【速報】もっと怪しい校長を ― 曼名伽組の組長が自らに課したお題とは?【79感門】

2022/09/10(土)16:35
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夢の中のような空間に、一人の男が座っている。第79回感門之盟が始まって間もなく、佐々木局長が中継先の中部支部を画面越しに呼び出して現れたのは、摩訶不思議なオブジェと校長の千夜千冊豪華本に挟まれた小島伸吾組長だった。ここは小島さんの珈琲ショップの二階にある秘密基地だという。

 

■中部支部のお題とは?

名古屋の曼名伽組は、イシスでの学びを、フェチを活かして地域で実践、実験していく装置としてのトポスだと小島組長は語る。先日、小島さん主宰の面影座のギャラリーでお世話になっている地元の同志から、松岡校長のことを知りたくてしかたがないので、ぜひ語ってほしい、というお題をもらったと明かす。校長は巷では博覧強記、知の巨人といったイメージが付いて回っているが、校長の熱烈なファンである小島さんは、もっと別様の松岡正剛をリプレゼンテーションしたいと強く願っているのだという。

 

■校長の新刊バージョン

佐々木局長はすかさず、小島組長にある一冊の本を紹介する。

出版されたばかりの校長の『見立て日本』(角川ソフィア文庫)だ。週刊ポストでの連載「百辞百景 コンセプトジャパン100」の記事に書き下ろしも加えた、日本文化の面影をカラー写真とともに綴る一冊は、面影座にまさにピッタリだ。小島さんも「この一冊でリプリゼンテーションをやります」と膝を打つ。

 

■もっと怪しい校長を

小島さんは、校長のヴィジュアル・コミュニケーションのイメージを強く出していきたいと語る。校長のもっと怪しいところをリプリゼンテーションしていくのが支部のお題であり、私たちイシス人全員の実践のお題ではないかというのだ。

 

■小島組長のヴィジュアル・リプレゼンテーション

最後に小島組長はフェチを全開にし、背景にある、比叡おろしが吹きすさぶ琵琶湖を自転車で走る校長を描いた作品と、『少年の憂鬱』の鳥籠を紹介し、立方体の回転オブジェを頭の上に乗せ、千夜千冊エディションの格別なリプレゼンテーションを見せてくれた。

 

  • 丸洋子

    編集的先達:ゲオルク・ジンメル。鳥たちの水浴びの音で目覚める。午後にはお庭で英国紅茶と手焼きのクッキー。その品の良さから、誰もが丸さんの子どもになりたいという憧れの存在。主婦のかたわら、翻訳も手がける。

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