「牛首紬の工房へ見学に行ってきます!」
◆石川の編集は牛首村にあり
ナビゲーターの中川将志(44[守]師範代)が「金沢の編集」と聞いて注意のカーソルを向けたのは、石川県白山市白峰(旧牛首村)の牛首紬である。大島紬(鹿児島)、結城紬(茨城)と並んで、日本三大紬と言われるが、稀少すぎて見たり触れたりする機会が極端に少ない。中川は工房で繭を手に取り、江戸時代からの歴史を聞いて、ここに石川の編集、金沢のらしさがあることを確信した。
雪深い牛首村は農耕に向かず、養蚕で生計を立てるしかなかった。そして繭全体の2-3%は、二頭の蚕からなる玉繭(たままゆ)だった。通常、絹糸は繭から1本を引き出すが、玉繭は2本の糸が複雑に絡み合っている。そのため機械では製糸できず、繭を熱湯で煮込んでいるところから直接手で紡ぐという方法をとっている。生地には、ところどころ節ができて、残念ながら売り物にはならない。それを日常着にしていたのが牛首紬だ。
◆編集は不足から生まれた
不足だらけだった質素な紬の特徴は、いつの日か全てが魅力に転じた。稀少で、丈夫でありながら絹の光沢もある、牛首紬という高級品になったのだ。この物語に惚れ込んだ中川は、イシス祭の最後のワークにネーミング編集を選んだ。
◆ワタシに新しい名前をつけてください!
「牛首紬」は、産地がそのまま名前になったもの。この縞模様、蚕の特徴、土地のらしさ、などから想像を膨らませて、新しいネーミングをしましょう。
参加者からはニューネームが次々に飛び出した。
・真夏のレインボー(青のグラデーションが涼しげ)
・鯉の滝登り(縁起も良さそう)
・荒波(日本海っぽく)
・真実の紬(まっすぐな柄は一途さを現わす)
・蒼い流星(夜空の流れ星に見立てた)
・青瀧紬(瀧のように勢いよく)
・遡上紬(日常着が高級品になった下克上を現わした)
・スリムパジャマ(普段着を現代風に)
・朧瑠璃(波の層がオボロ昆布に似て、ボロの意味も)
・功紬(青い木のように見えて、青木功さんを連想)
最後はダジャレになってしまったが、牛首紬の慎ましさや美しさが現れた名前たちに中川は満足げだ。
実は、牛首紬の青い縞模様は、鰹の体色に似ていることから鰹縞と呼ばれている。私は、魚のシソーラスにもなっている「遡上紬」に一票を入れたい。
八田英子
大会社DNPの高給を袖に、編集工学を世界に広めるために編集工学研究所入所、のちに後悔(嘘)。不適な笑みを湛えながら、問答無用でばさばさと人を斬りまくる。目標は芳村真理。
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