編集工学研究所には、文字化されていない松岡正剛校長の講演音源が大量に眠っている。書き起こし隊は、SNS伝奏連のブレストから生まれた。それをプロジェクトにまで発展させたのは福田恵美師範代だ。汁講、10[離]の同窓会、[遊]風韻講座の連句の座、あらゆる機会をとらえては声をかけ、有志を募った。
プロジェクト名はその名も蔵出し隊。校長の語りを文字にする。声に耳を澄ませ、指先でキーボードをたたく。何度も何度も音源を巻き戻す。そして、隊員同士の相互チェックを経て仕上げていく。
どうしても音と言葉が結びつかなかったところを他の隊員があっさり埋める。自分の世界の捉え方の死角に気がつくこともしばしばだ。
隊員がもっとも迷ったのは編集の加減。書き起こしただけでは伝わらない。声から文字になって失われるもの、文字になって付け加えられてしまうもの。松岡校長の話にどこまで隊員の編集が関与していいものか。編集の及ぼしている力の大きさを実感する。
こうして磨かれたお宝群は、「遊刊エディスト」でついに蔵出しとなる予定だ。
林 愛
編集的先達:山田詠美。日本語教師として香港に滞在経験もあるエディストライター。いまは主婦として、1歳の娘を編集工学的に観察することが日課になっている。千離衆、未知奥連所属。
みちの途中に行き止まり―和泉佳奈子師範代のさしかかる山々 未知奥トポス巡りⅥ
みちのくに縁のあるイシス編集学校メンバーの、記憶の最深部にあるトポスの物語を尋ねる「未知奥トポスめぐり」。今回は「編集学校の方法を知りたい」とこの秋に花伝所を放伝した、和泉佳奈子師範代のトポスを訪ねる。 […]
どうして蝉は7日で死ぬのだろう。雨はなにをもって落ちてくるのか。自分の中にある地図をつくってみたい。小学校に通った二条烏丸から松原烏丸までの市電で編集稽古していた「たくさんの僕」。少年時代からずっと、70年お題と格闘し […]
みちのく、道の、未知の奥 ゆけど遠のく、言の奥 分け入りてただ、奥へと歩く 【Playlist】未知の奥に分け入る10本 林愛選 一、【三冊筋プレス】道に迷いたい 物に入りたい(米川青馬 […]
多読ジムSPコース「大澤真幸を読む」の読了式で【冊匠賞】【多読ボード賞】【大澤真幸賞】の受賞者が発表された。冊匠賞は林愛さん、多読ボード賞は猪貝克浩さん、大澤真幸賞は梅澤光由さんが受賞した。大澤真幸賞の梅澤光由さんに続い […]
おもしろいつもりなんてない、ぼくはいつでもおおまじめだよ。 おかあさんはどうしてぼくをみてわらっているの? ヨシタケシンスケの絵本の男の子にそう聞かれているような気がして、『笑いの哲学』という本を手に […]