笑い・涙・仰天・懐古……感情も題バシティであった一日目の余韻も覚めやらぬまま、第79回感門之盟は二日目の幕を開けた。
佐々木千佳局長に迎え入れられた本日司会の二人は、感門1日目に37花放伝を言祝いだばかりの美濃越香織花伝師範と武田英裕錬成師範。新たな師範代を育成する講座をともに切り盛りした二人は、実は38守「ちょんまげスイミー教室」の師弟でもある。何を隠そう、武田にとっての初めての編集コーチが美濃越だ。
華やかな笑顔と明るい声の美濃越。スイミーをイメージした白いドレスも眩しく、今日の感門への期待も改めて高めてくれる。ちょんまげリスペクトの渋い色彩の和装でキメた武田は、知性の通奏低音が効いた落ち着いた語りが抜群だ。さっそく佐々木は二人の好対照な衣装を「おぼろ昆布と焼き海苔」と見立て、会場の納得と哄笑を勝ち取った。
ふわふわおぼろ昆布の美濃越は、日ごろは経済的・社会的困難を抱える子どもの居場所を作るべく東奔西走している。かつて編集学校のリアル講座「丸の内朝大学」では、まさにいま美濃越を呼び込んだ佐々木からトークにダメ出しを受けた過去があり、このハレの舞台で佐々木を見返すことを誓ってみせた。
ぱりぱり焼き海苔の武田は、美濃越に師事していた当時の編集稽古ノートを開陳して見せた。ゆるいタッチのイラストに彩られた「イメージの辞書」は、汁講では当時番匠だった鈴木康代から絶賛の的だったそうだ。編集学校活動の節目で武田はこのノートを見返し、今日ついに、感門司会として登壇している。
今回の感門も、美濃越・武田に劣らぬ、海草よりも長く切れない絆をあまた生み出すことだろう。
川野貴志
編集的先達:多和田葉子。語って名人。綴って達人。場に交わって別格の職人。軽妙かつ絶妙な編集術で、全講座、プロジェクトから引っ張りだこの「イシスの至宝」。野望は「国語で編集」から「編集で国語」への大転換。
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