『キャラ者』は、”マンガ家”だった頃の江口寿史の、(まとまった作品としては)ほぼ最後の仕事。恐るべきクオリティの高さで、この才能が封印されてしまったのはもったいない。
「来年こそはマンガ家に戻ります!」と言ったのは、2016年の本の帯(『江口寿史KING OF POP SideB』)。そろそろ「来年」が来てもいいだろう。

感門之盟が始まり、REMIXとは何だろう?と皆が思っている時、松岡校長が壇上に静かに上がる。少し痩せられたように感じる。体調は大丈夫だろうか?ずっと待ちわびた言葉が厳かに語られ始めると、私の懸念は払拭された。
ISISとは楽しみながらREMIXする述語である
感門之盟は黒膜衆・裏方・感門団によって運営され、皆がポリロールを担いロールがREMIXされている。利潤はないらしい。そこまでして皆が集まるのは、編集学校が痛快だからにちがいない。
世界歴史奥義伝
校長はウクライナ問題に触れ、世界史が失われていることを嘆く。世界史はいわゆる4大文明の地で動いているのではなく、もともと紅海・黒海・ベンガル湾に囲まれた地域を中心に回っている。その事実が忘れられ、アメリカ・EU・ソ連に好き勝手にされている。
また今回COVID19により我々がウィルスと共に暮らしていることが再認識された。カミュの「ペスト」等で我々は知っていたはずなのに。ズーノーシスの世界史が失われている。21世紀は微生物から生物史中心に回るだろう。今こそ世界史と生物史を結びつけなければならない。そこに編集技法が必要で、REMIXが大事である。
マラルメの骰子を振る
編集技法にカットアップがある。様々な情報を一旦バラバラにし、再度編集する。そこに偶然性を入り込ませる。それがマラルメの骰子を振るということである。これがREMIXなのだと強調した。聴衆に静かな熱気が伝わっていく。
世界史を再魔術化
最近のメディアからは色々な情報が溢れ落ちている。昔フランスのカタログで全ての分類を傘を用いて行なっていた。哲学や思想等さまざまなジャンルをこのように集めて、分けて、仕組んで、伝えても良いのでは?と問いかける。こういう編集の為に[守]の38のお題があるのだ。情報は単に拡散するだけではダメで、組み合わせてアソシエイトしないといけない。失われた世界史を取り戻すために、伝達の不可能性を超えて表象することだ。世界史を再魔術化するのだ!
いざ世界読書奥義伝へ
今回感門之盟で体験したことをそのままにしないでremindしないといけない。校長は最後に、そう強調された。想起して編集することの大切さを述べている。松岡校長の思いが伝わってきた。コロナや戦争で世界・日本・人々が分断されてしまった。私は世界に散らばる切実をremindし、編集の力で繋ぎ合わせていこうと考えている。「離」に進む決心がついた。
▲自宅の本棚のワンショット。真っ赤な千夜千冊全集や、千夜千冊エディション、大澤真幸氏による『〈世界史〉の哲学』が積まれている。
文:松林昌平(47[破]泉カミーノ教室)
編集:師範代 山口イズミ、師範 新井陽大(47[破]泉カミーノ教室)
撮影:上杉公志(エディスト編集部)
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-10-15
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「来年こそはマンガ家に戻ります!」と言ったのは、2016年の本の帯(『江口寿史KING OF POP SideB』)。そろそろ「来年」が来てもいいだろう。
2025-10-14
ホオズキカメムシにとってのホオズキは美味しいジュースが吸える楽園であり、ホオズキにとってのホオズキカメムシは血を横取りする敵対者。生きものたちは自他の実体など与り知らず、意味の世界で共鳴し続けている。
2025-10-07
「ピキッ」という微かな音とともに蛹に一筋の亀裂が入り、虫の命の完結編が開幕する。
美味しい葉っぱをもりもり食べていた自分を置き去りにして天空に舞い上がり、自由自在に飛び回る蝶の“初心”って、いったい…。