56守で初登板される皆さまへキワメツキのサカイメ画像を。羽化が迫り、翅の模様が透けて見えてきたツマベニチョウのさなぎ。側面に並ぶ赤いハートマークが、学衆さんたちとの激しく暖かな交換を約束しております。
「やっぱり教祖化するのか」。そうつぶやいたのは、44[守]菫色アビシニアン教室の大泉健太郎さんだ。疑念を消せぬままではあったが、好奇心を抑えきれず、“師”が創設した学校の門を叩いた。そこで彼を待っていたのは・・・
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芸術大学でデザインを探求する大泉さんが、新しい価値の創出を目指す前衛に出会い私淑しはじめたのは四半世紀前。だが、その師と仰いだ人物が学校を創ったことを知り失望することに。師とは松岡正剛であり、学校とは編集学校である。そうはいうものの、師は気になる存在でありつづけた。たまたま覗いた編集学校のホームページで、募集中の守コースが自らの年齢と重なる44期だったことに運命を感じ入門を決意する。
現在は高校でデザインを教える大泉さん。守コースがはじまるや、仕事にも活かせるかもしれないし、と自分を納得させていた言い訳はふっとんだ。菫色アビシニアン教室での舟本師範代との編集稽古に魅せられ、“ダーティーハリーのマグナム弾のような回答”を放ちたいと息巻いた。
ごっこ遊びでルールをつくりだす子どものように、出題されたお題を自由に読み解き、斬新な回答を届けつづける。その遊びぶりの秘密が開陳されたのは、汁講というオフ会の場だ。大泉さんが持参したノートには、師範代の指南を受け回答を重ねる際に、色を変えて重ね書きした推敲の十二単が残されていた。開帳された編集曼荼羅に一堂が息をのんだ。

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教室名の由来でもある宝塚歌劇団が好きな舟本師範代は、そんな大泉さんのマグナム弾を事もなげに受け止める。回答を朗唱する学衆がそろった『花とゆめ』に紛れ込んだゴルゴ13は、重量級の回答に昼夜を問わず指南を撃ち返してくる師範代というロールの不思議にもうずうずし始めている。

本楼での9教室合同大汁講で編集術を駆使してプレゼンする大泉さん
疑いが晴れたからか、汁講後の懇親会の席ではいつも以上に酒が進んだ。「指南をするともっと編集を楽しめるよ」との師範の囁きに、大泉さんはクイッと酒をあおりながら、「師範代をやると酒が飲めなくなりそう」と屈託なく笑った。
白川雅敏
編集的先達:柴田元幸。イシス砂漠を~はぁるばぁると白川らくだがゆきました~ 家族から「あなたはらくだよ」と言われ、自身を「らくだ」に戯画化し、渾名が定着。編集ロードをキャメル、ダンドリ番長。
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