銀河鉄道の夜 | 遊刊エディスト:松岡正剛、編集工学、イシス編集学校に関するニューメディア https://edist.ne.jp Fri, 27 Jun 2025 02:22:06 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.8.1 https://edist.ne.jp/wp-content/uploads/2019/09/cropped-icon-512x512-32x32.png 銀河鉄道の夜 | 遊刊エディスト:松岡正剛、編集工学、イシス編集学校に関するニューメディア https://edist.ne.jp 32 32 銀河の音にセイゴオの声が重なる夜~玄月音夜會 第二夜 7月18日(金)開催 https://edist.ne.jp/just/onyakai02/ https://edist.ne.jp/just/onyakai02/#respond Sat, 28 Jun 2025 03:00:06 +0000 https://edist.ne.jp/?p=87431 宇宙の果てに漂うような、郷愁の調べ。 星めぐりの音とともに、セイゴオが語りだす——。   松岡正剛の10回目の月命日に始まった、追悼記念企画「玄月音夜會」。 第一夜では、半世紀にわたる親交をもったあがた森魚さん […]

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宇宙の果てに漂うような、郷愁の調べ。
星めぐりの音とともに、セイゴオが語りだす——。

 

松岡正剛の10回目の月命日に始まった、追悼記念企画「玄月音夜會」。
第一夜では、半世紀にわたる親交をもったあがた森魚さんが登壇し、タルホ、セイゴオに通じる「宇宙的郷愁」が、歌と語りとともに繰り広げられました。

そして次なる 第二夜は7月18日(金)に開催。
今回は、音と間(あわい)の名手、ピアニストの山下有子さんをゲストにお迎えします。

 

● 天才ピアニスト・山下有子による、宇宙と記憶の即興演奏

澄みきった水面のように、あるいは遠い星の呼吸のように。一度聴いたら忘れられない、音楽という名の「時間のきらめき」。
そんな山下さんのピアノが、松岡正剛の“銀河講義”と交差します。

セイゴオの伝説の「銀河講義」に、山下有子さんが星をめぐるようにピアノで忍び寄り、次第に講義と溶け合っていく——。
音と語りが交わる「星語り」に、あなたも耳を澄ませてください。

 

開催概要

日時:2025年7月18日(金)19:30開演(18:30開場)

会場:編集工学研究所 本楼(東京都世田谷区・経堂)

ゲスト:山下有子(ピアニスト・作曲家)

料金:
 ◎本楼ライブ参加:16,000円(税別)[飲食代込み・限定40名]
 ◎配信視聴参加:4,000円(税別)
 ※いずれも期間限定でアーカイブ視聴可能(申込者限定)

お申し込みはこちらから

 

本楼ライブ参加者だけの特別な愉しみ

休憩時間には、まほろ堂蒼月(宮坂)による季節の和菓子をご用意。今回は山下有子さんをイメージした一品が登場予定。

第一夜のお菓子。あがた森魚さんの歌「百合コレクション」と、演奏会後の懇親会を担当する白百合醸造さんにちなんだ「ユリ」を象ったもの

 

終演後には、白百合醸造(勝沼)のワインと、“食べる宝石”のようなフィンガーフードを囲みながら、ゲストを交えて語り合う懇親会も。

心と耳がほどけたところで味わうワインと言葉の余韻も、また格別です。

季節や旬の野菜によって趣向が変わるフィンガーフードは目にも鮮やか

 

ゲストプロフィール

山下有子  Yamashita Ariko /ピアニスト&作曲家

1歳前後から父親の手ほどきによりピアノで遊び始める。1980年代後半よりピアニストとして活動を開始。詩人、ダンサー、写真、人形、映像などとの即興コラボを重ね、1999年、辻仁成監督映画『千年旅人』サウンドトラックCD『kanata』でメジャーデビュー。映画はヴェネチア映画祭に正式招待される。その後、映画やTVドラマの音楽を作曲。2023年12月20日にリリースしたCD『inishie』ではあがた森魚氏の「赤色エレジー」をワルツ仕立てに編曲している。FM京都「アリコ ピータースレストラン」DJもつとめる。松岡正剛はデザイナー羽良多平吉氏を介して山下氏と出会い、以来、その音楽性を応援、主催イベントでのコラボレーションほか、親交を重ねた。

 

「セイゴオの言葉が恋しい」
「耳から感じる哲学を体験したい」
「音楽を通じて“宇宙”を聴いてみたい」

そんなあなたへ。
玄月音夜會は、一夜のための、宇宙の入場券です。音と語りの銀河鉄道に乗り込んでください。

 

