『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
52[破]は開講から1か月で、最初の山場を迎えた。本日5月19日(日)18:00、第1回アリスとテレス賞「セイゴオ知文術」のエントリーが締め切られた。千夜千冊をもどいて一冊の本について書くお題で競う。
10教室・学衆73名中、エントリーしたのは57名。ダイモーン維摩教室、蝶か釣果教室は全員エントリーを果たした。おめでとう!! 選評委員(木村久美子月匠、[破]の師範、番匠、評匠、学匠)は、それぞれ全エントリー創文を読んで選評会議に臨む。結果発表は6月上旬。全エントリー作品に講評がつく。
では、課題本の人気ランキングを発表する。( )内は前回の順位。
1位『あなたの人生の物語』テッド・チャン 11点(6位)
2位『心はすべて数学である』津田一郎 8点(2位)
3位『地球にちりばめられて』多和田葉子 7点(2位)
『虫と歌 市川春子作品集』市川春子 7点(9位)
5位『悪童日記』アゴタ・クリストフ 6点(1位)
『フラジャイル』松岡正剛 6点(4位)
7位『生命誌とは何か』中村桂子 5点(5位)
8位『東京プリズン』赤坂真理 4点(7位)
9位『文字逍遥』白川静 2点(10位)
10位『椿の海の記』石牟礼道子 1点(7位)
『あなたの人生の物語』と『虫と歌 市川春子作品集』が人気急上昇。52[破]はSFづいているのか? 『心はすべて数学である』と『地球にちりばめられて』もひきつづきたくさんの読者を得た。
課題本同士は、地下でつながっているようなところがある。文字や言語、子どもの視点、生命の進化といったテーマをもつグループがある。時空を行き来するノンリニアな手法は、カオス理論に通じるともいえるのか。すべての奥にはフラジリティがひそんでいる。師範代は、開講3週目に師範や番匠・評匠とともにオンライン読書会をもってセイゴオ知文術に備えた。学衆の選んだ何冊もの本を行ったり来たりしながら、本どうしの響き合いを感じ取る。あちらの本がこちらの本の理解を進めてくれることに、驚きながら指南していたのだ。学衆さんも、もう1冊、2冊と読んでみてほしい。必ず新たな見方を授けてくれる10冊だ。
原田淳子
編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。
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コメント
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2026-03-19
『絵師ムネチカ』から目が離せない。天才は往々にして何かが欠けている。そしてそのこと自体がまた天才の天才性を引き立たせる。周囲の人々の鼻面を引き回し、人生を変えていく「天才少年」のデモーニッシュな魅力を容赦なく描いた怪作。
これまでにも「神童」もの(?)を数多く描いてきたさそうあきら先生だが、ご本人は極めて方法に自覚的な職人タイプ。長年、マンガ学科の教員として教鞭をとり、『マンガ脚本概論』などの技法書にも定評がある。
2026-03-17
目玉入道、参上。
体を膨らませ、偽りの目玉(眼状紋)を誇張して懸命に身を守ろうとしているのは、カイコの原種とされるクワコの幼虫。クワコの繭から取れるシルクは、小石丸のそれに似て細く、肌触りがよいらしい。
2026-03-10
平和に飛び交うモンシロチョウも、地球史スケールでは、ほんの少し前に日本にやって来たばかりのパイオニアらしい。押さえきれない衝動に駆り立てられて彼方に旅立つ人たちの原型は、海をわたる蝶なのかもしれない。