守破に新ロール誕生! 奴らがSCOOPを狙っている!

2021/04/25(日)10:00
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 ベールがまた一枚剥がされる。2015年『インタースコア』発刊、守破離のプログラムの一部が明るみに。2019年「遊刊エディスト」開始、イシスの日常がニュースになった。そして2021年、[守][破]に「番記者」が誕生する。
 
 「番記者」というのは元々は有力な政治家に密着して取材する新聞記者のことだ。今は虎番やドラ番などというように、スポーツチームの番記者まで呼称は広がっている。イシスでは守破離の中でも特に新たなドラマが生まれる[守][破]に注目して、守番記者、破番記者がそれぞれ今季から生まれることになった。講座に同行しつつ、すべての教室に目配りしながら、獲物を狙うような目また菩薩のように慈しむ目でエディストスクープを狙っている。
 
 その二人とは守番記者の上杉公志、破番記者の梅澤奈央。上杉はエディスト編集部当初からのメンバーで、エディストライターとしても70本以上の記事を書き上げている。変化に気づく繊細な虫の目と雰囲気を柔くとらえる鳥の目。「細部の気づきであれば上杉に聞くのが一番」と校長も太鼓判を押す。誠実と実直のアーティスト上杉は、入門して初めてイシスや編集と出会う[守]に、うってつけの番記者だと言えるだろう。
 

上杉公志

編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。47期[守]講座番記者。

 

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 梅澤はいま最も勢いがあるエディストライターだ。キレもあるけどコクもある。速さと量も半端ない。ちょっといじって笑わせて、爽やかな風を送ってくれる。文章、年表、物語、企画とすべてリプレゼンテーションの仕上げが肝心な[破]。その軽やかな編集手本として、梅澤は眩しい風姿を見せてくれるだろう。
 

梅澤奈央

編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで絶賛編集力向上中。今、最も旬なエディスト「うめこ」のこれからの活躍に刮目されたし。46[破]番記者。

 

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 すでに梅澤はエンジン全開。開講するや否や記事が立て続けに上がっている。週明けに開講する[守]では上杉が開門の号砲を待ち構えているだろう。稽古情報から編集工学コラムまで、教室模様から編集術ヒントまで。どんな「エディスト砲」が飛び出すか期待したい。気づいたら、わたしがあなたがスクープされていたなんていうことがあるかもしれない。エディスト番記者はあなたの教室を今日も「夜討ち・朝駆け」している。
 
  • 吉村堅樹

    僧侶で神父。塾講師でスナックホスト。ガードマンで映画助監督。介護ヘルパーでゲームデバッガー。節操ない転職の果て辿り着いた編集学校。揺らぐことないイシス愛が買われて、2012年から林頭に。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025