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エディターシップ・トライアル2022  首謀はリベラルアーツな二人 https://edist.ne.jp/just/editorship_trial02/ https://edist.ne.jp/just/editorship_trial02/#respond Tue, 22 Feb 2022 22:28:06 +0000 https://edist.isis.ne.jp/?p=37516 朗読で師範代を虜にする声の持ち主、中原洋子は即興で伊藤若冲を歌い上げる。『銀河鉄道の夜』と『月の砂漠』と『CARAVAN』を三位一体で繋いでスウィングし、文学と音楽を対比する。「読んだら歌うか、書くかでアウトプットするも […]

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朗読で師範代を虜にする声の持ち主、中原洋子は即興で伊藤若冲を歌い上げる。『銀河鉄道の夜』と『月の砂漠』と『CARAVAN』を三位一体で繋いでスウィングし、文学と音楽を対比する。「読んだら歌うか、書くかでアウトプットするものでしょう」。本陣の軽井沢から日夜、冊師としての激も飛ばす。

 

ジョージア・オキーフの写真集と『感ビジネス』を愛読する平野しのぶ。近代写真の父スティーグリッツの先鋭眼に、編集力を感知しほくそ笑む。「編集できないものなんてないですよね。場回しも料理も、その場の素材を組み合わせてコンテキストが出来上がる。これは仕事の基本です」意気揚々だ。

アートを愛し、借景を好み、些末事に左右されない人生を謳歌している(ように見える)二人には多数の共通項が存在している。48[守]師範という中間子ロールもその一つだ。師範は、師範代と社会、方法と指南のアイダをつなぎ、教室の裏と表でクォークの如く蠢いている。来月開催のエディターシップ・トライアル2022に向け、初出のデータを解析する社会実験のアナリストでもある。

『編集力チェック』に集まった回答は現在50余、急ピッチで工学的アーティキュレーション(分節化)が試されている。集積データを元に、特別仕立ての[守]エディットツアーを振る舞う楽屋裏は忙しい。情報は見方次第で多面的で多様な顔をもっている。リアリティとともに浮かび上がるターゲットは予測不可能で、大いに可変するだろう。

「数奇」溢れるあなた、「不足」だらけの貴方、ピンときたらばまずは『編集力チェック』へ来られたし。4月開講の49[守]に先立つ3月6日(日)午前と午後の2回、豪徳寺の本楼から2万冊の本を背景に、オンラインでのおまかせエディットツアーも開催される。いまならワンコインのおまけもあるらしい。首謀の二人のインストラクションも待っている。

 

<詳細・申込>

編集力チェック!(Editorship Trial 2022春)

イシス編集学校の「お題」をオンラインで無料体験! 所要時間は約2分。まずはご自身の編集力をチェックしてみませんか?

 

2022年3月6日(日) [守]2022春 おまかせエディットツアー(オンライン・Zoom)

イシス編集学校基本コース[守]の指導陣が編集ワークを直接ナビゲートする特別仕立てのオンラインワークショップです。午前ツアー(10:30~12:00)と午後ツアー(14:00~15:30)から、ご希望の時間帯をお選びいただけます。

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おしゃべり病理医 編集ノート - コロナ禍の米津玄師考 https://edist.ne.jp/nest/oshaberi_yonezu/ https://edist.ne.jp/nest/oshaberi_yonezu/#respond Fri, 18 Sep 2020 01:22:16 +0000 https://edist.isis.ne.jp/?p=11770  「自分の音楽家としての活動は、基本的に不要不急」 松岡正剛と同じことをさらっという米津玄師はかっこいい。最近、我が家は全員で米津にはまっている。特に最新アルバムに収められた最後の曲「カナリヤ」は全員のお気に入りで、疲れ […]

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 「自分の音楽家としての活動は、基本的に不要不急」
松岡正剛と同じことをさらっという米津玄師はかっこいい。最近、我が家は全員で米津にはまっている。特に最新アルバムに収められた最後の曲「カナリヤ」は全員のお気に入りで、疲れたり自信を失ったときに聞きたくなる静かなバラードだ。

 

     いいよ あなたとなら いいよ
     二度とこの場所には帰れないとしても
     あなたとなら いいよ
     歩いていこう 最後まで

 

 SNSの「いいね!」ではない。いいよ、いいよ、という連呼に、とても深い沈静効果がある。優しい気持ちになり、体の緊張がほぐれてくるのを感じる。家族でなんていい曲なんだろうねとしんみりする。

 

