中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
八月は別名「秋風月」という異名を持つ。
夏の暑さが和らぎ、秋風が吹き始める頃であるからだ。
軽井沢も例年なら朝夕は肌寒さを感じ、長袖のカーデガンを身にまとう時期だが、今年はいまだに出番がない。
毛皮を身に纏ったペットたちは、日が陰りはじめた夕方になってようやく散歩に出かけていく。
浅羽米は日照りでやられていないだろうか。
多読アレゴリアの夏シーズンが終わりを告げた8月末、軽井沢別想フロンティア倶楽部のメンバーは、汁講を兼ねてモーリス浅羽の田んぼを訪れることにした。
◇ 田んぼへ
朝10:00、JR軽井沢駅の改札で待ち合わせた我々は守り人のモリゾン本城とモーリス浅羽の車に分乗し、追分の田んぼへと向かった。
あぜ道に立ち、浅羽米の育ちっぷりを眺め感無量のメンバー。
浅羽米は、雑草との闘いに勝ち、見事に育っている!
順調に育っているので、稲刈りは例年通り9月下旬になりそうだ。
実るほど頭を垂れる稲穂かな
◇ コシヒカリVSササシグレ
「ササシグレ」は、「ササニシキ」の父親にあたる品種である。
以前は東北地方を中心に広く栽培されていたが、病気に弱く、昭和の半ば頃にいもち病で半分くらいやられてしまったことがあり、その影響で、その後あまり栽培されなくなってしまった品種だ。
ファーマー浅羽は「こっちがコシヒカリであっちがササシグレだよ」と説明してくれた。
ササシグレのほうがやや成長が遅いので、緑がかっているほうがササシグレだというのだが、悲しいかな、どれも同じに見えてしまう^^;
見た目はともかく、気になるのは味だが、もち米系統の遺伝子が入っていないササシグレのほうが、粘りが少なく味的にはさっぱりしているという。
あっさりしているのでおかずに合わせやすく、特に魚との相性がいい。
お寿司のシャリにこだわって使う人もいる。
なお、ササシグレは、アミロースが高くアミロペクチンが低いため、血糖値があがりにくく、米アレルギーの人でも症状が発症しにくいといわれている。
健康志向が強くなりつつある現代日本、もしかしたら今後はササシグレが復活していくかもしれない!
別典祭でお目見えする浅羽米、コシヒカリにするかササシグレにするか、或いは両方だすのか、まだモーリス浅羽は悩み中だ。
きっとギリギリまで悩むのだろう。
いずれにしても、別典祭が楽しみだ。
お天気はいいのだが、残念ながら浅間山の上のほうは雲に覆われてしまっている。
東京から参加の遊民はちょっとガッカリ顔。
収穫まで、あと半月!
浅羽米の収穫の様子は「遊刊エディスト」で配信予定である。
乞うご期待だ!
《軽井沢別想フロンティア》倶楽部の記事
●連載:「浅羽米プロジェクト2025 」
【軽井沢別想フロンティア】浅羽米プロジェクト2025 稼働!
中原洋子
編集的先達:ルイ・アームストロング。リアルでの編集ワークショップや企業研修もその美声で軽やかにこなす軽井沢在住のジャズシンガー。渋谷のビストロで週一で占星術師をやっていたという経歴をもつ。次なる野望は『声に出して歌いたい日本文学』のジャズ歌い。
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コメント
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