空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。

2020年、突然の訃報で年が明ける。冨澤道匠逝去。Edit Cafeの一角では哀悼の言葉が切々と繋がり、一つ一つのエピソードから冨澤道匠が”メッセージの人”であったことを浮かび上がらせた。
そこから世界は一変し、オンライン、リモート、ディスタンスへ。距離は編集力を自粛させるものにはならない。ひたすらにメディエーションに突き進んだ2020年の足跡をクロニクルとして振り返る。
2020年エディスト・クロニクル(1月~4月)
凡例
●:編集学校・松岡校長関連
◎:千夜千冊・出版関連
★:遊刊エディスト
○:国内外のニュース
★01.04 新春企画豪華7本立て田中優子さんインタビュー by金宗代
★01.09 初バズり 松岡正剛が語る、2020年に突出するための五箇条 by穂積晴明
●01.13 「多読ジム」長年の構想を経てついに開講
●01.14 冨澤陽一郎道匠逝去 Edit Cafeに哀悼の言葉が繋がる
◎01.17 1730夜『見えないものを集める蜜蜂』ジャン=ミシェル・モルポワ
●01.17 「ツッカム正剛」白衣を着て小倉加奈子登場
◎01.24 1731夜『自己組織化する宇宙』エリッヒ・ヤンツ
●01.25 32[花] 花伝敢談儀 冨澤道匠の面影を感じながら放伝生を送り出す
○01.26 大相撲一月場所 德勝龍(前頭17枚目)優勝
●01.30 遊刊エディスト編集部会議 松岡校長より個々へディレクション
○01.31 英国EU離脱
●02.01 第4回師範IS&IS講 田中優子先生らも参加
●02.08 15期HCU(ハイパー・コーポレート・ユニバーシティ)第5回
◎02.12 1732夜『月はすごい』佐伯和人
◎02.21 1733夜『宇宙137億年の歴史』佐藤勝彦
●02.22 2020春ETS(エディットツアースペシャル)スタート 全国20ヶ所同時開催
◎02.25 千夜千冊エディション『心とトラウマ』(角川ソフィア文庫)
○02.28 新型コロナウイルス 全国小中高休校要請
★03.04 エディスト編集部今月のオススメ記事スタート
◎03.05 1734夜『星界の報告』ガリレオ・ガリレイ
○03.11 WHOパンデミック宣言
◎03.12 1735夜『サブカルチャー』ディック・ヘブディジ
★03.12 異色料理記事「リカちゃんクッキング」by石井梨香
●03.14 第73回感門之盟 史上初ハイブリッド開催
○03.14 JR高輪ゲートウェイ駅 山手線49年ぶり開業
◎03.19 1736夜『献灯使』多和田葉子
◎03.20 『日本文化の核心「ジャパン・スタイル」を読み解く』(講談社現代新書)
★03.21 紆余曲折を経て「マンガのスコア」連載開始 by堀江純一
○03.24 東京オリンピック・パラリンピック延期決定
◎03.27 1737夜『ウイルス・プラネット』カール・ジンマー
●03.28 45[守]伝習座1 手探りの初オンライン開催
●03.29 輪読座「熊沢蕃山『三輪物語』を読む」最終回
○03.29 志村けん(70歳)死去
●04.05 44[破]伝習座1 学林堂にラジオブース風スタジオ
○04.07 新型コロナウイルス 緊急事態宣言発令
◎04.08 1738夜『流感世界』フレデリック・ケック
●04.13 多読ジムSeason2開講 エディション読みは『デザイン知』
◎04.15 1739夜『素粒子の発見』ヤン・チェンニン
●04.20 44[破]45[守]開講
◎04.25 千夜千冊エディション『大アジア』(角川ソフィア文庫)
●04.26 輪読座「世阿弥を読む」第1回 異例の大盛況
◎04.28 1740夜『量子力学のイデオロギー』佐藤文隆
アイキャッチ画像:3.28 初めてのオンライン伝習座 44[守]
エディスト・クロニクル2020 #01 哀悼の幕開け
エディスト・クロニクル2020 #02 オンラインに感じるトポス
エディスト・クロニクル2020 #03 ハイパー・メディエーションに向かって
Back Number 2019クロニクル
後藤由加里
編集的先達:石内都
NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!
学長 田中優子が人生で初めて男の着物を見立てることになった。しかも、その相手は林頭 吉村堅樹である。 事の発端は7月某日、学内会議中に優子学長が突然切り出した。「吉村さんは着物を着た方がいいと思うの」。 […]
2024年8月12日、イシス編集学校校長の松岡正剛が逝去した。エディスト編集部では、直後に約1カ月にわたる追悼コラム連載を実施。編集学校内外から多数寄せられた松岡校長の面影は、1年経ってもなお鮮明だ。まるでその存在が読む […]
写真家研究とモンタージュで写真を深める【倶楽部撮家:25秋募集】
倶楽部撮家 第2期生募集! 多読アレゴリア「倶楽部撮家」の第2期目は、「写真家研究」と「モンタージュ」を楽しみます。第1期目の夏シーズンは、自身の幼な心を起点にして、まずはシャッターを押してみることを試みてきました。次 […]
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こまつ座「戦後”命”の三部作」の第一弾「父と暮せば」(井上ひさし作/鵜山仁演出)が現在公演中です。時空を超えて言葉を交わし合う父と娘の物語。こまつ座がライフワークとして大切な人をなくしたすべての […]
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コメント
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2025-09-09
空中戦で捉えた獲物(下)をメス(中)にプレゼントし、前脚二本だけで三匹分の重量を支えながら契りを交わすオドリバエのオス(上)。
豊かさをもたらす贈りものの母型は、私欲を満たすための釣り餌に少し似ている。
2025-09-04
「どろろ」や「リボンの騎士」など、ジェンダーを越境するテーマを好んで描いてきた手塚治虫が、ド直球で挑んだのが「MW(ムウ)」という作品。妖艶な美青年が悪逆の限りを尽くすピカレスクロマン。このときの手塚先生は完全にどうかしていて、リミッターの外れたどす黒い展開に、こちらの頭もクラクラしてきます。
2025-09-02
百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。