外国語から日本語への「翻訳」もあれば、小説からマンガへの「翻案」もある。翻案とはこうやるのだ!というお手本のような作品が川勝徳重『瘦我慢の説』。
藤枝静男のマイナー小説を見事にマンガ化。オードリー・ヘプバーンみたいなヒロインがいい。
花伝所は「師範代養成講座」ではない。それ以上の意味をもつ。日本の方法に根ざしたコーチを育てること。これが花伝所の役割なのだ。
第78回感門之盟 放伝式でも、コミュニケーションの極意を伝えつづけた師範の言葉が花びらのように舞う。3月21日、東京は桜の開花宣言翌日のことだった。
このコーナーにおいて、初の花目付を担った者には「玄々書」が、錬成師範には「花伝扇」が校長松岡正剛から贈られた。
◆林朝恵 花目付
「この人はモミモミするのがうまいんだよ」 松岡が意味ありげに色っぽく寿いだのは、師範をくすぐり、撫でて、引っかき、内心をポロリさせつづけた林のうつわの大きさだった。
◆武田英裕 花伝錬成師範
テクニカルを担当する「黒膜衆」として、この日も出番直前までインカムをつけていた武田。花伝での学びは「ビジネスパーソンのコーチングにこそ必須」と熱弁を奮った。
◆牛山恵子 花伝錬成師範
初めての師範ロール、ずっと脳裏にあったのはマダム池澤の面影だった。牛山は池澤から譲り受けた、大輪の花咲くブラウスを誇らしげに纏って。
◆尾島可奈子 花伝錬成師範
「誰かに何かを伝えようと思ったとき、人は変わる」 前日のINTERSCORE TALKのコーナーで真っ赤なワンピースと、たしかな語りで魅せた尾島。このまっすぐな言葉に、松岡も深く頷いた。
◆阿久津健 花伝錬成師範
道場に花伝師範1名と錬成師範2名が伴走するチーム制となったことを受け、阿久津は「場のなかで、自分がなすべきことはなにか」と考え続けた日々だったという。「師範の自由度は怖い。でも面白い」 師範の心のうごきも零れでた。
◆ ◆ ◆
花伝所において、花目付や師範を2期以上務めた者には、「花伝選書」が贈られる。贈呈を受けたのは以下の9名。
◆花目付 深谷もと佳
花伝師範 岩野範昭(くれない道場)
花伝師範 吉井優子(やまぶき道場)
花伝師範 岡本悟(むらさき道場)
花伝師範 中村麻人(わかくさ道場)
錬成師範 美濃越香織、錬成師範 梅澤奈央、錬成師範 蒔田俊介、錬成師範 神尾美由紀
▲「迫力ある面々だねえ」 松岡は相好を崩した。
▲今回師範へのギフトに選ばれたのは、「千夜一尾」として1001夜に選ばれたブライアン・グリーンの最新作。肺がん手術をはさんで、「宇宙のさざなみの向こう」を加えようと思った松岡の思いが込められている。
▲Zoomからは、岩野・神尾・美濃越が授与を受けた。「壊したい」との思いから、ハックルベリー・フィンの「無印不良品」を入伝生に配ってまわった神尾は、黒革のジャケットと赤いアイラインで不良少女風に。
▲「麻人は、めざましいね。あ、前回も言ったか」 師範にとっては緊張のひと幕である校長インタビューだが、百戦錬磨の手練にモミモミされれば思わず笑いもあふれでる。華やぎとともに36花をリコール・リマインドする時間となった。
◆36[花]師範選書
『時間の終わりまで』
ブライアン・グリーン(著), 青木薫 (翻訳), 講談社
記事準備:後藤由加里
写真:上杉公志
文:梅澤奈央
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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