『キャラ者』は、”マンガ家”だった頃の江口寿史の、(まとまった作品としては)ほぼ最後の仕事。恐るべきクオリティの高さで、この才能が封印されてしまったのはもったいない。
「来年こそはマンガ家に戻ります!」と言ったのは、2016年の本の帯(『江口寿史KING OF POP SideB』)。そろそろ「来年」が来てもいいだろう。

79回感門之盟の後、“中空”に松岡正剛が鎮座する。
49[守]チーム中空プラント、忖度しないわ教室師範代の相部礼子(写真右)と男装いとをかし教室師範代の野住智惠子(写真左)との記念ショットである。[守]では、師範代と師範が教室運営のためにタッグを組むが、相部と野住はそこでのチームメイトだ。
普段ビジネススーツ姿の相部はその日、Tシャツ姿で本楼に現れた。胸には教室名かと思いきや、ちょっとちがう──忖度しないわ わたしたち。教室名は松岡校長から師範代へのお題と言われるが、相部がたどり着いた回答がこれだ。忖度がはびこりフラットになっていく社会に抗って、教室の学衆とともにヒダヒダをつくる別様の可能性へ向かうのだ、と。49守を走り切った相部の編集宣言である。そして、Tシャツの背中にはこれだ。
相部は、学衆が選んだ卒門ソングをタトゥーのように背中に刻み込んだのだった。
もう一方の野住である(写真左)。45守「すみれの花咲く教室」で初登板、49守「男装いとをかし教室」で再登板を果たした。2つの教室名の対角線が教えるとおり宝塚好き。それが高じて、舞台撮影カメラマンから舞台プロデューサーへと駆け上がった舞台人である。
感門の舞台で「カメラは『視線』」と、野住は、自らが教室に向けたカーソルを写真見立てで語った。「装って参りましょう」との師範代の演出に学衆は変容しつづけ、師範代は真夜中にシャッターを切りつづけた。
野住のカーソルは松岡校長にも。伝習座でもシャッターチャンスを逃さない。
日本神話にはあえて大事なことが書かれていない──その「中空」構造が日本らしさである、と仮説した河合隼雄に肖ったチーム中空プラント。方法日本の提唱者、松岡正剛に、教室のプロフィールを届けて、相部と野住の49守は幕を閉じた。
白川雅敏
編集的先達:柴田元幸。イシス砂漠を~はぁるばぁると白川らくだがゆきました~ 家族から「あなたはらくだよ」と言われ、自身を「らくだ」に戯画化し、渾名が定着。編集ロードをキャメル、ダンドリ番長。
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コメント
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