沖縄から届け!――インターブッキング割込編集【88感門】

2025/09/06(土)08:08
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沖縄では新暦の暦のずれを調整するため、約3年に1度、旧暦で同じ月が2回現れる特別な月がある。「ユンヂチ(閏月)」だ。ユンヂチの旧盆はことさら特別なのだが、今年はあろうことか第88回感門之盟と重なった。
叫びとも呻きともつかぬ声を発したのは、沖縄在住で仏壇の切り盛りを任されている43[花]指導陣のふたり、大濱朋子師範新垣香子師範である。感門に行きたいがユンヂチの旧盆を放り出すことはできぬ。でも参加したい。だが行けない。でも参加したい。ではどうするか。

ふたりは感門之盟のイベント「インターブッキング」に割り込む、という暴挙、もとい再編集に出た。「○○ゲキ本」を本楼に送りつけるという荒技で。

 

インターブッキングの妙味は「本を贈った相手」が目の前にいる、ということにもありますが、それが叶わぬふたりからのラブレターならぬ熱いメッセージを、遊刊エディストからお届けします。

●肌で読むシンゲキ本●
「心」と同様に掴みにくいもの。今は「虚人」としておこう。虚人は吐き出され、その瞬間に新劇が始まる。存在を感じさせない新劇の主役によって、花は歌い蝶は踊る。知った気になっていたことの気づき……。「ごめん」って誰かに言いたくなる本を沖縄からあなたへ。

(新垣香子/43[花]錬成師範)

●ソーロン(盆)の夜のクウゲキ本●
故郷を離れたどり着いた日本の端っこで受けるのは「宙吊り」感覚。年間平均24度のこの島が一番暑くなる時、過去と未来と現在が入り混じり、あわいは拡張されます。今宵、仏壇の前で親族との会話の傍らに置きたい一冊を石垣島から贈ります。

(大濱朋子/43[花]花伝師範)


沖縄からの風も吹き抜ける第88回感門之盟。シンゲキ本、クウゲキ本はいったいどんな本? そして誰の手に!?

 

 

アイキャッチ写真・文/大濱朋子(43[花]花伝師範)

文/新垣香子(43[花]錬成師範)
編集/角山祥道(43[花]錬成師範)

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