、子供から大人までワクワクするサイエンスの取り組みを紹介する。
書籍を通じて「今」も考えることができる「オンライン・トークイベント」が、イシス編集学校の本拠地、ブックサロン本楼から配信される。
テーマはズバリ「今知りたい!ウイルスと免疫の話」。
このイベントは、「科学道100冊」で企画された。
「科学道100冊」は、イシス編集学校を運営する編集工学研究所が2017年から理化学研究所と行っているプロジェクトで、書籍を通じて科学者の生き方・考え方、科学のおもしろさ・素晴らしさを届けている。
科学は古代より、自然社会や世界を解明しようと思考し計測し観察し実験し、世界を切り開いてきた。
科学者の思考モデルを大事にしてきた「科学道100冊」は、こんな今だからこそと、このオンライン・トークイベントを企画したのだ。
イベントに登壇するのは『生物はウィルスが進化させた』(講談社ブルーバックス)の著者であり、ウイルス学者の武村政春博士と、免疫学者の小安重夫博士(理化学研究所理事)だ。
ウイルス学者と免疫学者による、COVID-19の最新研究から、科学道ならではの「本」の話題まで幅広く語っていただく。
イベントの対象は中学生以上。大人だけでなく、学生にも楽しんでいただける内容だ。
楽しいのはもちろん、見方のサイエンスにもぜひ触れていただきたい。
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「科学道100冊 2020-今知りたい、ウイルスと免疫の話」
【日時】 2020年12月18日(金)18:00~19:30
【登壇者】 武村政春氏(東京理科大学教授/ウイルス学者)
小安重夫氏(理化学研究所理事/免疫学者)
【主催】 科学道100冊委員会(理化学研究所・編集工学研究所)
【対象】 中学生以上
【参加費】 無料
【視聴方法】事前申し込み制(先着450名)
★イベント詳細とお申込み:科学道100冊特設サイト イベントページ
★イベントチラシ:科学道100冊特設サイト イベントチラシ
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衣笠純子
編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。
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コメント
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2025-09-16
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