編集部イチオシSelection [2021年10月]

2021/10/25(月)09:30
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毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーたちから、見逃せない ”今月のイチオシ1本” をお届けします。遊刊エディストをさらに楽しむ「エディスト・セレクション」、どうぞ。

 

◎遊刊エディスト編集部◎ 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 梅澤奈央 師範、松原朋子 師範代

    • 1  川野’s イチオシ! 
    •      ─ 流麗な文章表現でPick!

 

⦿47[守]、名残りの「私たち」

を推します。守の学衆さんにとって全教室から見える「別院」って、教室に現れない、得体のしれない人が出てくるし、自分が発言するのはそれなりに勇気が要るところなんですよね。

47[守]はその別院への参加がとても盛んだったということで、そこへのいろんな学衆さんの発言や回答から一期の柄を描き出そうという意欲的な一本です。

引用して束ねて意味づけるっていう、王道の編集的手法が駆使されていて、三國師範のこれからの筆働きが大いに期待されます。

──川野 貴志

マツコ
マツコ
いよいよEdistデビューとなった三國師範、満を持しての登場です。”師範”のフィルターで見えてくる景色はまた学衆や師範代のそれとは異なるはず。三國師範に[守]をEdistしていただけること、これからも楽しみです♪
  • 2 マエストロ上杉’s イチオシ! uesugi
          ─ 応援ファンファーレでPick!

 

⦿涙の機能 47[守]卒門【77感門】

47守から師範ロールに抜擢された三國紹恵師範のデビュー記事であり、師範代の感門を寿ぐ師範からのメッセージのように読みました。感門之盟での師範代の涙はそれだけでグッとくるものがありますが、三國さんは涙に秘められた師範代一人ひとりの物語をひもとき、ともに期を並走してきた師範の視点から描きだしています。

この春の47[守]から師範に抜擢された三國さんは、期中にエディストへの執筆をスタートし、現在は師範や番匠に焦点をあてた連載を準備中とのこと。川野さんにつづいて推したい、今最も勢いのあるお一人です!──上杉 公志

マツコ
マツコ
はじめてEdistに連載をもつときは、いつも編集会議にお招きして、編集部メンバーと企画会議をするところからスタートするんですよね。その後は、[守]のバンキシャでもある上杉さんと三國さんが丁寧にここまで企画を検討してきてくださいました。

涙も笑いも、ともすると追いやられてしまう殺伐とした日常を過ごしている方は、イシスの卒門式を見ると驚きがかくせないかもしれませんね。世の中にある多くのものとメトリクスの異なる、いつも”別様”であり”例外”である編集学校ならではのいち場面を切り取っていただきました。

よっ!三國、二連発!

  • 梅澤’s イチオシ! 
          ─ キャラ立ちスコアでPick!

 

⦿イーてれのE【77感門】

 

ひと月まえは、あの感門がありました。オンラインとなりエボリューション目覚ましいしつらえに驚き、画面越しの知のエンターテイメントに沸き立ったあの2日間。エディストにもあのエモーショナルなリアルエディティングの様子が40記事以上にわたって刻印されています。

なかでも、丸洋子師範代によるこの艶なる文章は白眉でしょう。「イーてれのイーはEditCafeのE。だがじっと目を凝らすと折り畳まれていたさまざまな別様のEが綻んでくる」 イーてれの「E」というたった一文字の断点に注目して、そこから無数の鳩でも飛び立たせるように感門参加者のおもいを現出してみせる。丸師範代の手にかかると外来語でさえ、筆で扇にさらさらと書きつけたような嫋やかな表情を見せることに、ため息がやみません。

太田香保総匠が「あますところなく汲み取った名編集」と相好を崩した記事とあわせて、ゆっくり淹れた玉露とともに味わいたい名文でした。──梅澤 奈央

マツコ
マツコ
感門の残り香が再び。以前、編集部で田中優子さんをインタビューしたときのことが、思い出されました。本当にそれを感じる”丸文体”です。

マツコ’s Plus One 

 

”全身から出てくるものだから、文体って真似できないんです”  by 田中優子さん

 【新春企画★Quedist】田中優子さんインタビュー(3)[離]の学び:高速で仮止めの結論を出す

 

4 後藤’s イチオシ! 

  •      ─ この人のオシャレ心をまねびたいPick!

 

⦿着物のまにまに~時空センスの編集術 #5 二項バランスがすべて

 

「シンクロするのは心地良きこと」

この一言で全てが腹落ちした森山智子さんの「着物のまにまに#5」。

朝の占いが教えてくれるラッキーカラーや、験担ぎのパワーカラーもいいけど、季節に自分を同化させるという平安時代の方法の方が確かに心地が良さそうです。ではどうしたら心地良くなれるのか?続きは記事でお読みください。

長沢節は「キモノは自分をいつも唄っていたいような服」と書いていましたが、森山さんの連載シリーズはそれこそいつもハミングが聞こえてくるような軽やかさがあり、どこか風通しがよくなる気持ちがします。

最近すっかりおしゃれもご無沙汰になっている!そんな人にこそ読んでほしいシリーズ記事です。ワードローブの前で今日の服に悩む前に森山智子の「キモノ」にご注目を。── 後藤 由加里

マツコ
マツコ
かつて着物編集をテーマにエディットツアーもなさっていた森山さんです。Edistコラムの再開がうれしい!また色合わせのことを学んでみたいものですね。

マツコ’s Plus One🐶!

 着物のまにまに シリーズ 一気読み

 

        • 5 吉村林頭’s イチオシ! yoshimura
        •      ─ イシスの今をPick!

 

⦿「いきなり有事だわ~」――48[守]師範代、疾走開始

 

ジャイアンことエディストライター角山が48[守]では、師範として登板。「いきなり有事」を編集機会にした師範代、それを「有事」と捉えて即応記事に仕立てた。準備万端に加えて臨機応変の構えも併せて、速修スリーレディースが手ぐすね引いて待っている。応募締め切りは11月8日。詳細はこちらからどうぞ ── 吉村 堅樹

マツコ
マツコ
なんだか、熱いなぁ。48[守] 速修コースは胸アツコースに違いない!! それにしても、”角山師範代” から ”角山師範” に着替えた角山さんが、すでに師範が板についているようでホクホク。イシスっぽいシーンをたくさん魅せてくださることを、これからもお待ちしております。

 

マツコ’s Plus One🐶🐶🐶!

角山師範が師範代だったころ。

 シリーズ 一気読み! 新師範代登板記

 シリーズ 一気読み!! エディスト虎の穴・ジャイアン人物伝

 

みなさんのオシは、見つかりましたか?

以上、2021年9月の記事から、編集部イチオシ記事を厳選してお届けしました。
また次回もどうぞお楽しみに~

  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。