百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。

多読ジム出版社コラボ企画第四弾は、小倉加奈子析匠が主催するMEditLab(順天堂大学STEAM教育研究会)! お題のテーマは「お医者さんに読ませたい三冊」。MEdit Labが編集工学研究所とともに開発したSTEAM教材「おしゃべり病理医のMEdit Lab-医学にまつわるコトバ・カラダ・ココロワーク」で作成したブックリストから今回のコラボ企画のために厳選した30冊(https://edist.isis.ne.jp/guest/tadoku_meditlab/)が課題本だ。読衆はここから1冊選び、独自に2冊を加えて三冊セットを作り、レコメンドエッセイ三冊屋(500〜600字)を書く。MEdit賞はいったい誰の手に?
耳を澄ませるのだ。自分の心の声に。いかに生きる、と、いかに死ぬかは同じことである。病により残された日々が少ないライオンの家にいる雫はそれでも最後まで人生を味わいつくそうと思う。瀬戸内の自然の中にあるホスピスで、もう一度食べたい記憶の中のおやつが、人と人とをつないでゆく。
人間は自然の一部である。きれいだなあ、いいなあと感じる心、いい手だなあと思うこと。はしと人間のあいだでいただきますをして食を味わうこと。言葉で結界を解き命と心を重ね共鳴する。調理中の音や色、匂い、感触、食材の気持ちよさそうな表情を感じ取る。それらはすべて直感であり生きることの本質。
そして、自然の環境破壊と人間の身体の中の細胞の変化も呼応し合う。食べるものにより人間の身体の細胞は変化する。ほんものを見分ける眼がほしい。
それぞれが心地よさを心の置き場をつくることに向かって奔走する。料理の記憶は、ひとを形成している一部。がん細胞も実は自分の一部。人生とは、すべて食べることから始まっている。だけど、人は生きている限り変わるチャンスがある!
Info
⊕アイキャッチ画像⊕
∈『ライオンのおやつ』/小川糸/ポプラ社
∈『一汁一菜』/土井善治/グラフィック社
∈『がんで余命ゼロと言われた私の死なない食事』/フレンチシェフ 神尾哲男/幻冬社
⊕多読ジムSeason13・冬⊕
∈選本テーマ:お医者さんに読ませたい三冊
∈スタジオ*スダジイ(大塚宏冊師)
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
1~3件/3件
2025-09-02
百合の葉にぬらぬらした不審物がくっついていたら見過ごすべからず。
ヒトが繋げた植物のその先を、人知れずこっそり繋げ足している小さな命。その正体は、自らの排泄物を背負って育つユリクビナガハムシの幼虫です。
2025-08-26
コナラの葉に集う乳白色の惑星たち。
昆虫の働きかけによって植物にできる虫こぶの一種で、見えない奥ではタマバチの幼虫がこっそり育っている。
因みに、私は大阪育ちなのに、子供の頃から黄色い地球大好き人間です。
2025-08-21
橋本治がマンガを描いていたことをご存じだろうか。
もともとイラストレーターだったので、画力が半端でないのは当然なのだが、マンガ力も並大抵ではない。いやそもそも、これはマンガなのか?
とにかく、どうにも形容しがたい面妖な作品。デザイン知を極めたい者ならば一度は読んでおきたい。(橋本治『マンガ哲学辞典』)