56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
                                                                                
        
        
        
                        
                 師範の新井和奈は見逃さなかった。
 教室では[守]のお題036番:バナナと魯山人が出題された。これは2つの文章を融合し、大胆な着替えを起こそうというお題だ。モモめぐむ教室の学衆・Tの回答冒頭には、こう書かれていた。
いよいよ最終場面、稽古もますますエスカレートしている中、着せ替えてお着替えの練習が始まっていますね。これはドレスコードを備えて、ラストパーティへの足を調達し始めなければいけないところかな。
 お題はあと3題。言葉の着替えから、文章の着替えに稽古が移った。今まで学んだ編集の型を携え、残りのお題に取り組もうという、卒門への構えを見立てたマクラだった。そこに師範・新井は来たる感門之盟との関係線を引いた。
感門之盟のドレスコード どうする?
@モモめぐむ教室
 勧学会での発言の最後に添えられたこのコメントに、学衆Yが反応を示した。今回の感門之盟には学衆が本楼に戻ってくる。本楼出席を決めていたYは、どのような服装でいこうか悩んでいた。そこに師範代の中村裕美は過去の感門之盟の様子を伝えた。教室名らしさを取り入れた服装、学衆に衣装編集してもらった師範代。過去の話にインスピレーションを受けたYは、モモめぐむらしさとは、連想を膨らませる。
中村は、モモめぐむ教室の世界を、ミヒャエル・エンデの『モモ』の世界と重ねていることを明かしていた。エンデが描くモモは、ロックな生き様。しかし寿ぎの場であれば、ドレッシーな方がいいか。ツギハギの服を着るモモならば、古着だろうか。勧学会に様々なパターンの衣装案を提示すると、教室仲間に呼びかけ、アイデアを求めた。「師範代をいじろう」。ドレスコード談議が一気に加速した。
「イメージカラーは『モモ』の表紙にちなんでオレンジだろう。時計がキーアイテムだ」
「モチーフなら花、星、亀もある」
「モモはどのような恰好をしていたっけ?」
「『モモ』を読まなきゃ」
本楼参加者だけではなく、感門之盟欠席者も加わり交し合うドレスコード談議。最終的にそれぞれがどのような服装にするか、フセられたまま終わった。そして3月18日、感門之盟一日目。モモめぐむ教室の仲間が集った。
各々が教室名に肖って描き出した、たくさんの『モモ』の姿。17週間の稽古で培われた、イキイキとした編集の実りをご覧あれ。

師範代・中村。背伸びしておしゃれしたモモ。ゆるふわパーマ。だぶだぶジャケット&くるぶしまでのスカート。花のコサージュ。オレンジのネイル。学衆のアイデアを一種合成する。

師範・新井。ロックなモモ。チームの傑作ペパーランド教室とのコラボ。ペパーランドパーカーに桃の髪飾り。前髪はこの日の為に、オレンジに染める。

学衆Y。鮮やかなオレンジのワンピースに大きめのジャケットを合わせる。裸足のモモにちなんでサンダル。靴下も教室カラーのオレンジ。

学衆Aとその母。Aのカラフルなユニコーン柄のワンピースは、灰色の男たちから色とりどりな時間を取り戻すイメージと重ねる。Aを編集学校へ導いた母は、星空を纏い、星を眺めるモモを彷彿とさせる。

学衆T。ズバリ灰色の男。ジャケット、ネクタイ、帽子。ハレの日にふさわしく、びしっとかっこよく灰色でキメる。

Zoom参加メンバーも負けていない。学衆Tは愛娘の桃百(もも)ちゃんと共に。これ以上のモモはない。学衆Iは偶然その日にもらったガーベラを背景に、教室カラーのオレンジで華やかさを添える。
(文)中村裕美
(写真)チームさかい洋果子転
◆51[守]申し込み受付中
 [守]基本コース(51期)
 2023年5月8日~8月20日
 https://es.isis.ne.jp/course/syu
                            
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
かなりドキッとした。「やっぱり会社にいると結構つまんない。お給料をもらうから行っておこうかなといううちに、だんだんだんだん会社に侵されるからつらい」。数年前のイシス編集学校、松岡正剛校長の言葉をいまもはっきりとはっきり […]
花伝所の指導陣が教えてくれた。「自信をもって守へ送り出せる師範代です」と。鍛え抜かれた11名の花伝生と7名の再登板、合計18教室が誕生。自由編集状態へ焦がれる師範代たちと171名の学衆の想いが相互に混じり合い、お題・ […]
これまで松岡正剛校長から服装については何も言われたことがない、と少し照れた顔の着物姿の林頭は、イシス編集学校のために日も夜もついでラウンジを駆け回る3人を本棚劇場に招いた。林頭の手には手書きの色紙が掲げられている。 &n […]
週刊キンダイvol.018 〜編集という大海に、糸を垂らして~
海に舟を出すこと。それは「週刊キンダイ」を始めたときの心持ちと重なる。釣れるかどうかはわからない。だが、竿を握り、ただ糸を落とす。その一投がすべてを変える。 全ては、この一言から始まった。 […]
55[守]で初めて師範を務めた内村放と青井隼人。2人の編集道に[守]学匠の鈴木康代と番匠・阿曽祐子が迫る連載「師範 The談」の最終回はイシスの今後へと話題は広がった。[離]への挑戦や学びを止めない姿勢。さらに話題は松 […]
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2025-11-04
                                                                                56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
2025-10-29
                                                                                中二病という言葉があるが、この前後数年間は、”生きづらい”タイプの人にとっては、本格的な試練が始まる時期だ。同時に、自分の中に眠る固有のセンサーが、いっきに拡張し、世界がキラキラと輝きを放ちはじめる時節でもある。阿部共実『月曜日の友達』は、そんなかけがえのない瞬間をとらえた一編。
2025-10-28
                                                                                松を食べ荒らす上に有毒なので徹底的に嫌われているマツカレハ。実は主に古い葉を食べ、地表に落とす糞が木の栄養になっている。「人間」にとっての大害虫も「地球」という舞台の上では愛おしい働き者に他ならない。