イシス子どもフィールドオープン!

2021/04/13(火)09:32
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 4月10日午後3時、イシス編集学校のエディット・カフェに新しいラウンジ「イシス子どもフィールド」が誕生した。
 フィールドは、イシス子ども編集学校のいわば「庭」。イメージは、広々とした風吹き抜ける芝生の広場である。
 いろいろな編集遊び道具で、大人も子どもがまざって遊ぶことができる。「このお題をやってみたらこんな言葉が飛び出してきた」とメンバーどうしが「知ったら知らせる」ことができる。
 広場の傍らに大きな木がある。木陰にはベンチがあって、「子ども」と「育ち」と「編集」について交し合うことができる。
 少し離れたところには、それぞれの場所での子ども編集学校的活動の実験が発信できる小屋が立っている。
 ここでの遊びが、子ども編集学校の「土台」であり、子ども達の編集力が育つ「苗代」になっていく。

 運営の子ども支局に名乗りをあげたのは、発起人の松井路代、吉野陽子のほか、上原悦子、浦澤美穂、得原藍、神尾美由紀、景山卓也、長島順子とこれまでワークショップ等の企画やナビゲーターを経験してきた編集かあさん、編集とうさんたちで、「大きな木」として学林局の佐々木千佳局長が見守る。

子ども支局メンバー。左上から時計回りに、神尾美由紀、長島順子、景山卓也、

上原悦子、得原藍、浦澤美穂、吉野陽子、松井路代

 

フィールド運営において、イシス編集学校初が5つある。

1.まわりと一緒に、親子や家族で、お題ができること
2.お題を届ける人が一人じゃないこと
3.お題を出す人と回答をキャッチする人がちがうこと
4.回答が言葉以外のこともあること
5.お題のアレンジ歓迎であること

 オープンの呼びかけに、60人を超える卒門、突破生、放伝生、師範、師範代が集まった。点呼では「何がおこるかわからないから」というひとことがいくつも届いた。「未知」に出会うことが恐れられ、あらゆる活動が縮みがちな2021年だが、イシスは違う。
 既に図書館、学童保育の場でのワークショップや中学校や高校での特別授業として動き出しているイシス子ども編集学校だが、フィールドでミームが伝染していくことで、それぞれの家庭や地域が「子ども編集学校化」していく可能性を大いに感じる初日だった。

 

  • 松井 路代

    編集的先達:中島敦。2007年生の長男と独自のホームエデュケーション。オペラ好きの夫、小学生の娘と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。

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コメント

1~3件/3件

川邊透

2025-06-30

エディストの検索窓に「イモムシ」と打ってみたら、サムネイルにイモムシが登場しているこちらの記事に行き当たりました。
家庭菜園の野菜に引き寄せられてやって来る「マレビト」害虫たちとの攻防を、確かな観察眼で描いておられます。
せっかくなので登場しているイモムシたちの素性をご紹介しますと、アイキャッチ画像のサトイモにとまる「夜行列車」はセスジスズメ(スズメガ科)中齢幼虫、「少し枯れたナガイモの葉にそっくり」なのは、きっと、キイロスズメ(同科)の褐色型終齢幼虫です。
 
添付写真は、文中で目の敵にされているヨトウムシ(種名ヨトウガ(ヤガ科)の幼虫の俗称)ですが、エンドウ、ネギどころか、有毒のクンシラン(キョウチクトウ科)の分厚い葉をもりもり食べていて驚きました。なんと逞しいことでしょう。そして・・・ 何と可愛らしいことでしょう!
イモムシでもゴキブリでもヌスビトハギでもパンにはえた青カビでも何でもいいのですが、ヴィランなものたちのどれかに、一度、スマホレンズを向けてみてください。「この癪に触る生き物をなるべく魅力的に撮ってやろう」と企みながら。すると、不思議なことに、たちまち心の軸が傾き始めて、スキもキライも混沌としてしまいますよ。
 
エディスト・アーカイブは、未知のお宝が無限に眠る別銀河。ワードさばきひとつでお宝候補をプレゼンしてくれる検索窓は、エディスト界の「どこでもドア」的存在ですね。

堀江純一

2025-06-28

ものづくりにからめて、最近刊行されたマンガ作品を一つご紹介。
山本棗『透鏡の先、きみが笑った』(秋田書店)
この作品の中で語られるのは眼鏡職人と音楽家。ともに制作(ボイエーシス)にかかわる人々だ。制作には技術(テクネ―)が伴う。それは自分との対話であると同時に、外部との対話でもある。
お客様はわがままだ。どんな矢が飛んでくるかわからない。ほんの小さな一言が大きな打撃になることもある。
深く傷ついた人の心を結果的に救ったのは、同じく技術に裏打ちされた信念を持つ者のみが発せられる言葉だった。たとえ分野は違えども、テクネ―に信を置く者だけが通じ合える世界があるのだ。

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。