 最近、米津玄師がコロナ禍中に外界との接触を断って創ったというアルバム『STRAY SHEEP』が発売された。読売新聞(2020年8月8日)に2ページにわたってインタビュー記事が載っていた。彼の楽曲は、お囃子的なリズム感と連句のようなフレーズ、そして、不思議な転調を繰り返す独特のメロディーが特徴だと思うが、彼のコロナ社会に対する見方と作曲に対する姿勢について深く共感した。

 


無邪気な季節は過ぎた

 

 ウィズコロナの今を米津は、そう表現する。「季節」と表現するその感性には日本らしさが漂い、彼の楽曲に諸行無常を感じる所以かと思う。

 

 米津は、コロナで混沌とする世の中を見ていて、ピュリツァー賞を受けた「ハゲワシと少女」という写真を思い出したそうだ。貧困で激やせした少女と彼女を背後から狙うハゲワシ。その両者の絶妙なディスタンスを切り取った写真である。「(悠長に写真なんか撮っていないで)なぜ助けなかったのか」というバッシングを受け、写真家のケビン・カーターはその後自殺している。

 

 見て見ぬふりをしてきた人たちが、その現実をどう受け止めていいかわからなくて、ふたを開けた人間を攻撃したがるのではと米津は言う。今の社会も基本的にそれと同じなのではないか。自粛警察のように、ほんの少しの傷も許さず、清く、正しく、美しくこの世の中は回っているんだと思い込みたい人による、正義の名を借りた他罰的姿勢であると。

 

 とても鋭い指摘である。世の中はさほど品行方正にできあがっているものではない。そんな邪気あふれる偽善的な社会において、虐げられる人間と虐げる人間の雑な二項対立的な状況下においてはつねに虐げられてきた人たちの側につきたい。そのためにどんな音楽を創ればいいのかを模索する。カナリヤという曲にはたしかに、弱者を救済する力があるように思う。


後ろめたさをカムパネルラに託す

 

 カナリヤは最後を締める曲であるが、アルバムは、「カムパネルラ」という曲で幕を開ける。もちろん、あの宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』
に登場するカムパネルラだ。

 

 前アルバムから3年経つが、その間自分の前を通り過ぎていった人たちがどれほどいるのかを考えたとき、もしかしたらこの世からいなくなってしまった人たちもいるんじゃないかと想像すると、自罰的な気持ち、申し訳ない気持ちになった。そんな生きていることに対するある種の後ろめたさに対し、個人的な墓標を立てるためにこの曲を創ったという。

 

 『銀河鉄道の夜』は千夜千冊でも取り上げている。宮沢賢治は、“七転八倒の推敲編集”の末にこの物語を完成した。賢治は最初からジョバンニとカムパネルラの「少年の束の間の葛藤」を香ばしく描きたかったのであろうが、執筆の最中、ジョバンニの日々と劣等感を冒頭に持ってくることで、カムパネルラの行方を考え、最終的にカムパネルラの不慮の死が想定されたのだろう。米津は、ジョバンニの心持ちで、カムパネルラに存在の後ろめたさを託したのだろうか。そんな米津の魂胆と銀河鉄道の夜を思い描きつつ、再度「カムパネルラ」を聴くと、いつもと違った感慨に浸る。「死」がずっと身近に寄ってくる感じ。一方で、死ですら、時空に縛られ変わっていく現象のひとつであるという諸行無常感と宇宙のゆらぎ。


    カムパネルラ 夢を見ていた
    君のあとに 咲いたリンドウの花
 
    この街は 変わり続ける
    計らずも 君を残して

    (中略)

    あの人の言う通り わたしの手は汚れてゆくのでしょう
    追い風に翻り わたしはまだ生きてゆくでしょう
 
    終わる日まで寄り添うように
    君を憶えていたい


面影編集

 

 米津の感性には、日本らしさが漂うといったが、それは彼の作曲の姿勢にもあるように思う。

 

 日本人だからこそ、J-POPとして音楽を作りたいと思っていたという。歌謡曲をはじめ、先人たちが積み上げてきたものを繙きながら作曲をする。寂しさや静けさを感じる「蛍の光」であるとか、そういった懐かしい日本的な何か、歴史に根ざしているものを自身に取り入れ、ブリコラージュする。つまりは、翻案でもあり、彼の話を聞いているとたしかに「カムパネルラ」も含め日本的な懐かしい情景を面影として捉えながら、物語にしていく。それが米津玄師の曲がどんなに斬新なメロディーやリズムを纏っていようとも懐かしく感じられる所以だろう。

 

 松岡校長は、面影は、リモートであるという。つまり、「不在の存在学」であり、「見えないものが見えてくる観望」である。みなさんは、お気に入りの音楽を聴いて、どんな「きのふの空のありどころ」を思い出し、誰が恋しくなるでしょうか。

 

イシスひつじ

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