中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
 
                                                                                 
        
        
         
                         
                うまい棒のコンポタ味と特産品の寒天を使った最中で一息いれる。山根尚子師範がナビゲートするエディットツアー大阪はいよいよ後半へ。
視点を転ばす編集ワーク。2025年開催予定の大阪万博のパビリオンをプランニングする。「えっ…できるかな」。参加者のどよめきを山根師範は笑顔でふんわり包み、手際よく手順を説明していく。
材料となる情報は「今朝起きてから会場に来るまでにみたもの」。30個を目標にポストイットに書きだして収集する。まずは価格順。次に「嫌いな順」に並べ替える。
客観軸と主観軸で分類すると情報の見え方がずいぶん違ってくる。主観軸の上位3つを持ち寄り、編集思考素を用いて関係づける。ターゲットを定め、ひとつの企画に仕上げていく。
 45分間の自己編集と相互編集のすえ、4つの企画がこの世に生まれた。ツアーのフィナーレでは、グループごとに全員が前に出て、パビリオンのキャッチフレーズと狙いを語る。提出されたプランは以下の通り。
 ◆縦横無尽に未来を乗りこなす!
 魔法のじゅうたんのような乗り物が目玉のパビリオンで、ズボラで横着な人も動きたくなる。
 ◆THE(ザ)
 ただモノが置かれている。答え無し、押し付けのメッセージ無し、いつも追われている人に味わってほしい。
 ◆輪廻迷宮
 セミの抜け殻・突き刺さる日差し・リボンの騎士の三位一体から「コスプレ」というイメージが浮かんだ。性別を超える変身体験。
 ◆イラないステーション
 駅でのストレスで意気投合。改札機無しの改札を作ってみてはというアイデアをキャッチフレーズ化した。
情報を集めて、「型」を使って動かせば、あらゆることがプランニングのエンジンになる。初めて出会った人とインタースコアできる。ネガティブな情報だって変化を起こすきっかけにできる。
 余韻を味わうように、アンケートシートには多くの言葉が寄せられた。「何かに見立てると、日常が柔らかく見えてくることを実感できたので良かったです」(男性/大学生)、「仕事である表情筋トレーニングに取り入れたいと思いました」(女性/50代)「最初はなかなかアウトプットができず、練習が必要だと感じた」(女性/20代)。もう少し遊んでいたい。
                            
松井 路代
編集的先達:中島敦。2007年生の長男と独自のホームエデュケーション。オペラ好きの夫、小学生の娘と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。
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2025-10-29
 
                                                                                中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
2025-10-28
 
                                                                                松を食べ荒らす上に有毒なので徹底的に嫌われているマツカレハ。実は主に古い葉を食べ、地表に落とす糞が木の栄養になっている。「人間」にとっての大害虫も「地球」という舞台の上では愛おしい働き者に他ならない。
2025-10-20
 
                                                                                先人の見立て力にひれ伏すしかないと思って来た「墨流し」。戯れに、Chatさんに「蝶のスミナガシを別の見立てで改名するにはどんな名前がいいですか?」と尋ねてみて、瞬時に現れた名答に打ち拉がれております。