木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。
3月20日、カメラを片手に、本楼を所狭しと動き回っていたのは、赤い水玉模様の布を身につけた野住智惠子だった。45[守]すみれの花咲く教室師範代にして、14[離]を終えたあの野住である。
野住は今回の第78回感門之盟で、サポートスタッフ「感門団」に立候補し、この日をカメラマンとして迎えたのだった。
今期の感門団は総勢28名。他のロールとの兼務も多く、例えば48[守]からは、畑本ヒロノブ師範代や嶋本昌子師範が感門団としても参加している。時と場に応じてロールを着替えるのもイシスの特徴だ。感門団には、[守]学衆でも参加できる。
野住はその感門団のひとりだった。本楼でのしなやかな動きと絶えない笑みは、野住が元女優であることを証明していた。
――感門の裏方ですか。大変ですね。
野住「いいえ、楽しいですよ。こうやってロールをいただけたから、私はイキイキとしてられるんです。ロールがあるから私の居場所がある」
翌21日、野住は新たなロールを授かった。
春に開講する49[守]、男装いとをかし教室の師範代だ。師範代というロールは、野住を輝かす舞台なのだろう。
いや、そういうと野住は否定するに違いない。
輝くのは私ではなく、学衆である、と。
49[守]は、4月25日に開講する。
▲野住師範代(左)と、学衆として45[守]すみれの花咲く教室で学んだ小椋加奈子師範代。今回の感門がリアルでの初対面だった。小椋の板付Bダッシュ教室は、48[守]の中でもとりわけ活発な教室で全員卒門を果たした。小椋は教室という舞台で常に凛と振る舞った。これも野住から受け継いだミームか。今春、小椋は48[破]師範代のロールを担う。
撮影/嶋本昌子
角山祥道
編集的先達:藤井聡太。「松岡正剛と同じ土俵に立つ」と宣言。花伝所では常に先頭を走り感門では代表挨拶。師範代登板と同時にエディストで連載を始めた前代未聞のプロライター。ISISをさらに複雑系(うずうず)にする異端児。角山が指南する「俺の編集力チェック(無料)」受付中。https://qe.isis.ne.jp/index/kakuyama
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コメント
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