『キャラ者』は、”マンガ家”だった頃の江口寿史の、(まとまった作品としては)ほぼ最後の仕事。恐るべきクオリティの高さで、この才能が封印されてしまったのはもったいない。
「来年こそはマンガ家に戻ります!」と言ったのは、2016年の本の帯(『江口寿史KING OF POP SideB』)。そろそろ「来年」が来てもいいだろう。

乾いた風とまぶしい太陽が照る冬の石垣島、心地よい季節でも28℃。海の玄関「離島ターミナル」から徒歩5分の距離にあるアートホテル石垣島にて『島とデザイン』をテーマにETSが開催された。
最上階のスカイラウンジ@カプリコン、ここは島内随一の高さを誇る抜群の180℃シティビュー。ここに高校生から学校教員、旅行者からジュエリーデザイナー、離学衆からサーファーまで2日間にわたり総勢21名の様々な顔ぶれの参加者が集い、師範代2名とサポーターとともに、和やかで濃密な編集時間を共有した。
なんといっても告知手段は「口コミ」。編集学校を知らない現地メンバーに集客を託す形での開催で、教育機会の提供と発見的な場づくりにチャレンジする編集による「地」おこし第一回は、主催側の心配をよそに、狙いに沿った面々と沖縄文脈では語れない、八重山らしさを知る大変貴重な時間となった。
しつらいは「石垣島ゆがふ国際映画祭」の特大バナーに、世界で活躍中のテキスタイルデザイナー・鈴木マサルさんによる詩的キービジュアル。
アートホテル石垣島ホテルライブラリー所蔵の50冊に加え松岡校長関連本と、アジアや岡本太郎や漫画たちもがカウンターに縦に横にとギャラリー風に並べられ、セレクトショップのような空間演出を試みた。
本年11月開催予定の「国際映画祭」、「ホテル」トポスは今回インターアクターを務めた平野の主戦場、ここに持ち込んだのは「編集」を軸にした言わば『文化創造プラットホーム』の醸成で、ヒト・モノ・コトを揃えるための場づくりでもあった。この夏、完成を迎えるフサキビーチリゾートホテル&ヴィラズの開発秘話も織り交ぜながら、新規レストランの琉球チャイニーズ店舗、シーレーンをコンセプトに活かした話や「モンスーンアジア」の海路地図をメニュー構成に織り交ぜた「編集」の視点も共有しながら編集ワークショップを行う。
地を動かすための実施ワークは4つ。ウォーミングアップで五感を駆使して挑む参加者たちの姿は「大人の学校」を感じさせ、高校生には大いなる刺激となった。
まずは「見立て」を使った自己紹介。続いて自分と本を重ね合わせて、アイダを「らしさ」でつないでいく。後半は「ないものフィルター」と「地と図」を駆使して、いつもと異なる視点で島を俯瞰し、参加者同士の対話も会話も温まった終盤で「2冊+1」で「新しい学校」を構想する。「多肉植物の学校」「愛され方を学ぶ学校」「一年中花がある場所はドライフラワーと生花で涸れを考える学校」といった美術館ともリトリートともいえそうな様々な顔をした学校が提案された。
「編集」という見方を持ち込んだことによって「考え」や「感性」が可視化されたというコメントも多数寄せられ、2日間のETSは熱風を抱き込みながら終幕した。
written by 平野しのぶ
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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