書籍を通じて「今」を考えるイベント「科学道100冊 2020-今知りたい、ウイルスと免疫の話」

2020/12/12(土)14:00
img JUSTedit

「一体情報とはなにか。地球上の生命系の一角を占めている私たちが、この難しい問題を考えるには生命の起源に戻らなければならない。」

ツッカム正剛0034夜で松岡正剛校長が語った言葉だ。

 

COVID-19で多くの変化があった今年、松岡校長はあらゆる場面でウイルスと情報を語っている。

1737夜『ウイルス・プラネット』1738夜『流感世界』1741夜『免疫ネットワークの時代』の千夜千冊のあとは、4本仕立ての「ツッカム正剛ーやや特別編」へと今この時を編集し続けた。

松岡校長は、COVID-19を引き取りながら世界を読むための「見方」の一つ、サイエンスを展開していたのだ。

 

そのような今、編集的で、子供から大人までワクワクするサイエンスの取り組みを紹介する。

 

書籍を通じて「今」も考えることができる「オンライン・トークイベント」が、イシス編集学校の本拠地、ブックサロン本楼から配信される。

テーマはズバリ「今知りたい!ウイルスと免疫の話」。

 

このイベントは、「科学道100冊」で企画された。

「科学道100冊」は、イシス編集学校を運営する編集工学研究所が2017年から理化学研究所と行っているプロジェクトで、書籍を通じて科学者の生き方・考え方、科学のおもしろさ・素晴らしさを届けている。

 

科学は古代より、自然社会や世界を解明しようと思考し計測し観察し実験し、世界を切り開いてきた。
科学者の思考モデルを大事にしてきた「科学道100冊」は、こんな今だからこそと、このオンライン・トークイベントを企画したのだ。

 

イベントに登壇するのは『生物はウィルスが進化させた』(講談社ブルーバックス)の著者であり、ウイルス学者の武村政春博士と、免疫学者の小安重夫博士(理化学研究所理事)だ。

ウイルス学者と免疫学者による、COVID-19の最新研究から、科学道ならではの「本」の話題まで幅広く語っていただく。

イベントの対象は中学生以上。大人だけでなく、学生にも楽しんでいただける内容だ。


楽しいのはもちろん、見方のサイエンスにもぜひ触れていただきたい。


==================================

「科学道100冊 2020-今知りたい、ウイルスと免疫の話」

【日時】  2020年12月18日(金)18:00~19:30
【登壇者】 武村政春氏(東京理科大学教授/ウイルス学者)
      小安重夫氏(理化学研究所理事/免疫学者)
【主催】  科学道100冊委員会(理化学研究所・編集工学研究所)
【対象】  中学生以上
【参加費】 無料
【視聴方法】事前申し込み制(先着450名)

★イベント詳細とお申込み:科学道100冊特設サイト イベントページ

★イベントチラシ:科学道100冊特設サイト イベントチラシ
 
==================================

  • 衣笠純子

    編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-22

 小学校に入ってすぐにレゴを買ってもらい、ハマった。手持ちのブロックを色や形ごとに袋分けすることから始まり、形をイメージしながら袋に手を入れ、ガラガラかき回しながらパーツを選んで組み立てる。完成したら夕方4時からNHKで放送される世界各国の風景映像の前にかざし、クルクル方向を変えて眺めてから壊す。バラバラになった部品をまた分ける。この繰り返しが楽しくてたまらなかった。
 ブロックはグリッドが決まっているので繊細な表現をするのは難しい。だからイメージしたモノをまず略図化する必要がある。近くから遠くから眺めてみて、作りたい形のアウトラインを決める。これが上手くいかないと、「らしさ」は浮かび上がってこない。

堀江純一

2025-06-20

石川淳といえば、同姓同名のマンガ家に、いしかわじゅん、という人がいますが、彼にはちょっとした笑い話があります。
ある時、いしかわ氏の口座に心当たりのない振り込みがあった。しばらくして出版社から連絡が…。
「文学者の石川淳先生の原稿料を、間違えて、いしかわ先生のところに振り込んでしまいました!!」
振り込み返してくれと言われてその通りにしたそうですが、「間違えた先がオレだったからよかったけど、反対だったらどうしてたんだろうね」と笑い話にされてました。(マンガ家いしかわじゅんについては「マンガのスコア」吾妻ひでお回、安彦良和回などをご参照のこと)

ところで石川淳と聞くと、本格的な大文豪といった感じで、なんとなく近寄りがたい気がしませんか。しかし意外に洒脱な文体はリーダビリティが高く、物語の運びもエンタメ心にあふれています。「山桜」は幕切れも鮮やかな幻想譚。「鷹」は愛煙家必読のマジックリアリズム。「前身」は石川淳に意外なギャグセンスがあることを知らしめる抱腹絶倒の爆笑譚。是非ご一読を。

川邊透

2025-06-17

私たちを取り巻く世界、私たちが感じる世界を相対化し、ふんわふわな気持ちにさせてくれるエピソード、楽しく拝聴しました。

虫に因むお話がたくさん出てきましたね。
イモムシが蛹~蝶に変態する瀬戸際の心象とはどういうものなのか、確かに、気になってしようがありません。
チョウや蚊のように、指先で味を感じられるようになったとしたら、私たちのグルメ生活はいったいどんな衣替えをするのでしょう。

虫たちの「カラダセンサー」のあれこれが少しでも気になった方には、ロンドン大学教授(感覚・行動生態学)ラース・チットカ著『ハチは心をもっている』がオススメです。
(カモノハシが圧力場、電場のようなものを感じているというお話がありましたが、)身近なハチたちが、あのコンパクトな体の中に隠し持っている、電場、地場、偏光等々を感じ取るしくみについて、科学的検証の苦労話などにもニンマリしつつ、遠く深く知ることができます。
で、タイトルが示すように、読み進むうちに、ハチにまつわるトンデモ話は感覚ワールド界隈に留まらず、私たちの「心」を相対化し、「意識」を優しく包み込んで無重力宇宙に置き去りにしてしまいます。
ぜひ、めくるめく昆虫沼の一端を覗き見してみてください。

おかわり旬感本
(6)『ハチは心をもっている』ラース・チットカ(著)今西康子(訳)みすず書房 2025