初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。

壱のドク:『百書繚乱』と千夜千冊絶筆篇
初っ端に放たれたのは、松岡校長の一周忌に合わせて刊行された『百書繚乱』(アルテスパブリッシング)、担当編集を務めた松岡正剛事務所の寺平賢司さんがまき散らしたのはサイキョウのドクだ。それもそのはず、今回の感門テーマの「ブックウェア」は、本書の元となったタブロイド新聞「SANKEI EXPRESS」に校長が連載した「BOOKWARE」に肖っているのだ。
禁書が焼かれる世界を描写したレイ・ブラッドベリ『華氏451度』の紹介ページ(pp.352-353)では燃え上がる書籍の写真(撮影:小森康仁[編集工学研究所])が使われ、本を変幻自在のオブジェとしてとらえていた校長の見立てが披露された。『百書繚乱』の副題となっている「松岡正剛のヴィジュアルブックガイド」、かくあらん。
そして、「千夜千冊絶筆篇」。校長逝去に伴い更新が止まっていたが、フロッピーディスクの中に千夜千冊の書きかけのテキストがあり公開再開したとのこと。モウドクに備えよ。
▼以下順次公開
壱のドク:『百書繚乱』と千夜千冊絶筆篇【本稿】
弐のドク:『世界のほうがおもしろすぎた──ゴースト・イン・ザ・ブックス』『Birds』
参のドク:多読アレゴリア
肆のドク:ほんのれんラジオ/多読アレゴリア「ほんのれんクラブ」
伍のドク:九天玄氣組プロジェクト Qten Genki Book『九』刊行など
白川雅敏
編集的先達:柴田元幸。イシス砂漠を~はぁるばぁると白川らくだがゆきました~ 家族から「あなたはらくだよ」と言われ、自身を「らくだ」に戯画化し、渾名が定着。編集ロードをキャメル、ダンドリ番長。
ISIS now 遊撃するブックウェア●伍のドク:石井梨香師範【89感門】
伍のドク:九天玄氣組プロジェクト Qten Genki Book『九』刊行など 「ISIS now 遊撃するブックウェア」(第89回感門之盟)、コーナーを締める最後のドクは、九州の地、イシス編集学校九州支所 […]
ISIS now 遊撃するブックウェア●肆のドク:仁禮洋子編集長【89感門】
肆のドク:ほんのれんラジオ/多読アレゴリア「ほんのれんクラブ」 「ISIS now 遊撃するブックウェア」(第89回感門之盟)、つづいての登場は、多読アレゴリアにもクラブ進出を果たした、ポッドキャスト「ほん […]
ISIS now 遊撃するブックウェア●参のドク:大音美弥子冊匠【89感門】
参のドク:多読アレゴリア 多読アレゴリアは、身体や終活、音楽、子ども、そして千夜や大河など、多様なテーマや本をもとに編集を進めるイシス独自のクラブ活動。「ISIS now 遊撃するブックウェア」(第89回感 […]
ISIS now 遊撃するブックウェア●弐のドク:太田香保総匠【89感門】
弐のドク:『世界のほうがおもしろすぎた──ゴースト・イン・ザ・ブックス』『Birds』 「ISIS now 遊撃するブックウェア」(第89回感門之盟)で2番目に登場したのは、松岡正剛校長の火を誰よりも苛烈に […]
BOOKWARE(ブックウェア)は物騒だ。 ブックウェアを皆さんにぶっ刺すつもり──89感門之盟のISIS now「遊撃ブックウェア」コーナー冒頭、司会を務める55[守]内村放師範のことばだ。これから登壇す […]
コメント
1~3件/3件
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。
2025-09-23
金緑に輝くアサヒナカワトンボの交接。
ホモ・サピエンスは、血液循環のポンプを遠まわしに愛の象徴に仕立て上げたけれど、トンボたちは軽やかに、そのまんまの絶頂シアワセアイコンを、私たちの心に越境させてくる。
2025-09-18
宮谷一彦といえば、超絶技巧の旗手として名を馳せた人だが、物語作家としては今ひとつ見くびられていたのではないか。
『とうきょう屠民エレジー』は、都会の片隅でひっそり生きている中年の悲哀を描き切り、とにかくシブイ。劇画の一つの到達点と言えるだろう。一読をおススメしたい(…ところだが、入手困難なのがちょっと残念)。