橋本治がマンガを描いていたことをご存じだろうか。
もともとイラストレーターだったので、画力が半端でないのは当然なのだが、マンガ力も並大抵ではない。いやそもそも、これはマンガなのか?
とにかく、どうにも形容しがたい面妖な作品。デザイン知を極めたい者ならば一度は読んでおきたい。(橋本治『マンガ哲学辞典』)

佐藤優さんが「ウクライナを読む」!
ISIS FESTA SP「情報の歴史21を読む 第6弾」が7月22日(金)19:00〜開催されます。これに先立ち、佐藤さんからご提示いただいた事前読書用の推奨本リストを大公開します。
「情歴21を読む」では、毎回登壇ゲストからその日の講演テーマに合わせた「お題」が出題され、参加者のみなさまに回答いただいています。「お題回答」を通じた参加者とゲストの直接やりとりは、「情歴21を読む」の名物場面!
けれども、いま最も複雑で最も混迷を極める「ウクライナ問題」について、佐藤さんのご講演を聞いて即座に消化吸収、言語化するのは並大抵のことではない・・・。そんな気持ちを編工研スタッフがポロリとこぼすと、参加者の皆さんにはぜひ「バッターボックスに立ってほしい」と力強く期待する佐藤さんは、「事前に何冊かの本を読んでもらえると、とても考えやすくなると思います」と言って、推奨本リストを提示くださいました。
「普段であれば皆さんが手にしないような本も含まれていると思います。ですが、ここにあるのはそれなりに現実に影響を与えている本。『ウクライナ問題』を取り巻く主流の『ナラティブ』にはどんなものがあるのか、どうしてそのような『ナラティブ』が生まれてくるのか、これらに対して、自分は別の『ナラティブ』を身につけられるかどうか?そういったことがウクライナ戦争に限らず、今後の個々人の生き方を考える上でも必要だと思います。」
(1)『ウクライナ戦争の衝撃』防衛研究所 増田 雅之 編著(インターブックス)
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※防衛研究所のウェブサイトでPDF版が公開されています。
(2)『プーチンを罠にはめ、策略に陥れた英米ディープステイトはウクライナ戦争を第三次世界大戦にする』副島隆彦 著(秀和システム)
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(3)『皇国史観』片山杜秀 著(文春新書)
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上記3冊に加えて、さらに事前読書をされたい方には、以下の2冊も追加で推薦いただきました。
(4)『物語 ウクライナの歴史―ヨーロッパ最後の大国』黒川 祐次 著(中公新書)
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(5)『第三次世界大戦はもう始まっている』エマニュエル・トッド著(文春新書)
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「推薦リストの(1)『ウクライナ戦争の衝撃』と(2)『プーチンを罠にはめ、策略に陥れた英米ディープステートはウクライナ戦争を第三次世界大戦にする』は、どちらかが間違っているか、どちらも間違っているかしかあり得ない取り合わせの2冊です。でもこれらはどちらも、現実に影響を与えている2冊であり、今の日本の主流派ナラティブを示唆する本です。この2冊を、メタの立場で見られるかどうか。それが問われているときに、私たちは(3)『皇国史観』から学ぶ必要があります。第二次世界大戦という『勝ち目』のない戦いに、日本はなぜ飛び入ってしまったのか。どうして当時の日本は、こんな物語に入っていってしまったのか。それを考えなければいけません。」
「国際関係を見るときに、私が重視しているのが価値の体系・利益の体系・力の体系です。この3つは、システムに内在している論理です。このバランスが崩れると、皇国史観のようなものが生まれてくる。太平洋戦争は、価値体系のインフレーションが引き起こしたと言えます。これと同じことがいま、民主主義VS権威主義の二項対立のなかで起きています。インテリジェンスが政治化され、これが報道に反映されているのです。日本は、「ウクライナ問題」における利益の体系も力の体系も、実はG7と異なります。つまり、本当に起こっていることを見れば、日本がG7と一体になってウクライナを支援しているという体制は成り立っていないのです。このような見方を、今のような状況下で私たちが持てるかどうか。それが問われています。」
「(4)『物語 ウクライナの歴史』と(5)『第三次世界大戦はもう始まっている』は、ナラティブの違いではなく、客観性のレベルの違いをあらわしている2冊です。特にエマニュエル・トッド著の『第三次世界大戦はもう始まっている』は、とても良い視点で構成された1冊なので、ぜひ読んでいただきたい本です。」
「価値観は、教養やインタラクションから立ち上げていくものです。ここが稚拙になると、みんなが大きなナラティブに流されてしまう。今の時代は、この傾向が強いです。そうならないために教養を身につけ、価値観をしっかりと組み立てる必要がありますが、そのときに基礎となるのが、まさに『情報の歴史21』が体現する「年表」が頭に入っていることです。」
佐藤優さんがご登壇されるISIS FESTA SP「情報の歴史21を読む 第6弾」は、7月22日(金)19:00〜の開催です。たくさんの皆さまのご参加と、そしてバッターボックスへのご登場を、心よりお待ちしております。
イベントの参加お申し込みはこちらより絶賛受付中です!
※本楼での参加は人数限定のため、リアル参加ご希望の方はぜひお急ぎください。
【プロフィール】
佐藤 優 さとう まさる
作家・元外務省主任分析官
1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在英大使館、在露大使館などを経て、外務本省国際情報局分析第一課に勤務。本省国際情報局分析第一課主任分析官として、対露外交の最前線で活躍。2002年背任と偽計業務妨害罪容疑で東京地検特捜部に逮捕され、512日間勾留される。2009年最高裁で上告棄却、有罪が確定し外務省を失職。同年、自らの逮捕の経緯と国策捜査の裏側を綴った『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。以後、文筆家として精力的に執筆を続けている。
山本春奈
編集的先達:レオ・レオーニ。舌足らずな清潔派にして、万能の編集ガール。定評ある卓抜な要約力と観察力、語学力だけではなく、好奇心溢れる眼で小動物のごとくフロアで機敏な動きも見せる。趣味は温泉採掘とパクチーベランダ菜園。愛称は「はるにゃん」。
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コメント
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2025-08-21
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2025-08-19
エノキの葉をこしゃこしゃかじって育つふやふやの水まんじゅう。
見つけたとたんにぴきぴき胸がいたみ、さわってみるとぎゅらぎゅら時空がゆらぎ、持ち帰って育ててみたら、あとの人生がぐるりごろりうごめき始める。
2025-08-16
飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。