自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
本の市場、本の劇場、本の祭典、開幕!
豪徳寺・ISIS館本楼にて11月23日、24日、本の風が起こる<別典祭>(べってんさい)。
松岡正剛、曰く「本は歴史であって盗賊だ。本は友人で、宿敵で、恋人である。本は逆上にも共感にも、羨望にも失望にもなる」。
そんな本の可能性を展くのは、多読アレゴリアの16クラブ。
本が、写真や着物と交わり、ゲームにも大河ドラマにもなり、沖縄へ鎌倉へ軽井沢へ旅する。
6万冊の本楼+ISIS館での、本のお祭り<別典祭>その様子をちらりとご紹介します。
小田急線豪徳寺駅前には招き猫がいる。
左を目指せばゾロリと招き猫が待つ豪徳寺。右を目指せばずらりと6万冊の本が待つ編集工学研究所ブックサロンスペース「本楼」だ。
11月23日午後1時、別典祭が開幕した。本の可能性を探究する多読アレゴリアの16倶楽部が一堂に会し、この一年のみのりを披露するイシス編集学校初めてのお祭りだ。
お祭りといえばお楽しみは屋台である。かつてお面や射的、金魚すくいに興じた幼き日のわくわくを再現すべく、各倶楽部が練りあげた仕掛けに、あちらこちらから歓声があがっている二日通しプログラムの様子を覗いてみよう。
<井寸房>
まず一句 百人連句で 江戸気分
受付すぐ横の<EDO風狂連>「書置俳諧百人連句」で一句ひねってみよう。参加者には楽しいお土産付。
1階から2階の階段脇の本棚をゆっくり見ることができるのもお祭りならでは。
<壱の間>
「本市福袋」で運試し
ぐるりと本に囲まれた二階右手の壱の間には、さらなる本やグッズが満載。古本市もゲーム感覚で。「本市福袋」ではおみくじを引いてこれから読む本の運試し。
そのお悩み、本で解決します「本の相談室」
本の相談室では、本の目利きブックエディターディターがあなたのお悩みに効くお守り本を処方しています。
<弐の間>
懐かしい?新鮮?遊びで親子の対話もはずみます
よみかき探Qクラブ「駄菓子とゲームの遊房」では、昔懐かし抜き型やルービックキューブなどなど親子で楽しめる遊び道具も。子ども達も興味津々。時々ここにべらぼうな辻説法が出没するらしい。
<参の間>
ゲームで遊びながらがんの知識が学べるなんて!
Medit Lab for ISISコーナーでは、医療ゲーム「バナオーマ」を遊ぶことができる。
がんの知識を学べるすぐれもので、大人も子どもも思わず夢中に。
新刊『細胞を間近で見たらすごかった』(ちくま新書)の著者小倉加奈子さんも常駐しています。
子どもから大人まで楽しめる本の収穫祭は、24日も11時30分から開場する。
3連休の最終日、豪徳寺駅を降りたら右に曲がってそこからまっすぐ本楼へ!

開会式の締めでは大音冊匠が参加者全員にホンキアイを注入。
イシス編集学校「別典祭」(べってんさい)」開催概要
会場:編集工学研究所ブックサロンスペース「本楼」
(最寄駅:小田急線 豪徳寺駅、東急世田谷線山下駅より徒歩7分)
〒156-0044 東京都世田谷区赤堤2丁目15番3号
https://www.eel.co.jp/about/company
日程:2025年11月23日(日)・24日(月・祝)
チケット(2日間有効):一般の方無料。イシス編集学校受講生は1500円。
申込方法:以下URLからお申し込みください。
https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2025bettensai
プログラム:
【1日目プログラム 11/23(日)】
12:30 開場
13:00 開会宣言
14:00-15:00 ほんのれんクラブ|ほんのれんラジオLIVE
16:00-17:00 着物コンパ倶楽部|黒留袖ファッションショー
18:00-19:30 武邑光裕|トークイベント
19:30 挨拶
【2日目プログラム 11/24(月祝)】
11:30 開場
12:30-13:30 千夜千冊パラダイス|おっかけ千夜千冊ファンクラブSP Live
14:00-16:00 MeditLab|米光一成 × 小倉加奈子トーク&ゲームプレイ
16:30-18:00 田中優子学長|酒上夕書斎SP
18:00 閉会挨拶
【2日間通しプログラム(11/23-24)】
・終活読書★四門堂 × 多読ジムClassic × 大河ばっか!|古本市
・EDO風狂連|100人連句
・軽井沢別想フロンティア|「浅羽米」販売
・OUTLYING CLUB|武邑光裕式パネル展示
・よみかき探Qクラブ|あそびコーナー
・倶楽部撮家|写真展示
細田陽子
編集的先達:上橋菜穂子。綿密なプランニングで[守]師範代として学衆を全員卒門に導いた元地方公務員。[離]学衆、[破]師範代と歩み続け、今は物語講座&多読アレゴリアと絵本の自主製作に遊ぶ。ならぬ鐘のその先へ編集道の旅はまだまだ続く。
本の市場、本の劇場、本の祭典、開幕! 豪徳寺・ISIS館本楼にて11月23日、24日、本の風が起こる<別典祭>(べってんさい)。 松岡正剛、曰く「本は歴史であって盗賊だ。本は友人で、宿敵で、恋人である。本は逆上にも共感に […]
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コメント
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2025-11-18
自ら編み上げた携帯巣の中で暮らすツマグロフトメイガの幼虫。時おり顔を覗かせてはコナラの葉を齧る。共に学び合う同志もなく、拠り所となる編み図もなく、己の排泄物のみを材料にして小さな虫の一生を紡いでいく。
2025-11-13
夜行列車に乗り込んだ一人のハードボイルド風の男。この男は、今しがた買い込んだ400円の幕の内弁当をどのような順序で食べるべきかで悩んでいる。失敗は許されない!これは持てる知力の全てをかけた総力戦なのだ!!
泉昌之のデビュー短篇「夜行」(初出1981年「ガロ」)は、ふだん私たちが経験している些末なこだわりを拡大して見せて笑いを取った。のちにこれが「グルメマンガ」の一変種である「食通マンガ」という巨大ジャンルを形成することになるとは誰も知らない。
(※大ヒットした「孤独のグルメ」の原作者は「泉昌之」コンビの一人、久住昌之)
2025-11-11
木々が色づきを増すこの季節、日当たりがよくて展望の利く場所で、いつまでも日光浴するバッタをたまに見かける。日々の生き残り競争からしばし解放された彼らのことをこれからは「楽康バッタ」と呼ぶことにしよう。