飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。

イシス編集学校の[離]世界読書奥義伝は、しばしば「一生の離」と形容される。これは決して過言ではない。なぜなら、[離]は、日本唯一の松岡正剛直伝講座であり、松岡校長がこれまでの人生をかけてきた編集工学の極意や編集的世界観を惜しみなく注ぎ込んだ門外不出の「文巻」で世界読書をするただ一つの場であるからである。入院を果たした[離]学衆は、「文巻」とともに稽古に励みながら編集を人生していく。
松岡校長は、毎季「文巻」に必ず手を入れ、アップデートをつづけている。この第十五季は、太田香保総匠を中心に講座全体にも大幅な再編集がなされている。その再編集の一環として、[離]の稽古を「離の守」「離の破」「離の離」と三間連結で構成し直し、それぞれの段階に基づいてお題の改変をつづけてきた。
二〇二二年八月二七日(土)十三時、猛暑日の豪徳寺で表沙汰が幕を開ける。
全一二週にわたる「文巻」は、これまでに八週分までが手渡され、離学衆は「離の破」から「離の離」へとシフトチェンジする時期に入っている。その節目となるのがこの表沙汰である。残念ながら離学衆はリモートでの参加となるが、全指導陣である「火元組」は本楼に集い、これまでの稽古ぶりを踏まえ、今後の期待も込めながら、松岡校長の編集的世界観の方法を手渡していく。
今日の表沙汰のプログラムは、火元組からのメッセージ、太田総匠と小倉加奈子析匠によるレクチャー、二院に別れてのリアル指南、火元校長による直伝講義を予定している。
火元組の焚き付けに、離学衆はどのようなトランスフォーメーションを果たすのか。
表沙汰の幕開けは、まもなく。
※アイキャッチは午前九時半の本楼。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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コメント
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2025-08-16
飲む葡萄が色づきはじめた。神楽鈴のようにシャンシャンと音を立てるように賑やかなメルロー種の一群。収穫後は樽やタンクの中でプツプツと響く静かな発酵の合唱。やがてグラスにトクトクと注がれる日を待つ。音に誘われ、想像は無限、余韻を味わう。
2025-08-14
戦争を語るのはたしかにムズイ。LEGEND50の作家では、水木しげる、松本零士、かわぐちかいじ、安彦良和などが戦争をガッツリ語った作品を描いていた。
しかしマンガならではのやり方で、意外な角度から戦争を語った作品がある。
いしいひさいち『鏡の国の戦争』
戦争マンガの最極北にして最高峰。しかもそれがギャグマンガなのである。いしいひさいち恐るべし。
2025-08-12
超大型巨人に変態したり、背中に千夜をしょってみたり、菩薩になってアルカイックスマイルを決めてみたり。
たくさんのあなたが一千万の涼風になって吹きわたる。お釈迦さまやプラトンや、世阿弥たちと肩組みながら。