発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。

表舞台の数だけ裏側に物語がある。先に行われた20周年感門之盟では本楼や近大、大分・耶馬渓など列島各地にステージが設えられ、綺羅星のごとく多くのスターが登壇した。これだけではない。感門之盟にはもう一つ、オンラインの舞台があった。その裏側でどんなことが起きていたのか。初日(前編)・2日目(後編)に分けて紹介する。
* * *
「第74回イシス編集学校20周年感門之盟『Edit Japan2020』」チムドンドン、さあ、いよいよ開幕です!
9月20日、感門之盟当日。「イーてれ」からのアナウンスで、Zoomの「イーてれ放送局」前に座った人も多いのではないだろうか。
「イーてれ」は、リアルとオンラインのハイブリッドで行われた今年3月の感門之盟で誕生したメディアである。単に視聴するだけでなく、参加者にもその場にいるような感覚で感門をともに寿ぎたい。それを実現するために本楼と3つのオンラインメディアを多重多層につなぐロールも生まれた。
「イーてれ」は、Q出し担当の合図にあわせて、キャスターがステージで進行中のプログラムに関する情報をEditCafeからリアルタイムで配信する。登壇者のプロフィールや校長から師範代に贈られる先達文庫等のアーカイブ機能も担っている。Zoomにはチャット番が張り付き、参加者のコメントを促し、反応には軽やかに応答する。ステージ上のトピックは、ライターがその場で記事にし、鮮度抜群の状態で遊刊エディストに公開される。イーてれ、放送局(Zoom)、エディスト3つのメディアが三位一体で機能し、感門之盟は唯一無二の場となる。
●連戦練磨の師範代も緊張する!?
20周年の今回は、「イーてれ」キャスターとZoomチャット番ロールを「ISIS FESTA エディットツアースペシャル 2020夏」の各地域主催メンバー(当地在住やゆかりのある師範代・師範)が担った。
初日担当は、南国、未知奥連、九天玄氣組の10人。メンバーが顔合わせをして、実際に動き出したのは本番5日前。LINEグループを作り、台本(千手観音のように艶やかにポリロールをこなす編集工学研究所・衣笠純子師範代執筆!)をもとにチーム内で配信の順番を決める。ロールとルールが仮留され、前日の19日には、LINEに出るQサインに合わせてEditCafeからの配信リハーサルも行った。みな師範代・師範経験者なのだが、「守の師範代として初指南を出した時と同じくらい緊張した」とロールの責任の重さを改めて実感した。
●イーてれのひみつ
キャスター氏名に続く「@南国」「@未知奥連」「@九天」など地域名は、申し合わせたわけではなく、互いのリハーサルを見て、自然と共通のシグとなった。良いと思ったものは互いに模倣する。こんなところにも編集学校ならではの「まねび」が息づいている。
さて、キャスターは各地に散らばっているのにどうやって現場の状況を確認したのか不思議に思う方もいるだろう。実は、ここに「イーてれ」の肝心要のロールが存在する。それが本楼でスタンバイするQ出し担当だ。初日は豊田香絵(師範代)が担った。
Q出し担当は、刻一刻と変わるステージの状況にあわせて、次のQのタイミングを測る。それらを素早くLINEに流し、舞台裏の情報をオンラインのキャスターと共有する。進行に遅れが出ることもイレギュラーな対応を求められることもある。台本通りに進むとは限らない。例えば、九天玄氣組が担当する夕方以降のプログラムではQ出しのタイミングが変則に。
★★★
しみずみなこ
編集的先達:宮尾登美子。さわやかな土佐っぽ、男前なロマンチストの花伝師範。ピラティスでインナーマッスルを鍛えたり、一昼夜歩き続ける大会で40キロを踏破したりする身体派でもある。感門司会もつとめた。
【イシス祭レポ@沖縄&高知】たくさんの南国ミメロギア、なんごくさま降臨?!
●画面の向こうは南国だった。 ログインすると沖縄の大綱引きと高知のよさこい祭りの映像が交互に流れ、祭りが始まる高揚感が満ちている。かりゆしウェアの真武信一(師範)・渡會眞澄(師範)・萩原雄三(師範 […]
【イシス祭@沖縄&高知】黒潮にのって南国ミメロギア、夏はまだまだ終わらない!
みなさん! 突然ですが、クイズです。 下の二つの言葉をつなぐものは何か考えてみましょう。 <本部(もとぶ)>と<中土佐>。 前者は沖縄北部の、後者は高知中西部の海 […]
六十四編集技法【20結合(combination)】ないものかけ算
イシス編集学校には「六十四編集技法」という一覧がある。ここには認識や思考、記憶や表現のしかたなど、私たちが毎日アタマの中で行っている編集方法が網羅されている。それを一つずつ取り上げて、日々の暮らしに落とし […]
六十四編集技法【09原型(metamatrix)】それでも、変わらない
イシス編集学校には「六十四編集技法」という一覧がある。ここには認識や思考、記憶や表現のしかたなど、私たちが毎日アタマの中で行っている編集方法が網羅されている。それを一つずつ取り上げて、日々の暮らしに落とし込んで紹介した […]
六十四編集技法【43補加(append)】エヘン、エヘン。マスクぜよ。
イシス編集学校には「六十四編集技法」という一覧がある。ここには認識や思考、記憶や表現のしかたなど、私たちが毎日アタマの中で行っている編集方法が網羅されている。それを一つずつ取り上げて、日々の暮らしに落とし込んで紹介した […]
コメント
1~3件/3件
2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。
2025-06-30
エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。
2025-06-28
ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。