『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
バジラ高橋の輪読座「白川静を読む」の第二輪がスタートした。
第一輪では、白川静と先行する甲骨・金文文字研究のクロニクルを重ねつつ、『万葉集』『詩経』といった東洋古代の世界観に惹かれた白川静が、先行研究の先達を尊敬しつつ批判し、新たな編集へ向かっていったかに迫った。
第二輪では漢字の興りに立ち返る。殷の時代、宮城谷昌光が『沈黙の王』でもとりあげた子昭(のちの武丁)が、自分のなかに渦巻いている概念や神話を現実の人間にうつしかえようと考え、初めて漢字を生み出した。殷墟遺跡から発掘された亀の甲羅や牛鹿の骨には刻まれた甲骨文字が見られる。

「甲骨文字は政治見解の広報メディアでもあった」とバジラはいう。
当時行われていた甲骨卜占は、王が実行した政策を卜占を通して正当化させ、神と交信する王の神聖性を示すものであり、政府表明を伝える「仕掛け」だった。これは無文字時代には成し得ず、いわば漢字が殷の神権政治というシステムを生み出したともいえるだろう。神々を漢字によってシステム化したのだ。殷は甲骨文字の漢字システムによって新たな概念を次々に生み出し、情報共有や意味の分化を可能にしたが、あまりに自分勝手に利益を追求したことで崩壊を迎えた。
第二輪では、殷の後の周の形成と展開をおさえ、羅振玉や王国維、董作賓、覚沫若ら甲骨四堂と日本東洋学の形成を概観しつつ、再び白川の『三部の字書について』『卜辞の本質』『殷の時代』『中国古代の共同体』などを輪読した後に、座集は図象化に向かう。
第三輪は12月27日(日)13:00〜。ISIS編集学校の年内最後の講義となる。これからの受講も受付中(申込はこちら)。すでに終了した講座の図象資料や当日の映像も後追いで視聴できる。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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コメント
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2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。