飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。

いま、<多読ジム>は夏まっさかりのseason03。現在進行中のお題「エディション読み」は、『千夜千冊エディション』(角川ソフィア)の1冊を100人ほどの全読衆で共読する。その今シーズンの課題本が真夏の8月にピッタリの『理科の教室』なのである。
読衆たちは、かつて少年少女の瞳にうつった理科の教室の風景や生きものたちの不思議な手触り、ロウソクやマッチの火を消した後に漂うあの独特の匂いなどなどそれぞれ懐かしい記憶をたぐり寄せながら、したたる汗に目もくれず、なつやすみ気分にひたっている。むろん夏バテ組もいるけれど、幼なごころを取り戻そうとするその気さえ起こせば、いつだって”毎日が夏休み”だ。
<多読ジム>のカリキュラムは、1か月目に「ブッククエスト」、2か月目は「エディション読み」、3か月目には「三冊筋プレス」が待っている。「三冊筋プレス」はまず、選本テーマにそって3冊のバーベル本を選ぶ。そして4週間かけて、それらの本の内容を要約したり、3冊のセイゴオ知文術を書いていく。
「season01・冬」の選本テーマは「数寄をつなげて広げて」、前季の「season02・春」は「チャレンジする」。この「チャレンジする」では、未知のジャンル、苦手な著者、過去に読もうとして挫折した「つまづき本」をはじめ、興味や好奇心にもとづいて、新たな読書にまさに挑戦した。season01同様、season02の三冊筋エッセイも「遊刊エディスト」で十作ほどピックアップして紹介する。
さらにseason02バージョンは三冊筋エッセイだけでなく、3冊セットで本の推薦文を書く「三冊屋レコメンド」もいくつかとりあげる。三冊屋のテーマは「コロナ時代のエディット・ライフ」。三冊屋も三冊筋も全カバーデザインは穂積晴明。タイトルのラインナップは以下のとおり、どうぞお楽しみに。
【三冊屋レコメンド】
◉時間を手放すための3冊(田中優子)
◉<生命>が時代の理念となるとき(中原洋子)
◉コロナの次代を切り拓くために(大塚宏)
◉「見る」という術(田中泰子)
◉落下するマダニ 転移する琵琶法師(高木洋子)
◉ウイルスまみれのわたしに(小倉加奈子)
【三冊筋プレス】
◉理不尽な共生論(小倉加奈子)
◉うたかたの歌語り継ぐ夢ピアノ(細田陽子)
◉アリストテレスの子供たち(戸田由香)
◉英雄物語が僕らを悪から救う?(米川青馬)
◉アバターを育む読書の旅(福澤美穂子)
◉記憶多様化・読書世界(寺田充宏)
◉万法すすみて時を手放す(田中優子)
◉スマホを置いて町にでてみよう(鈴木哲也)
◉負のエントロピーが生む想像力(小路千広)
◉偏愛、万歳!(小濱有紀子)
◉プルーストを読み通す方法(松井路代)
◉黄色い本 セイゴオ・Mという名の先生(金宗代)
金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:宮崎滔天
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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コメント
1~3件/3件
2025-08-16
飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。
2025-08-14
戦争を語るのはたしかにムズイ。LEGEND50の作家では、水木しげる、松本零士、かわぐちかいじ、安彦良和などが戦争をガッツリ語った作品を描いていた。
しかしマンガならではのやり方で、意外な角度から戦争を語った作品がある。
いしいひさいち『鏡の国の戦争』
戦争マンガの最極北にして最高峰。しかもそれがギャグマンガなのである。いしいひさいち恐るべし。
2025-08-12
超大型巨人に変態したり、背中に千夜をしょってみたり、菩薩になってアルカイックスマイルを決めてみたり。
たくさんのあなたが一千万の涼風になって吹きわたる。お釈迦さまやプラトンや、世阿弥たちと肩組みながら。