この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

42[破]別院にて、突破学衆から43[守]の仲間へのメッセージを届ける企画が開催された。
[破]は松岡校長の仕事術が詰まった濃密かつ格別な4ヵ月。突破直後の学衆の語る言葉が熱くほとばしる。
「間違いなく言えるのは絶対に『破』のほうが楽しい」(濱崎さん)、「短期間の通過で、世の中の物語や企画・年表、あらゆる読書の見え方が違って見えてくる感覚は、おそらく他には類を見ない体験」(西宮さん)、「突破した今、漠然は濃密な判然に変わりました」(天野さん)、「守を卒門した時はもう破に片足を突っ込んでいる」(小峰さん)。
卒門し、扉が開かれているなら、迷う余地はない。
43[破]の概要と申込方法はこちら
わたなべたかし
編集的先達:井伏鱒二。けっこうそつなく、けっこうかっこよく、けっこう子どもに熱い。つまり、かなりスマートな師範。トレードマークは髭と銀髪と笑顔でなくなる小さい目。
いっそ師範代をテーマに物語を書けばよかった。「律師の部屋」【78感門】
いっそ師範代をテーマに物語を書けば良かった。 旬然たる学衆を迎えて編集稽古をたどる「律師の部屋」。感門出張編として本楼の中央に設えられたステージで、47破「オブザ・ベーション教室」の学衆・新坂彩子さんが稽古 […]
43[破]AT物語・アリス大賞受賞、羽根田月香さんインタビュー クリエイティブ信仰との決別
「選評委員にケチをつけに行きたいところですが…」と、アリストテレス大賞を信じていた教室仲間からの発言も飛び出した羽根田月香さん(比叡おろし教室)のアリス大賞。ふくよ(福田容子)師範代は、「アリスの花咲くその土中には、テレ […]
物語編集稽古の翻案に対し「原作の焼き直しを根絶する!」と宣言したかどうかはさておき、汁講でのリアル編集稽古に比叡おろし教室のふくよ(福田容子)師範代は燃えていた。今や汁講の定番プログラムとなったリアル編集稽古は、お題の […]
「汁講で工作舎時代の希少本の一部を見せていただけると聞き、狂喜乱舞しております」(43[破]別院投稿企画/思い出深い「あの言葉」より) 編集工学研究所(豪徳寺)で開催される汁講での楽しみのひとつに、松岡 […]
43[破]セイゴオ知文術に向けて 42[破]受賞作の稽古模様
43[破]は開講3週目を迎え、いよいよ文体編集術の総仕上げ「セイゴオ知文術」にさしかかっていく。10月26日、比叡おろし教室の角山さんからセイゴオ知文術の初稿が届いた。22日に文体編集術・後半のお題が届けられ、わずか4 […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。