私の28[花]キャンプは、吉阪隆正の建築思想【不連続統一体】の体験だった。場面ごとに異なる空間が次々と立ち現われてくる。よく分からないままに一周すると、ようやく建物を貫く原理のようなものが見えてくる。この「遅れて」やってくる全体性がたまらなかった。

「ラベルの付け方を再考してみました」「師範代に再チャレンジしても良いとのお言葉をいただきましたので」と007番で初の再回答が八段プラモデル教室に届いた。守稽古の007番は「ラベリング・トラベリング」。40種類の食材に自由な分類軸を立て「2つ」と「3つ」に分類してみる稽古だ。学衆たちは四苦八苦して分類軸を見つけて回答するが、あれでよかったのだろうかと後ろ髪を引かれるお題である。
遠慮がちな再回答に、八段プラモデル教室師範代の小松原一樹は、歓喜と共に早速再指南を届けた。と同時に、学衆の一人から「こういうふうに考え直すといいんだあと学びました。すごいです。ありがとうございました。」と喝采があがった。
教室という場で起きるあらゆることが、集った面々の体験となる。師範代が一人の学衆に放つ指南は、教室の全員への指南であり、一人の学衆によって放たれたどんな言葉も、教室全員の学びとなっていく。
「Hさんのお稽古がすばらしいです!わーこんなにいろいろ!と、
驚きでした。」
「前回のお題はとても勉強になりました。わからないこと、とか、
これから考えてみたいこととか、そういうものとの出会いは
いいですね。」
「他の方の回答を拝見して、私の頭の中にはない分類軸だったので
人が出るなあと改めて思いました。」
回答と共に感想の交わし合いと再チャレンジが止まらない。異なるバックグラウンド背負って、教室に集った学衆たちの境目がなくなり、新しい輪が出来上がる様は、まるで夏祭りの盆踊りのようだ。
奇しくも49[守]は、講座全体で盛り上がるお祭り、番ボーに差しかかっている。小松原師範代の「祭りだ!祭りだぁ!」の声に焚きつけられて、学衆たちは喜び勇んで彩回答へと向かっていく。
阿曽祐子
編集的先達:小熊英二。ふわふわと漂うようなつかみどころのなさと骨太の行動力と冒険心。相矛盾する異星人ぽさは5つの小中に通った少女時代に培われた。今も比叡山と空を眺めながら街を歩き回っているらしい。 「阿曽祐子の編集力チェック」受付中 https://qe.isis.ne.jp/index/aso
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コメント
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2025-07-03
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2025-07-02
連想をひろげて、こちらのキャビアはどうだろう?その名も『フィンガーライム』という柑橘。別名『キャ
ビアライム』ともいう。詰まっているのは見立てだけじゃない。キャビアのようなさじょう(果肉のつぶつぶ)もだ。外皮を指でぐっと押すと、にょろにょろと面白いように出てくる。
山椒と見紛うほどの芳香に驚く。スパークリングに浮かべると、まるで宇宙に散った綺羅星のよう。
2025-07-01
発声の先達、赤ん坊や虫や鳥に憑依してボイトレしたくなりました。
写真は、お尻フリフリしながら演奏する全身楽器のミンミンゼミ。思いがけず季節に先を越されたセミの幼虫たちも、そろそろ地表に出てくる頃ですね。